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2016土壌・地下水環境展 出展内容のご紹介

2016年10月19日~21日に開催されました、「2016土壌・地下水環境展」にDOWAエコシステム ジオテック事業部が出展いたしました。
ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
当展示会ではプレゼンテーション2種類、パネル4種類のご説明をさせて頂きました。ここでは各々発表した内容をご紹介します。
(※ 画像をクリックすると拡大画像が開きます)

■プレゼンテーション

【1】GISを用いた自然由来重金属等含有土壌の発生量の推定

弊社では、Geographic Information System(GIS:地理情報システム)を用いて、ある地点における自然由来重金属等含有土壌の発生量を推定できるシステムを開発中です。その推定方法や利用方法についてご説明しました。

地圏環境インフォマティクスシステム

地図には地名やその位置情報、駅の経路や乗換場所を示したものなど、様々な種類のものがあります。このような各種地図をレイヤーとして重ね合わせ、一つのものとして解析できるようにした技術がGISです。弊社では、土壌・地質情報に特化した「地圏環境インフォマティクスシステム」というGISマップを2008年に東北大学・産業技術総合研究所と共同で作成しています。

要処理残土量のGISによる推定


このGISマップは、土壌中に含まれる重金属の情報と地質や地形などの地圏環境を地図上に統合しています。そのためGISマップに工事範囲のマップを重ね合わせることで、残土の発生元になる地質毎の発生量が推定可能になります。そして、各地質が持つ自然由来重金属等含有土壌などが発生する割合(要処理残土リスク)を掛け算すると推定要処理残土量を算出できると考えました。

今後の展開

現在の要処理残土発生量を算出する精度はまだまだ改善の余地があり、地質毎の汚染リスク(要処理残土リスク)の精度向上が要となります。この精度向上に向けて、地質毎のより詳細なデータ収集を進める予定です。
ゆくゆくはグーグルマップのように、工事範囲と掘る深さの情報を入力すれば、自動的に要処理残土の量を推定できるプログラムの作製を考えています。

【2】海外における土壌汚染関連法の新たな動き

土壌汚染の問題は拠点の開設・撤退・移転などの際に発生します。これは海外においても同様で、近年では日本国内と同程度の管理が求められる場合があります。しかし土壌汚染に関する法律や条例の内容は各国により様々で、法の整備がされていない場合もあります。このような状況の中で、各企業が留意すべき点や日系企業の事業展開の対象となるアジア諸国、特に2016年に省令が公布されたタイに着目し、どのような法が制定されているかをご紹介しました。

海外へ拠点の開設・撤退・移転に発生する土壌汚染問題

海外においても工場等の開設・撤退・移転など行う際には環境に関連する法律や条例を遵守する必要があります。環境問題の中でも土壌汚染問題は、汚染原因者の決定が困難であるのに加え、海外では法律の記載内容と実際の運用に違いが生じるなどの海外特有のリスクも存在します。そのため日本、現地駐在者、現地スタッフの3者で現状を確認し、対応を行うことが必要です。

海外の土壌汚染に関する法規制

土壌汚染に関する法規制は米国、欧州、そしてアジア諸国という流れで制定されてきています。近年ではアジア諸国に法制定の動きがみられ、中国は2020年までの施行、マレーシアでは2016年以降に法律が制定される予定です。

タイの新省令

タイでは2016年4月に工場敷地内の土壌・地下水汚染に関する新しい管理規制(工業省令)が公布されました。この新省令では対象業種は12業種、対象物質は約120種と定められており、多くの企業が対象となることが予想されます。この省令が施行されれば、新規・既存の工場に関わらず調査・分析・モニタリングの義務が課されます。

しかし調査、対策の方法などに関する詳細な内容については現時点で公表されておりません(2016年10月現在)。そのため、今後もタイでの規制の動きについて注視が必要であると考えています。

DOWAグループでは、タイに複数の拠点を有しており、各拠点には日本人スタッフに加えて、現地の環境問題に精通した現地スタッフも在籍しております。また、日本においても、世界各国を対象としている環境コンサルタント会社E&E ソリューションズ社を有しております。このようなネットワークを通じて今後もタイの法規制に関する情報収集を行っていきたいと考えております。

また、タイに限らず、弊社はアジアの各拠点に、土壌汚染問題に精通した日本人駐在員が在籍しております。土壌汚染でお困りのことがあれば、どうぞご相談ください。

■パネル

【1】「GISを用いた自然由来重金属等含有土壌の分析」

土壌・地質情報に特化したGISマップ「地圏環境インフォマティクスシステム」により、ある地点における自然由来重金属等含有土壌の発生量を推定する技術の紹介を行いました。

【2】「乾式磁力選別処理(DME)」

平成28年6月汚染土壌の処理業に関するガイドライン改正では、新たな汚染土壌の処理方法として「磁力選別」が追加されました。この新たな磁力選別処理方法の原理や、エコシステム花岡への導入状況などをご紹介しました。

【3】「新たな規制物質 クロロエチレン」

平成29年度から土壌汚染対策法に新しい規制物質としてクロロエチレンが追加されます。このクロロエチレンに対する処理技術として、DOWAが保有する場外および現地処理に関する4つの処理方法をご紹介しました。

【4】「海外における土壌汚染関連法の新たな動き」

土壌汚染に関する法律や条例の内容は各国により様々です。その中でもタイに着目し、土壌汚染関連法の内容をご紹介しました。

今回の土壌・地下水環境展では「新たな技術・知見」をテーマに、DOWAエコシステムの新技術や、国内外の新規制のご紹介を行いました。今後も新規技術の立案・新情報の収集に努めてまいりますので、何か土壌汚染に関することで何かお困りのことがありましたら、ご相談ください。


竹島 この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
竹島 が担当しました

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