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クラシック音楽と伴に…

もう半世紀位前の小学校の音楽の授業、同級生のみんなが退屈そうにしていたクラシック音楽鑑賞の時間。グリーグの「ペールギュント」組曲や、チャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」を聞き、一人感動の悦びに満たされていました。小学2年生の頃です。

親父におねだりして、Victorのステレオセットを購入してもらい、少ないこずかいを貯めて貯めて、当時五百円位で売られていたEP盤や、千円の廉価LPレコード盤をせっせと蒐集(しゅうしゅう)し始めたのでした。

初めて買ったのは、アーサー・フィードラー指揮 ボストン・ポップス管弦楽団の演奏する、チャイコフスキー作曲「アンダンテ・カンタービレ」の入ったEP盤です。
弦楽合奏による甘く切ないメロディーに、少年の心は鷲掴みにされたのでした。

フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団のロッシーニ:序曲集、シャルル・ミュンシュ/ボストン交響楽団のベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」など、現在でも名盤の誉れ高い名演奏に出会うのですが、一番心を揺さぶられたのが、20世紀最高の名指揮者であるヘルベルト・フォン・カラヤンでした。

当時カラヤンの名盤は、グラモフォンから¥2,200−/枚と、小学生にはなかなか手に入れ難い価格で売られていて、岡山市内のレコード屋さんに行っても、垂涎の眼差しで見つめるしかなかったものです。
そしてついに、6年生の時、お正月に貰ったお年玉を使って、清水の舞台から飛び降りたつもりで、初めてドボルザーク:交響曲第9番「新世界から」を購入しました。その時の嬉しさは、今も忘れる事が出来ません。岡山へ出掛け、カラヤンのレコードを買うその前夜は、布団に入ってもワクワクし過ぎて殆んど眠れませんでした。シューベルト:未完成交響曲がカップリングされたそのLP盤は、本当に擦り切れそうな位、何回も何回も聴いたものです。

こうして、中学3年生になる頃には、マイコレクションは100枚以上に増え、同級生のみんなからは「クラシック博士」と呼ばれるようになっていました。

期末試験の音楽の筆記や聴き取りでは、平均点が30点なのに、一人だけ90点台を取り、その回は断トツの校内1位を獲得しました。

高校生になると、親父の勤めている会社でアルバイトもする様になり、お金の余裕も出来て、演奏会にもしばしば出掛けるようになりました。
クラウディオ・アバードや、クルト・ザンデルリンク、ユーリ・テミルカーノフ、ベルナルト・ハイティンク、エフゲニ・ムラヴィンスキーといった大指揮者の名演に触れ、ますます感性を磨かれた様に思います。

しかし、何と言っても1977年11月 カラヤン/ベルリンフィルの来日大阪公演は、私の音楽人生に破格の感動と想い出を醸成させた、素晴らしい聴体験となりました。

旧大阪フェスティバルホールのBOX席で聴いたブラームス:ヴァイオリン協奏曲(塩川悠子さんのヴァイオリン)と交響曲第1番、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番(アレクシス・ワイセンベルクのピアノ)、Rシュトラウス:交響詩「英雄の生涯」は、今でも脳裏に浮かぶ眩い豪華な光景と、華麗で深遠な音楽の感動を心に刻んだのでした。

あれから40年、今は2万枚を超えるCDや、オペラや演奏会の映像作品に囲まれ、平日の夜はヘッドフォンで1時間ほど、休日は大音量で聴くため近所迷惑にならないようにと15時から18時と鑑賞時間を設け、音楽鑑賞するのが一番の癒しとなりました。

さて、今晩は カラヤン/ベルリンフィルのマーラー:交響曲第9番。一番お気に入りの1982年ライブ録音で、至福の時を愉しみたいと思います。


村田 この記事は
エコシステムジャパン株式会社 SDリサイクル部
村田 が担当しました

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