第四次環境基本計画の進捗状況の第3回点検結果

［2016年2月1日］

【1】環境基本計画とは

環境基本計画は環境基本法に基づいて定められ、政府の環境施策の大綱を定めたものです。環境政策の方向性が示されていますので、政府が何を重視して環境政策を進めていくのかを知る手掛かりになります。
平成6年、平成12年、平成18年に続き、平成24年に第四次計画が閣議決定されました。

【2】第四次環境基本計画のポイント

（1）環境行政の究極目標である持続可能な社会を、「低炭素」・「循環」・「自然共生」の各分野を統合的に達成することに加え、「安全」がその基盤として確保される社会であると位置づけています。

（2）持続可能な社会を実現する上で重視すべき方向として、以下の4点が設定されました。

1. 政策領域の統合による持続可能な社会の構築
2. 国際情勢に的確に対応した戦略をもった取組の強化
3. 持続可能な社会の基盤となる国土・自然の維持・形成
4. 地域をはじめ様々な場における多様な主体による行動と参画・協働の推進

（3）「社会・経済のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進」、「国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進」、「持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進」の他6つの重点分野における、9つの優先的に取り組む重点分野が定められたほか、東日本大震災からの復旧・復興に係る施策及び放射性物質による環境汚染対策についても取り上げられました。

出所　環境省ホームページ　「第四次環境基本計画の概要」

【3】第3回点検内容

第3回目の点検は、5つの重点分野と「東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項」についても点検対象とされました。

【4】点検結果の概要

全体として、おおむね取組が進捗していることが確認された一方で、課題が残されている状況も確認され、今後の取組の改善のあり方について指摘がありました。

◎主な今後の課題と改善のあり方

（経済・社会のグリーン化とグリーン・イノベーションの推進）

• 企業が自主的かつ積極的に環境配慮行動を行うようなインセンティブを高めること等を通じて、企業のシステムの中に環境配慮が組み込まれることが重要

（国際情勢に的確に対応した戦略的取組の推進）

• 地球温暖化対策について、二国間オフセット・クレジット制度（JCM）の構築・実施の経験や知見をいかしつつ、気候変動枠組条約締約国会議（COP）など国際交渉の場で、全ての国の参加する公平かつ実効性のある新たな国際枠組みの構築に向けて取り組んでいく

（持続可能な社会を実現するための地域づくり・人づくり、基盤整備の推進）

• 人と自然が共生し、あらゆる資源の健全な循環が保たれる社会の実現のため、「森」、「里」、「川」、「海」を一体的に保全・管理すべく、関係府省等が横断的視点で緊密に連携する。
• 都市と農山漁村の連携・交流による互恵的関係の構築を進めることが重要

（水環境保全に関する取組）

• 平成27年7月10日に閣議決定された水循環基本計画を踏まえ、健全な水循環の形成のための施策を総合的に推進する
• 水循環の健全性を評価するための指標に係る調査研究を推進する

（大気環境保全に関する取組）

• ＰＭ2.5について、現時点の知見に基づき取り組むべき排出抑制対策を着実に推進するとともに、二次生成機構の解明やシミュレーションモデルの高度化等、科学的知見の集積に努め、総合的な対策の検討に繋げる

（東日本大震災からの復旧・復興に際して環境の面から配慮すべき事項）

• 平成27年8月6日に施行された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」に基づき、災害により生じた廃棄物を円滑かつ迅速に処理すべく、平時の備えから災害時の対応まで切れ目のない災害対策を実施・強化すべき

【参考資料】

環境省ホームページ
第四次環境基本計画の進捗状況の第３回点検結果について（お知らせ）
環境基本計画