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なるほど話

電子マニフェストのメリット

みなさまの会社では電子マニフェストを導入されていますでしょうか?
今回は電子マニフェストについて、排出事業者と弊社の導入事例を交えながら解説します。

1. マニフェストとは

電子マニフェストの解説の前にマニフェスト制度について簡単に解説します。
マニフェスト制度とは産業廃棄物を委託処理する排出事業者の責任を確保するとともに、不法投棄を未然に防止することを目的としたものです。またマニフェスト制度では排出事業者が排出した産業廃棄物が委託内容どおり処理されたことを把握・管理することを義務付けています。

詳細はDOWAエコジャーナル 環境便利帳 産廃マニフェストの運用解説で解説しています。

平成5年から特別管理産業廃棄物にマニフェストの使用の義務化が始まりました。排出事業者は廃棄物の引渡しと同時に複写式伝票(紙マニフェスト)を交付し、紙面で情報を管理することで、廃棄物の処理状況を確認・報告することが義務化されました。
平成10年にはマニフェストの適用範囲がすべての産業廃棄物に拡大しました。同時にこれらの手続きをWEB上で行うことができるシステム(電子マニフェストシステム)が導入されました。

2. 電子マニフェストとは

電子マニフェストでは、マニフェストに記載される情報を電子化し、排出事業者、収集運搬業者、処分業者が情報処理センターを介したネットワークでやり取りをします。
ある企業が、グループ30社で電子マニフェストを導入することで、年間3,000時間、約1,000万円の削減効果があったという、(財)日本産業廃棄物処理振興センターのアンケート調査結果もありますが、平成26年2月末の時点では、加入者合計は約110,000社、電子化率は35%と決して広く浸透したとはいえない状況です。

電子マニフェストの加入方法や詳細については、公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターのホームページをご参照ください。

電子マニフェストの仕組み
電子マニフェストと紙マニフェストの運用比較

3. 電子マニフェストの特徴

電子マニフェストのメリット

①ヒューマンエラー防止

電子マニフェストへの入力項目はシステム上管理されているため、記載ミスや記載忘れを防止できます。終了報告の確認期限が迫ると排出事業者へ注意喚起を促すなどヒューマンエラーを防止する仕組みになっています。

②リアルタイムで廃棄物の処理状況が確認可能

廃棄物の運搬や処理が完了したときには情報処理センターから排出事業者へ運搬終了報告、処分終了報告、最終処分終了報告の通知(電子メール等)が配信されますので、廃棄物の処理状況の確認をすることができます。

③廃棄物排出・処理委託状況の把握が容易

例えば、自社工場やグループ会社の廃棄物の排出状況、処理委託会社先を把握しようとした場合に、電子マニフェストなら情報が電子化されているので容易に把握する事が可能です。

④保管の不要

マニフェストの保管期間は5年です。特に多量排出事業者にとって、5年もの間、書類を社内に保管するとなると、保管スペースの確保や管理に労力を費やすことになります。電子マニフェストのマニフェスト情報は情報処理センターに保存され、いつでもマニフェスト情報を確認することが可能です。

⑤産業廃棄物管理票交付等状況報告が不要

情報処理センターが、排出事業者に代行して報告を行うため報告が不要です。特に多量排出事業者の方はこれらの業務に多くの時間や労力をかけていらっしゃることと思います。

電子マニフェストのデメリット

①運用料金

電子マニフェストの運用には基本料、使用料がかかります。

②紙マニフェストとの併用

排出事業者、収集運搬業者及び処理業者の3者全てが電子マニフェストに加入していないと運用することができないことから、紙マニフェストとの併用が余儀なくされます。これによりかえって業務が煩雑となるケースもあります。これらが導入を妨げている要因のひとつと考えられます。

③情報と物の不一致

紙マニフェストを使用した場合には、マニフェスト情報は常に現物(廃棄物)に付随しますので必ず情・物が一致します。そのため、あえて紙マニフェストにこだわるというケースもあるようです。

④システムダウンの可能性

アクセスが集中した場合、システムダウンにより入力が不可となることもあるようです。

4. 電子マニフェスト導入事例

一見便利そうに思える電子マニフェストの浸透が進まないのは何故でしょうか?
電子データの利点は、簡単にデータを他の情報と数珠繋ぎすることができる点です。この利点に注目し、電子マニフェストを付加価値のある廃棄物情報管理システムとして運用をしているケースが存在します。排出事業者、及び処理業者である弊社をその事例としてご紹介します。

●建設会社の場合

建設会社の場合、工事場所は全国各地にあるため廃棄物を排出する場所も全国各地にあり、廃棄物を排出する期間も限られていることから、廃棄物に関する情報を把握することが非常に困難です。

ある大手建設会社は、全国の作業所の廃棄物発生・処理状況を一元で管理するシステムと、廃棄物の発生予測、抑制・再利用を計画するシステムを開発し、電子マニフェストと連携して運用しています。

特に後者のシステムでは、工事データや工事見積もりを入力することで廃棄物の発生量の予測、削減策の提示し、削減量予測まで行います。各作業所はこれを実行することで廃棄物を削減できます。

●DOWAエコシステムの場合

廃棄物の中間処理を行っている、DOWAエコシステムグループでは、DONUTs(Dowa Network Ultimate Traceability)と呼ばれる独自の廃棄物情報管理システムを構築し、電子マニフェストと連携させて運用しています。

産業廃棄物の排出事業者から処理業者への廃棄物情報の提供書類として「廃棄物データシート(略称:WDS)」が運用されていますが、弊社の場合はこのWDSにさらに廃棄物の安全情報を加えたWSDS(廃棄物安全データシート)を運用しています。WSDSにはWDS情報に加え、廃棄物の物性、火災・漏洩といった非常時の対処方法、使用するべき保護具についての情報も含まれています。

これらの情報を廃棄物と紐付けて電子情報として管理することで、廃棄物を取り扱う作業者にも廃棄物情報・廃棄物の安全情報を周知することができ、このDONUTsを効率的に活用することで、収集運搬、中間処理の各工程の作業の安全性の向上に取り組んでいます。

5. さいごに

電子マニフェストは、「マニフェスト管理」に留まらず、電子データとなった廃棄物情報をいかに活用するか、が最大のポイントです。
電子マニフェストの導入を検討される際には、このような観点で導入を考えてみてはいかがでしょうか?また、既に電子マニフェストを導入されている会社では、廃棄物情報を活用して、環境管理活動に役立ててはいかがでしょうか。

【参考資料】

公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センターホームページ
電子マニフェストの仕組み
電子マニフェストと紙マニフェストの運用比較
電子マニフェストの利用料金


この記事は
DOWAエコシステム ウェステック事業部
小田 が担当しました

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