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キコリに聞く!
~木は「人にも環境にも優しい」再生可能エネルギー(2)~

今回は、木を伐った後のお話です。

2. 薪はこうして作られる

■玉切り ~ 薪の乾燥

薪の形になっていくまでの工程を教えて下さい。

次は、切り倒した木を「玉切り」にします。「玉切り」とは、丸太を一定のサイズで切っていくことで42cmと48cmの2種類があります。なぜ42cmと48cmかというと、ストーブの規定サイズです。

42cmと48cmを、山の中でどうやって測るのですか?

真っすぐな木の枝で、42cmと48cmの尺棒(物差し)を作ります。
その尺棒を丸太にあて、のこぎりで印をつけて、チェーンソーで切ります。

(写真左:左から尺棒42cm・48cm・椎茸原木用100cm、3年も使っているとのこと)
(写真中:尺棒を使って鋸で印をつける様子)(写真右:玉切り前と後)

薪割りはどうするのですか?

薪割り機というものがあります。薪割り機で割った後、崩れないように薪棚に積んで、6か月以上乾燥させます。


(写真左:薪割り機、写真右:薪棚)

■コツが要る!「タガ詰め」

次の工程「タガ詰め」について教えて下さい。


(写真:タガにキッチリ詰まっている薪)

タガとは、規格が統一されている、薪を詰めるための丸い針金です。このタガに詰めて束にして、売買されます。
薪の量に差が出ないよう、また緩みを防ぐためにも、タガの中に効率よく詰める必要があります。タガは円なので、木の皮側をタガに添わせるように入れていくと収まりが良いです。そして、中心の隙間を埋めるように、斧で細い木や中太の木を作って詰めていきます。

まるでパズルのようですね。他に、気を付けていることはありますか?

乾燥すると薪の体積は減るので、タガに詰めてから乾燥させると、タガの中で緩んでしまいます。「緩いもの」と「詰まっているもの」では量に差が出るので、お客様に満足してもらうためにも、乾燥してから詰めています。

また、乾燥が不十分な薪は煙突火災の原因となる物質が発生しやすく、使用に適していません。早めに使いたいお客様もおられますので、その意味でも十分に乾燥した薪を用意しています。

薪になるまでには長い工程があり、その中にはプロの技やポリシーが詰まっているのですね。

3. 薪は環境に優しい、再生可能エネルギー

2020年10月26日、首相は「脱炭素社会の実現を図る」と宣言しました。二酸化炭素排出の面から、薪を燃料にするメリットを考えてみましょう。

木は光合成の時に二酸化炭素(CO2)を吸収して、取り込んだ炭素(C)は幹や根の成長に使い(固定と呼ぶ)、酸素(O2)を空気中に放出します。薪を燃やせば二酸化炭素(CO2)を排出しますが、その二酸化炭素(CO2)は薪の中で固定されていた炭素(C)と酸素(O2)が結合してできた二酸化炭素(CO2)です。言ってみれば、木のまわりを炭素(C)がグルグル回っているだけで、増えないのです。これを「カーボンニュートラル」と呼びます。

一方、石油などの化石燃料は地中に埋まっていた炭素(C)が燃えて二酸化炭素(CO2)を排出しますが、木のように二酸化炭素(CO2)を吸収しませんから、燃やせば燃やすほど二酸化炭素(CO2)が大気中に増えていきます。

資源エネルギー庁によると「温室効果ガスの約9割は、エネルギー由来の二酸化炭素」(※1)であり、地球温暖化の進行を抑えるには「エネルギー由来の二酸化炭素を減らすことが必要である」とされています。

木は化石燃料に比べて「育てることが出来る=再生可能」であり、「二酸化炭素を増やさない=環境に優しいエネルギー資源」なのです。


(図:カーボンニュートラルとは)

4. 再生可能エネルギーとSDGs

出典:国際連合広報センター 2030アジェンダ

2015年9月の国連サミットで採択された国際目標であるSDGs(持続可能な開発目標)には17のゴールが掲げられています。その中の「7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」において「再生可能エネルギー」について触れられています。(※2)

5. 薪が辿ったストーリーを想像してみませんか

出典:写真AC

今回、夫に話を聞く中で「木の新芽から薪になるまでには、長いストーリーがある」ことを知ることが出来ました。

もし、皆さんが焚き火をする機会があるならば、癒しの中にほんの少しでいいので、思い出してみてほしいのです。その薪(木)は、かつて二酸化炭素を吸収して酸素を出してきた木であり、先人が育ててくれた木であるということを。
そして、その薪を作っている人は、今も次世代を見据えて木を育てている、ということも。

環境問題は、様々な要素が絡み合う難しい問題です。

小さなことではありますが、まずは自然を身近に感じられることが、環境問題を考える上での第一歩になるのではないでしょうか。子ども達に残したい未来のために、少しずつ始めてみませんか。

【参考・引用リンク】

※1 経済産業省 資源エネルギー庁
スペシャルコンテンツ「日本が抱えているエネルギー問題」(2017年7月21日)

※2 外務省
「SDGsとは?」

【関連記事】

DOWAエコシステム ホームページ
地球温暖化防止への取り組み

気象庁 ホームページ
温室効果ガスの種類

経済産業省 資源エネルギー庁 ホームページ
再生可能エネルギーの主力電源化 に向けた制度改革の必要性と課題(令和元年9月19日)
日本のエネルギー2018 「エネルギーの今を知る10の質問」
再生可能エネルギーとは


この記事は
キコリの嫁で果樹農家
こさかいあゆ が担当しました

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