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プノンペン 驚きのごみ事情

プノンペンはカンボジア王国の首都です。

カンボジアと言えば、世界遺産アンコールワットで日本人の間でも近年有名になっているかと思います。プノンペンはビジネスの街として、カンボジア発展の大きな柱を築いてきました。しかし、長年に渡ってごみの問題は深刻化しています。

今回は、プノンペンがどれほどのごみに溢れているのか、どんな問題があるのかを徹底調査しました。

■ごみの分別はあるようでない

ごみの種類は、大きく分けて2つに分類されています。
一般的な家庭で出る「都市廃棄物」と、医薬品や金属など「危険廃棄物」です。

プノンペンでは、台所廃棄物の排出量が最も多くなっています。各家庭では、家の前かアパートの指定ごみ回収場所などに袋にまとめたごみを入れています。日本のように、燃えるごみ・燃えないごみ・プラスチック・ペットボトルなど細かい分別はありません。

もちろんスーパーや商業施設などのごみ箱は、分別されているごみ箱が設置されていますが、適当にごみを投げ捨てる人が多いので、中身がきちんと分別されているのかは定かではありません。

本来は分別した方が良いですが、その意味やメリットを知らない人がほとんどなので、ごみという一括りで全部まとめてしまっているのが現状です。

■一般家庭ごみの出し方と回収までの流れ

それでは、カンボジアの家庭ではどのようにごみ回収を行なっているのか見ていきましょう。

■アパートに住んでいる場合

まずは、アパートを借りて住んでいる場合です。

ローカルアパートメントや一般的な外国人でも住めるようなアパートには、エントランスのあたりにごみボックスやかご、ごみを集める場所が設置されています。
ごみを出して良い日などは決まっていないので、家庭のごみが出たら指定の場所にごみを出します。

アパートによっては、ごみ回収費が発生するところもあります。ただ、ごみ回収車が来るのが不定期だったり収集時間が定まっていないので、1日のごみが山盛りになって、悪臭が漂うことは日常茶飯事です。

サービスアパートメントや高級アパートに住んでいる場合は、アパートの建物内の一角にごみ回収部屋やボックスがあり、掃除の人がごみを回収してくれることもあります。

住んでいるアパートによって異なります。

■一軒家に住んでいる場合

一軒家に住んでいる場合は、家の前にごみを袋にまとめて出します。

ごみの出し方に関しては、公共の道路にまでごみの山が積まれていたり、歩道にはペットボトルや空き缶などが散乱しており、目の前にごみボックスがあっても捨てない人がいるのです。

公共の歩道や広場などにあるごみ箱に家庭ごみを捨てたり、一箇所に大量のごみを廃棄するなど、ごみの出し方についての一人一人の意識や知識がかなり乏しいため、一筋縄ではいかないところがあります。

また、分別が必要な危険物系のごみにも関わらず廃棄されているものは、収集車に入れられないため、回収されません。

■ごみ回収の頻度

ごみの回収頻度は、都市部と準都市部に分けられた管轄地域によって異なりますが、毎日行う・週に2、3回収集・道路掃除は毎日行うなどそれぞれです。

ごみ回収会社は、民間会社2社によって行われます。

ごみ回収に関する情報も、このように大雑把な頻度しか出ていないので、とてもごみが溜まっている日もあれば、ごみが全然なくてきれいにしてあるところもあります。

道路沿いにごみを出すと、雨やごみの積み重ねでどんどん道路にごみが散らかっていったり、チリが舞ってとても空気が悪くなります。

さらに、1年に1度だけごみ収集会社が社員の給料の引き上げについて話し合いをする時期になると、いつもごみを収集する社員たちは給料を引き上げてくれるまで、抗議として仕事をボイコットします。

その期間は、約1週間〜2週間程度です。

毎年ですが、この時期になるとどこもかしこもごみ山だらけで非常に空気は悪く、在住日本人でも大気汚染で喉を悪くしたり、体調を崩す人がいるほどです。
引き上げることが正式に決まると、再び回収作業がスタートされて、ようやくひどい悪臭から抜け出せます。

■廃棄物処理の課題

プノンペンは、長年この廃棄物処理に関して多くの課題を作っています。
しかし、残念ながら住民一人一人の意識を変えて、正しいごみに関する知識を植え付けるのは、ここカンボジアでは簡単なことではありません。

以下、廃棄物がもたらす課題をまとめました。

  • まだプノンペン市内全域(特に最貧困層が定住しているエリアなど)でごみ回収が行われていない
  • 収集時間が決まっていない
  • 不定期で来るのでごみが溜まる
  • 住民の廃棄物に関する知識不足が深刻
  • ごみに関する法律が不十分
  • プラスチックごみの焼却による大気汚染で健康被害が増加
  • 用水路への不法投棄

これだけでなく、まだまだ課題とすべき点は山のようにあります。
特に私たち外国人がここで暮らしていくには、ごみによる大気汚染の中で生きることが避けられません。

確実に環境問題に直結しているこの現状を、まずはカンボジア人が知ること、そしてどうすれば良いのかを自分たちで考えられるようにならなければ、スタート地点には立てないのです。

■まとめ

初めてプノンペンを訪れた人は、このごみの臭さと量と処理の仕方にただただ驚くことでしょう。

これからは、街の発展によってますますごみは増えて、都市の大気汚染は人々の健康を牛耳っていくことになるのです。

この国の未来のために、子どもたちのために、ごみの少ない生活を目指して全員が立ち上がらなければならない時が来ているのです。

日本とは全く違うごみ処理ですが、ぜひ発展途上国カンボジアのリアルを知ってほしいと心底思っています。


この記事は
フリーウェブライター
ichika が担当しました

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