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廃棄物をドラム缶に入れて排出する際、ドラム缶の種類は気にしなくてもよいですか?

Q:廃棄物をドラム缶に入れて中間処理業者へ搬出する場合、使用するドラム缶は何でもいいですか?

A:

廃棄物の種類に応じて適したドラム缶を使用してください。

■ドラム缶選定のポイント

  1. 材質
  2. 蓋の形状

例えば、酸性の廃棄物にはケミカルドラムを使用する必要がありますし、液体の廃棄物にはクローズドラムを使用する必要があります。

■ドラム缶の種類

ドラム缶に入れる廃棄物で使用すべきドラムは異なります。

①材質

ドラム缶で一般的なのは鉄製やステンレス製です。その他、ケミカルドラムという、ドラム缶の中が耐薬品性の樹脂製のものや、外側も含めてすべて樹脂製のものもあります。

左:鋼製ドラム / 右:ケミカルドラム

出典:製品情報(朝日容器(株)ホームページ)

②蓋の形状

「クローズドラム」は、口栓以外に開口部がなく、密閉性が高いのが特徴です。そのため、液体に用いるのに適しています。
「オープンドラム」は天板そのものが取り外せ、開口部が大きいのが特徴です。このため、固形物に用いるのに適しています。

左:クローズドラム / 右:オープンドラム

オープンドラム(ボルトで固定)

■適切なドラム缶を使わないと、どんなリスクがありますか?

中に入れる廃棄物に適したドラム缶を使用しないと、漏洩のリスクが高まります。
運搬中に漏洩すると、廃棄物が流出したり飛散したり、廃棄物がガス化して拡散する等、周辺環境に悪影響を与えてしまいます。また、道路に漏洩させた場合には漏洩させた廃棄物の回収と道路の清掃、行政・周辺住民への説明などが必要になります。

では、どうして漏洩のリスクが高まるのでしょうか?その理由は2つあります。

①ドラム缶が腐食して穴が開いてしまう

鉄は酸によって腐食します(溶けます)。ステンレスであってもは酸によって腐食します。そのため、鉄・ステンレス製ドラムに酸性の廃棄物を入れた場合、容器が腐食するリスクが高まります。

例えばドラム缶内部で腐食が進んでいるケースは多くあります。ドラム缶の内部で腐食が進行していた場合、その箇所は脆くなっていますので、運搬中に隣のドラム缶と接触した衝撃で穴が開いてしまうリスクは高まります。

酸性の廃棄物を処理委託する場合には、耐薬品性のあるケミカルドラムを使用する必要があります。

②蓋の隙間から中身が出てしまう

液体の廃棄物をオープンドラムに入れた場合、オープンドラムの蓋の隙間から漏洩するリスクが非常に高くなります。

オープンドラムは天板をバンドで蓋閉じます。

天板にはゴム製のパッキンがついているので、一見、密閉性があるように思えますが、パッキンが古くて腐食していたり、バンドを止めるボルトが緩んでいたり、運搬中に隣のドラム缶と接触する事でバンドが緩んだりするため、運搬中の揺れで隙間から中身がこぼれてしまうリスクが高いのです。

オープンドラムからの漏洩例


この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
後藤 が担当しました

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