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法規と条例

平成29年度 廃棄物処理法改正のポイント その3

平成29年6月16日、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律が公布されました。
今回は「有害使用済機器の適正保管等の義務付け」に係る主な改正部分を解説します。

【1】背景

近年、無許可の不要品回収業者が使用済み家電や小型家電などを回収し、ぞんざいな取り扱いをすることによって、生活環境の汚染を引き起こす事案が社会問題化しました。

輸出先の発展途上国では、環境対策や人への暴露対策が行われないままに、スクラップの選別や解体、銅を回収するためのケーブルの野焼きといった不適切な処理が行われていることが、調査によって明らかになりました。

出典:環境省ホームページ
中央環境審議会循環型社会部会(懇談会)(3月29日)資料
廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の説明資料

環境省はこうした事態を防ぐために、平成24年3月に「使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について(通知)」を出し、無償又は有償譲渡されたスクラップでも、リユース品としての市場価値が認められない場合や、不適正な処分が行われている等の場合には、廃棄物に該当すると判断して差し支えない、という考え方を示しました。
また、中央環境審議会循環型社会部会での審議を経て、廃棄物処理法を改正しました。
今後は、上の図の「不用品回収業者」「ヤード業者」「スクラップ輸出業者」等に規制がかかることになります。

【参考資料】環境省ホームページ
使用済家電製品の廃棄物該当性の判断について(通知)

【2】改正のポイント

ポイント(1) 有害使用済機器カテゴリの新設

「有害使用済機器」は、「使用を終了し、収集された機器(廃棄物を除く)のうち、その一部が原材料として相当程度の価値を有し、かつ、適正でない保管又は処分が行われた場合に人の健康又は生活環境に係る被害を生ずる恐れがある物として政令で定めるもの」と定義されています。(第17条の2第1項)

具体的に何が「有害使用済機器」とされるかは、今後、環境省令で定められます。

ポイント(2) 有害使用済機器の保管又は処分を行う業者に対する規制

雑品スクラップ等の有害な特性を有する使用済みの機器(有害使用済機器)について、保管又は処分を業として行う者に対して、都道府県知事への届出、処理基準の遵守等を義務付ける。

今回の法改正では、有価で取引され廃棄物に該当しない「有害使用済機器」の保管や処分を事業として行う場合の事前届出制度、保管・処理基準などが定められました。なお、詳細は今後、環境省令で定められます。

  • 「有害使用済機器保管等業者」は都道府県知事に対し、有害使用済機器の保管や処分を業として行うことをあらかじめ届け出なければなりません。届出事項を変更する場合も同様です。(第17条の2第1項)
  • 届出義務に違反した者には、30万円以下の罰金が科されます。(第30条第6号)
  • 有害使用済機器保管等業者は、有害使用済機器の保管基準、処分基準を遵守しなければなりません。(第17条の2第2項)

ポイント(3) 有害使用済機器の保管又は処分を行う業者に対する行政処分

処理基準違反があった場合等において、命令等の措置を追加する。

(1)報告徴収・立入検査

  • 有害使用済機器保管等業者は、都道府県知事等による報告徴収や立入検査の対象になります。(第17条の2第3項)
  • 報告徴収せず又は虚偽の報告をした者、立入検査の妨害や忌避をした者には、30万円以下の罰金が科されます。(第30条第7~8号)

(2)改善命令・措置命令

  • 保管基準、処分基準に違反した有害使用済機器保管等業者には、都道府県知事より改善命令が出されます。(第17条の2第3項)
  • 有害使用済機器保管等業者によって不適正な保管・処分が行われ、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合、業者や関与者は措置命令の対象になります。(第17条の2第3項)
  • 改善命令違反には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(又は併科)、措置命令違反には5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金(又は併科)という罰則があります(第25条第5号、第26条第2号)

【参考資料】

環境省ホームページ
廃棄物処理制度専門委員会報告書
平成29年3月10日 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について」

総務省消防庁ホームページ
スクラップ金属火災とその対策
金属スクラップ火災事例一覧

国立環境研究所ホームページ
E-wasteのリサイクル村で難燃剤による食品汚染を調査する
野焼きの煙
E-wasteリサイクルに伴う有害化学物質のゆくえ
アジアのインフォーマルE-wasteリサイクルにおける金属回収効率を調査する


大原 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
大原 が担当しました

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