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持続可能な社会構築に向け、食品廃棄物を再生可能エネルギーに!

2021年1月に竣工し、2021年4月に稼働を開始した食品リサイクル工場

バイオディーゼル岡山株式会社は、2009年の操業開始以来岡山市の一般廃棄物・学校給食・スーパー・コンビニエンスストア・食品製造工場などから排出される廃食油を回収し、累計6,000KLのバイオディーゼル燃料を製造・販売して参りました。

「ゴミ」として捨てられていた廃食油が燃料として有効活用されれば、食品廃棄物のリサイクルが進むだけでなく二酸化炭素の削減、引いては地球の温暖化防止に役立つこととなります。
「バイオディーゼル燃料事業」は、開始から10数年が経過いたしました。この間地球の温暖化は更に進み、昨今その防止が喫緊の課題として世界的に強く求められております。そのような環境下で新たに「食品リサイクル・バイオガス発電事業」を開始いたしました。

施設の概要

事業内容 バイオガス発電(食品廃棄物を原料とし、そのメタン発酵で生じるガスを利用)
施設の設置場所 岡山県岡山市南区築港栄町7番49
敷地面積 約8,900m2
工場延べ床面積 1,125.8m2(事務所を含む)
食品廃棄物の処理能力 45トン/日
発電容量 910kW
本操業開始 2021年4月

■処理施設

【処理棟】

食品廃棄物の受入検査、貯留、前処理を行う施設です。弁当等の包装容器類は破砕し、食品と選別します。棟内で発生する臭気は外部に漏らさぬように吸引し、脱臭処理を行います。

【メタン発酵槽】

選別した食品は、約30日間でメタン発酵させます。タンク内はメタン発酵に最適な条件(pHや温度)によって管理します。

【ガスエンジン】

食品より発生したバイオガスを燃焼させ、電力に転換します。この電力は再生可能エネルギーとして電力会社に売却します。

■食品廃棄物の現状

食品リサイクル法における集計では1,700万t程度の食品廃棄物が発生しております(2019年度)。食品リサイクル法では食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業を対象としており、家庭から発生する食品廃棄物は含んでおりません。リサイクルのしやすい食品製造業から発生する食品廃棄物についてはリサイクル(96%)が進んでおります。しかし、包装容器に包まれる流通段階以降で食品が廃棄される場合、その包装容器の分別が困難となり、そのリサイクル率は卸売業64%、小売業51%、外食産業32%と低いのが現状です。

また、食品廃棄物の中でもまだ食べられる食品が捨てられることを「食品ロス」と呼び、その発生量は年間約570万t(2019年度)となっており、削減や有効利用を進めていく必要があります。
食品廃棄物をそのまま捨てることなく発電事業に利用することで、食品廃棄物を有効利用し、リサイクル率向上に貢献します。

■カーボンニュートラルなエネルギーの創出

カーボンニュートラルとは、CO2等の温室効果ガスの増加を全体として0にすることを指します。

化石燃料の使用は地中に蓄えられた炭素(石油石炭など)を燃焼させるため、大気中のCO2濃度は増加することになります。
一方で食品廃棄物のように植物等を原料にした場合、成長過程で吸収された大気中のCO2が再度放出されると考えられるため、大気中のCO2濃度は変わりません。

よって、化石燃料由来のCO2が発生しない「再生可能エネルギー」の利用はカーボンニュートラルの実現に貢献できます。本事業においては食品廃棄物を年間約16,000t受け入れることができ、発電量は年間約1,600世帯分に相当します。
食品廃棄物を利用したメタン発酵バイオガス発電により、化石燃料を使用しないエネルギー創出に貢献することができます。

▶︎再生可能エネルギー一覧(食品廃棄物は「バイオマス」に該当します)

本事業は、操業開始1年間において多種多様な原料への発酵技術を身に付け、安定的にメタンガスの製造とガス発電ができるようになりました。今後、さらなる処理量増加により地域の食品リサイクル及び再生可能エネルギー増加に貢献していきたいと思います。

■セミナールーム完成!

2022年4月に工場見学用のセミナールームが完成しました。1度に40名程度の受け入れが可能となり、排出事業者の現地確認など工場見学の際に使用しています。岡山に拠点を置くDOWAグループ各社の紹介パネルも展示し、当社の事業をご理解いただけるよう今後も整備を進めてまいります。

【参照】

農林水産省ホームページ
食品リサイクルの現状
食品ロスとは

【お問い合わせ】

バイオディーゼル岡山株式会社
食品リサイクル部門
住所:〒702-8053 岡山市南区築港栄町7-49
電話:086-259-4910 / FAX:086-259-4911


三戸 この記事は
バイオディーゼル岡山株式会社
三戸 が担当しました

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