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PFOS(ピーフォス)含有廃棄物の処理を開始しました。

DOWAエコシステムの子会社、エコシステム千葉(株)エコシステム山陽(株)において、「PFOS含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」に基づいて焼却事前確認試験を行い、PFOS含有廃棄物を安全に分解処理できることを確認し、廃棄物処理受託を開始しました。

PFOSは使用・生産が禁止される以前は、一般的な例として消火薬剤に広く用いられており、廃棄される前のPFOS含有製品はいまだ国内に存在しています。

PFOS含有製品を廃棄する際は、事前確認試験により処理能力が確認された施設に処理を委託する必要があります。
皆様の事業所におかれましても、今一度対象製品の使用有無、また廃棄物の処理委託先についてご確認いただくことを、お勧めいたします。

■PFOS(ピーフォス:ペルフルオロオクタンスルホン酸)とは?

【構造式】

ペルフルオロオクタンスルホン酸の構造式

【用途】

PFOSは、界面活性剤として消火剤、半導体・金属メッキの表面処理剤に使用されていました。

【規制の背景】

2009年に、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)の対象物質として、追加採択されました。これに伴い、日本国内においても化学物質審査規正法(化審法)における第1種特定化学物質に指定されました。

【毒性】

化学的な安定性ゆえに環境中で分解されにくく、自然界や社会など環境中に広く存在し、生物への蓄積性も明らかになり、新たな環境汚染物質として注目されるようにりました。また、生体に蓄積しやすく、継続的に摂取した場合は人への毒性もあることが懸念されています。

【保管・取り扱い】

PFOSを含有する製品の保管・取扱いについては、経済産業省の定める、以下の2点を遵守する必要があります。
①取扱いの技術上の基準
②譲渡・提供する場合の表示義務
※詳細情報:「経済産業省 消火器・泡消火薬剤のお取扱いについてのお知らせ

【PFOSを含有する廃棄物の処理について】

PFOSを含有する廃棄物の処理に関して、環境省は2010年9月に「PFOS含有廃棄物の処理に関する技術的留意事項」を公表し(2011年3月改訂)、事前確認試験を行い適正にPFOSを分解処理できることを確認出来た施設にて、PFOS含有廃棄物を処理することと定めました。

■PFOS含有廃棄物の処理について

1-PFOSを含有する廃棄物の種類

区分 排出事業者 廃棄物の種類
泡消火設備 点検、訓練、実災害に伴い放出された泡消火薬剤 設備所有者又は点検業者 汚泥又は
廃酸・廃アルカリ
廃薬剤 設備所有者又は解体業者
消火器 点検、訓練、実災害に伴い放出された泡消火薬剤 機器所有者又は点検業者
廃薬剤 機器所有者又は解体業者
パッケージ用消火設備等 点検、訓練、実災害に伴い放出された泡消火薬剤 設備・機器所有者又は点検業者
廃薬剤 設備・機器所有者又は解体業者

※表は2025年9月30日に更新

2-PFOSの分解処理目標

①分解率 含有量50mg/kg以上 99.999%以上
含有量50mg/kg未満 確認不要
技術的留意事項では、左表の分解率と排出濃度の目標値を満たすことが求められています。
エコシステム千葉(株)、エコシステム山陽(株)の2社でPFOSを含有する泡消火薬剤の焼却事前確認試験を行い、分解処理目標値を満たすことを確認しました。
②PFOSまたは塩濃度の排出濃度
排ガス 60ng/m3N
廃水 1μg/l
残さ 5μg/kg-dry
③フッ化水素排出濃度
排ガス 5mg/m3N

※表は2025年9月30日に更新

※エコシステム千葉(株)、エコシステム山陽(株)は工程排水が発生しないクローズドシステムのため、廃水は除く。

3−焼却処理フロー(エコシステム千葉2号炉)

焼却処理フロー図

■PFOS含有廃棄物処理に関するお問い合わせ

【使用済み泡消火薬剤、廃薬剤】

エコシステム千葉(株)、エコシステム山陽(株)で処理を承ります。お引取りにあたっては、サンプル分析、県外廃棄物搬入事前協議、契約等、エコシステムジャパン(株)がご案内させていただきます。

【泡消火薬剤以外のPFOS含有廃棄物】

写真フィルム、エッチング液などについては、ご要望に応じて事前確認試験を実施し、処理体制の整備を図りますので、お困りの廃棄物がありましたら、是非ご相談ください。
また、エコシステム秋田でもお引き合いに応じて事前確認試験を行ってまいります。

■PFOSに関する情報サイト

【お問い合わせ先】

エコシステムジャパン株式会社
https://www.ecosystem-japan.jp/contact/entry.php


永田 この記事は
DOWAエコシステム ウェステック事業部 永田 が担当しました

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