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イギリス・アシュフォードのゴミ事情
家庭ゴミの捨て方~分別まで

イギリスの南東に位置する、アシュフォード。
鉄道路線の中心地であり、ロンドンや英仏海峡トンネル経由でフランスのパリなど、あらゆる街を繋いでいます。
中でもショッピングモールが有名で、国内外から多くの人がやって来る大きな都市として知られています。

本記事では、そんなアシュフォードの家庭ゴミについて解説していきます。

イギリス・アシュフォードのゴミの捨て方

アシュフォードのゴミの捨て方は、基本的に日本のゴミの捨て方と同じ。決まった日にゴミ収集車がやって来るので、指定の場所へゴミ箱を出しに行きます。
日本と違うのは、ゴミ袋を持って行くのではなく、ゴミ袋を入れたゴミ箱自体を運ぶこと。また、指定の場所は、基本的に家の前の道路など、近場ということです。

実際にゴミを回収している風景がこちら。
ゴミ箱ごと持ち上げて、中身をひっくり返しているのがわかりますね。

なお、ゴミの回収は税金で賄われているため、無償です。

後述しますが、一部有料のゴミもあります。

家庭ゴミは3種類

アシュフォードでは、ゴミの種類は主に3種類。

  1. リサイクル(Recycling)…緑のゴミ箱
  2. 生ゴミ(Food)…蓋がオレンジのゴミ箱
  3. その他(all other rubbish)…黒いゴミ箱

リサイクルには、文字通り、再利用できる資源を捨てます。
プラスチックや紙ゴミ、ビンなどが当てはまります。
肉のトレーやペットボトル、段ボール、手紙、ワインボトルやジャムなどの瓶…。
日本ほど細かい指定がなく、ゴミのほとんどがこれに当てはまるため、リサイクルに出すゴミが1番多くなることが多いです。

リサイクルのゴミの詳細は、以下のページから確認できます。
市のリサイクルのページ

生ゴミは、果物や野菜の使わなかった部分・傷んでしまったものなど。
食べ物を入れているプラスチック袋はリサイクルになりますので、混ぜるのは厳禁です。
なお、紅茶のティーバッグは、生ゴミに含めてOK。

その他は、上記2つに当てはまらないもの。
使用済みのティッシュやラップ、掃除機のゴミなどです。

小型家電やその他ゴミの分別で迷ったら?

ただし、スマートフォンやゲーム機など電池で動くもの、ドライヤー等のプラグがついている小型家電(60cm×30cm未満)は、別で捨てる必要があります。
ショッピングバッグサイズの透明な袋に入れ、その他のゴミ箱の上に置きましょう。

アシュフォードで回収してくれる小型家電は、以下の通りです。

受け入れ可能な品目:
電話、充電器、リモコン、ビデオデッキ、デジボックス、電子玩具、電気ポット、ヘアドライヤー、電動歯ブラシ、シェーバー、ヘアアイロン、アイロン、小さな DIY ツール、時計、ラジオ、ケーブル、キーボード、マウス、スピーカー

また、一部の小型家電は店舗でリサイクルとして引き取ってもらえることもあります。

ゴミの分別で迷ったら、市のHPで逐一確認する必要があります。

例えば、本を捨てたい場合。
本は英語だと“Book”なので、Bのカテゴリーを選択します。
頭文字が“B”の単語と、あわせて対処法が表示されるので、その指示に従います。

ちなみに、本は「チャリティーショップまたはリサイクルセンター」になっています。
ゴミとして捨てられず、決まった場所に持って行く必要があることがわかります。

日本もそうですが、イギリスも地域によってゴミの分別が異なります。
違う地域へ引っ越した際、混乱してしまうので、この様にいつでも確認できるのは便利ですよね。

引用元:Ashford Borough Council

家庭ゴミの回収頻度は基本的に2週間に1度

家庭ゴミの回収頻度は、基本的に2週間に1度です。
「え、長い!」と思うかもしれませんが、アシュフォードのゴミ箱は180〜240リットル。これだけ容量があれば、2週間空いても問題ありませんね。
また、日本と比べて気温が低い・湿気もないので、匂いも発生しにくく気になりません。

生ゴミ(Food Waste)は1週間に1度

ただし、生ゴミは1週間に1度の回収です。
写真を見てわかる通り、他2つのゴミ箱と比べると小さいですよね。
容量は、7リットルと他2つのゴミ箱の1/3程度。
また、腐りやすい「生もの」であるという理由から、この頻度になっていると考えられます。

ちなみに、アシュフォードの生ごみは、酸素を使用せずに食品を分解する嫌気性消化処理方式。
豊富なバイオガスが生成され、ガスは発電、ガスグリッド注入、輸送用燃料、残りはバイオ肥料として利用されます。

庭の草木(Garden Waste)は有料

実は今まで紹介した以外に、もう1つゴミ箱があります。
庭から出る草木、花を入れる「ガーデンウェスト」です。

このゴミの回収は有料で、年間£45(=8,179円、2023年6月19日時点)が掛かります。茶色のゴミ箱で、私は所有していませんが、戸建ての多くが所持しています。
イギリスのガーデンは芝で一面覆われている所も多く、必須アイテムになっています。

家庭ゴミと一緒に庭の廃棄物を扱わないことで、焼却に送られるのではなく、適切に堆肥化して再利用できるようにするためですね。

ガーデンウェストを利用したい時は、まずは市に問い合わせ、年間の使用料を払います。
数日後、自宅にゴミ箱本体が届くので、それを受け取ったら次の回収日から使用可能です。

また、ずっと使っていると壊れてしまうこともありますよね。
ゴミ箱が破損してしまった場合、問い合わせれば新しいものと交換してもらえるようです。地域によっては有料の場合もあるので、アシュフォードは家計に優しいと言えます。

なお、ガーデンウェストの回収頻度は2週間に1度です。

日本のゴミ捨てと比較して

日本はゴミの収集日が曜日で決められており、なんだかんだで毎日色んなゴミ袋を出していた記憶があります。
それに比べると、週に1度のゴミ出しで住むアシュフォードは楽、という感じ。
また、ゴミの分別もリサイクルできるか・できないかの判断なので簡単です。

デメリットは、ゴミ回収車がゴミを回収してくれた後、自分のゴミ箱を再び敷地に戻す作業が発生するくらいでしょうか。
それでも大した距離ではないので、1分もかからず、人によってはデメリットではないかもしれませんね。


この記事は
イギリス在住のフリーライター
マトソン有希 が担当しました

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