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リチウムイオン電池の貯蔵に関する消防法の規制が見直されました

危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の改正が2023年12月6日に公布され、2023年12月27日から施行されました。

危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の公布について

■消防法による規制とは

リチウムイオン電池(以下LIB)の電解液は引火性液体(第4類の危険物)に該当します。消防法には、危険物の貯蔵または取り扱いが消防法による規制を受けるかどうかを決める基準量が「指定数量」として定められています。
たとえば、灯油や軽油は第4類危険物第2石油類の非水溶性液体なので、指定数量は1,000リットルと定められています。

指定数量未満の場合、危険物の貯蔵または取り扱いについては消防法ではなく市町村が定める条例によって規制されています。

■改正の背景

気候変動への対応として、蓄電池の導入拡大にむけた投資が進められようとされている中、リチウムイオン電池に関する消防法令上の規制を見直すよう、業界団体から要望があることを踏まえて、リチウムイオン電池に係る火災予防上の安全対策について、「リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討会」にて調査検討が行われました。

(出典)リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討報告書[2023年2月]

「リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討会」において、海外の基準を基にした実験が行われ、「リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討報告書」が取りまとめられました。

■今回の改正内容

①屋内貯蔵所に関する特例

蓄電池によって貯蔵される第2類又は第4類の危険物のみを貯蔵、又は、取り扱う屋内貯蔵所の軒高、階数、面積に関する規制を合理化するため、位置、構造及び設備の技術上の基準について、省令で特例が定められました。(改正政令第10条関係、省令16条の2の10関係)
具体的には、軒高、階数、床面積の規制が緩和され、一方で、貯蔵する蓄電池について、充電率60%未満、水が浸透する素材で包装すること等の規制が講じられています。

②消火設備の基準に関する特例

蓄電池によって貯蔵される第2類又は第4類の危険物のみを貯蔵、又は、取り扱う屋内貯蔵所に設置しなければならない消火設備の基準について、省令で特例が定められました。(改正政令第20条関係、省令第35条の2関係)
具体的には、蓄電池の貯蔵方法に応じて定める基準に適合したスプリンクラー設備を設置すること等とされています。

■さいごに

リチウムイオン電池にどれくらいの電解液が含まれるのかを把握するにはメーカー等に問い合わせる必要がありますが、危険物の指定数量を超えないとしても市町村が定める条例によって規制されていますので、リチウムイオン電池を貯蔵する場合にはご留意ください。

改正の詳細については、消防庁のホームページをご覧ください。

消防庁ホームページ
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令(案)等に対する意見公募の結果及び改正政令等の公布[2023年12月6日]
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令等の公布について(消防危第324号 令和5年12月6日)
リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討会
リチウムイオン蓄電池に係る火災予防上の安全対策に関する検討報告書[2023年2月]

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DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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