道の駅・十和田湖の木質バイオマスボイラーにDOWAが製造したバイオマス固形燃料を使ってみた。
1. はじめに
皆さんこんにちは、最近コラムでの登場回数が増えてきた環境ソリューション室の市原です。
今回のコラムは、カーボンニュートラルな燃料を一般の方々にも身近なところで使えるか、試験をした体験談を記事にしたいと思います。DOWAが製造するバイオマス固形燃料が、人類が目指すカーボンニュートラルな世界に貢献できるのか。本コラムを最後までご覧ください。
2. 秋田県鹿角郡小坂町にある『道の駅・十和田湖』について
2024年10月、DOWAの発祥地である秋田県小坂町の十和田湖畔に『道の駅・十和田湖』がオープンしました。雄大で美しい十和田湖のロケーションの他、十和田湖の成り立ちや十和田湖における「ひめます養殖の歴史」を学ぶことができる、小坂・十和田湖の魅力がいっぱいの道の駅です。

その道の駅ですが、東北地方北部に位置することから、冬期間は気温が氷点下を下回る環境となるため、1日中暖房を稼働させなければなりません。そこで活躍するのが、木質バイオマスボイラーです。
木質バイオマスボイラーは薪などを燃料とした暖房器具です。薪を燃焼させて水を温め、その温められた水を配管に流し、風を当てることで温風が施設内に送られるという仕組みになっています。
この燃料には間伐材などの薪(バイオマス燃料)が使われるため、カーボンニュートラルな暖房器具となります。
3. 小坂町役場のご担当者様からご協力いただきました
今回、道の駅・十和田湖を運営する小坂町役場のご担当者様と話合いをする機会を得ましたので、DOWAが製造したバイオコークスをバイオマスボイラーに投入する試験をしたいという提案をさせていただきました。ご担当者様からは、未利用資源を活用できることや、カーボンニュートラルな燃料であることから、快く承諾をいただくことができ、投入試験を実施することとなりました。
相談させてもらったのが2025年2月、投入試験は2025年3月となり、年度末でご多忙にも拘らず、小坂町役場のご担当者様にご協力いただきました。ありがとうございました!

4. 最近のスケジュール調整機能はさながらテトリスのようだ
さて、かくいう私も年度末でスケジュールが詰まっており、投入試験日に現場で立ち合いができるようスケジュール調整を進めます。最近はネット上でスケジュール管理を行うことで、他人の予定も閲覧できることから、打合せを予定し易くなり、またウェブ打合せができる環境となったことも、より気軽に予定を埋め易いことに繋がっているように思えます。
一方で昔と違い、外出先でのウェブ打合せ参加や移動中に聴講するなど、過密なスケジュールになりがちという状況になる傾向にもあります。スケジュールがドンドン埋まっていく様はまさにテトリスだなぁと感じてしまいます。ただ、テトリスのようにキレイにブロックを横一列に揃えることができず、埋まるだけで中々消せないので大変です。

5. 投入試験開始
投入試験当日、6:45羽田発の飛行機に乗って試験現場へ向かい、無事に道の駅・十和田湖へ。
現場では既に投入準備された燃料(そば殻で作ったバイオマス固形燃料と薪)が今か今かとスタンバっています。
重量測定後、ボイラー内へきれいにセットし、いざ燃焼開始!


燃焼試験中は温度測定をしながら2時間待ちます。定期的に煙突からの煙発生状況や、臭気の状況、燃焼状況などもチェックをしますが、木質ボイラーなだけあって、燃焼効率が非常に良いと感じました。特に熾火の状況がすごく、キャンプの焚火などでは中々見ることができない真っ赤に燃えさかる状況には感動を覚えました。

6. ボイラー燃料の代替として使えるか?
さて、燃焼試験を終え、ボイラー燃料としての効果があったのかというと、薪代替燃料として活用することができるという結果になりました。規定の水温を維持できたことや、17:00に投入したバイオマス固形燃料が翌朝8:00時点で火種として残っていることなどがその理由です。また薪と違い、密度(比重)が大きいことから、保管スペースも取られず、取扱いがし易いといった利点もありました。
この結果から、木質ボイラーでの活用が可能であることが確認でき、さらに家庭用の薪ストーブも同様の仕組みであることから、寒冷地で薪ストーブを導入している一般家庭の方々も使用することができるだろうということも分かりました。

7. おわりに
今回の試験では多くの方々にご協力いただき、無事に終えることができました。また、この試験でバイオマス固形燃料の将来への期待が高まったのではと思っています。DOWAが目指す脱炭素社会への取組みをこのコラムで知ってもらえれば幸いです。
最後に、今回試験をさせてもらった『道の駅・十和田湖』へ是非お越しください。観光地ということもあり、自然や歴史的文化財などを存分に楽しめると思います。なお、私のお勧めは小坂町発祥の『カツラーメン』です。道の駅で食べることができるので、お試しください。

参考資料
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
市原 が担当しました