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神奈川県生活環境の保全等に関する条例について

神奈川県では、「土壌汚染対策法」とは別に「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」が施行されています(横浜市内や川崎市内では別途条例が定められており、神奈川県条例に基づく土壌汚染の規制の適用は受けません)。
今回は、平成24年10月1日に改正施行された「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」のご紹介をさせていただきます。

■改定点1 汚染された土地、汚染土壌に関する努力規定

【改正点1-1】周知義務等について

神奈川県条例では、汚染土壌がある土地(自主調査で分かったものを含む)の形質変更の際の公害防止が努力義務とされてきましたが、改正では上記に加え、周辺住民への周知の努力義務が追加されました。

なお、指針によると、説明会、個別訪問、文書配布、自治会代表への文書または口頭説明、メディアやインターネットでの公表、掲示板等の方法から1つ以上を選択して周知することになっています。また、指針には、周知の内容や対象範囲、周知時期、周知結果の記録等についても詳細が記載されています。

【改正1-2】適正な汚染土壌の運搬および処理の委託

適正な汚染土壌が運搬が行われるように、委託者へ運搬処理事業者への意志および能力の確認、汚染土壌に関する取り扱い等の情報提供、承諾のない再委託を禁止する契約とすること、管理票の交付を行うこと、その他の必要事項を委託契約書に明記することが努力義務となりました。

【改正1-3】汚染土壌地の情報提供

土壌汚染された土地の譲渡、賃貸、返還の際には、相手方に土壌状況に関する情報提供を行うことが努力義務となりました。

【改正1-4】汚染土壌を用いた埋立の禁止

汚染土壌の対策工事等の一部の例外を除き、土壌汚染の埋立、盛土、その他の土地への堆積は禁止されました。

【改正1-5】適正な運搬

運搬事業者は、運搬時における飛散防止、汚染土壌とその他のもの混載禁止、異なる汚染土壌の運搬については搬出元ごとの管理等が努力義務とされました。

【改正1-6】適正な処理

処理事業者は、汚染状態に応じた適正処理、処理時における飛散防止、処理後土壌の性状確認、処理工場周辺における運搬車両に公害防止等が努力義務とされました。

■改定点2 特定有害物質市用地、ダイオキシン類管理対象地に関する規定の改正

【改正2-1】特定有害物質の対象物質の見直し

「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物」および六価クロムを除くクロム及びその化合物を対象から除外し、土壌汚染対策法と同等としました。

【改正2-2】調査方法の変更

以下のように変更されました。

  1. 特定有害物質について
    • 区画形質変更時の調査対象範囲の変更
    • 土壌汚染のおそれの区分(土壌汚染対策法と同等とした)
    • 調査省略規定の追加
    • 調査省略を想定したときの地下水影響調査の方法について
  2. ダイオキシン類
    • 区画形質変更時の調査対象範囲の変更
    • 単位区画の設定方法、試料採取地点の選定方法の明確化
    • 簡易測定を利用する場合の取り扱い規定

【改正2-3】基準の追加

従来は溶出量のみの規制でしたが、土壌含有量に関する基準が追加されました。

【改正2-4】条例の適用除外

土壌汚染対策法の調査義務と条例の調査義務が重複する場合、当該部分に関わる条例に基づく調査は不要となり、区域指定された土地は、条例上の拡散防止計画の作成は同じく不要となりました。

【改正2-5】非常災害のために必要な応急措置として行う土地の形質変更

上記のための形質変更時には例外的に、事前届出が不要となりますが、形質の変更後14日以内の事後届出が必要となります。

【改正2-6】土地の形質変更時の土壌調査義務が適用されない要件の追加

以下のいずれかの要件を満たす場合は、特定有害使用地およびダイオキシン類管理対象地(以下、特定有害使用地等)における形質変更の際においても、届出が不要となります。

  • 土壌の掘削を伴わない舗装や盛り土等による土地の形質変更
  • 土壌の掘削を伴うが以下の要件を満たす土地の形質変更
  • 掘削土壌の場外搬出がない
  • 揮発性物質による土壌汚染ではない
  • 帯水層までの掘削を行わない
  • 工事に伴う汚染土壌の飛散、流出等の公害を防止する措置が講じられている

【改正2-7】汚染地の公表

従来は特定有害物質使用地等の廃止時に関わる調査で汚染が確認された場合のみを公表の対象としていましたが、改正により、形質変更時の調査において汚染が確認された場合にも公表の対象となることになりました。

【改正2-8】様式変更

届出様式が変更になりました。

■改定点3 土壌汚染対策法に基づき汚染が判明した土地における地下水への影響の調査

平成24年10月1日以降、法の適用を受け土壌汚染状況調査を実施し、土壌溶出量の基準超過が認められた場合には、条例に基づき地下水調査を実施し、知事に報告する義務が生じます。なお、土壌汚染対策法第14条に基づく申請については、この条例の適用範囲外となります。

■改定点4 汚染土壌処理作業が指定作業に追加

土壌汚染処理業の許可を持たない浄化等処理施設、セメント製造施設、分別等処理施設における作業は、条例上の指定作業に追加されました。なお、オンサイト浄化については、適用されません。

【参考資料】

神奈川県ホームページ
かながわの土壌汚染対策


加藤 この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
加藤 が担当しました

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