DOWAエコジャーナル

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ドイツ・ハンブルク市のごみ事情

エコ推進国のドイツでは日本と比べて、ゴミの分別にも大変細かいルールがあります。しかし、この細かすぎるルールは外国人だけではなくドイツ人まで悩ませています。

ドイツ第二の大都市ハンブルクでは、一人当たり年間460kgの家庭ごみとリサイクルごみを出しているそうです。2011年に『The RECYCLING OFFENSIVE』という市のリサイクル運動が発足され、ハンブルク市民のリサイクルに対する意識も良い方向に変化してきたということです。
しかし、まだ住民はリサイクルごみの分別に十分に積極的ではなく、リサイクル可能なごみをリサイクル不可能なごみとして捨ててしまう人が減らないことに市は懸念し、古紙や緑のガラス瓶などのリサイクル可能なごみを分別するよう、住民に呼びかけています。

■ごみ箱の色によって捨てるものが違う?
家庭ごみの分別方法

主なドイツのごみ分別表

緑色のごみ箱 生ゴミ、枯葉、庭木の手入れ後の枝葉
青色のごみ箱 古紙、段ボール 外の専用トンネもあり
黄色のごみ箱 プラスチック容器、金属容器 外の専用トンネもあり
黒色のごみ箱 割れてしまったガラス、タバコ、上記以外のごみなど

自宅近くの外のトンネ(大型コンテナ)で回収されるごみの分別表

青色のトンネ 古紙、段ボール、紙ゴミ
黄色のトンネ プラスチック容器、工具
ガラス用トンネ 緑のガラス、白、透明のグラス
その他 古着、シーツ、帽子など

危険物など

その他の危険物:電池、蛍光灯、スプレー缶、ペンキ、薬などはリサイクリングホフ(der Recyclinghof)へ持って行きましょう。

ドイツでは生ゴミ、家庭ごみの回収は有料です。アパートに住んでいる場合は管理費として家賃等に組み込まれています。


生ごみ用の緑色のごみ箱

■緑のごみ箱(Biomüll)

生ゴミ、枯葉などの植物を捨てる時は緑のごみ箱に捨てます。スーパーマーケットなどで、無料で手に入れることができる紙袋に生ゴミを入れて捨てます。ハンブルク市では、魚や肉の骨を入れることもできますが、州によって異なります。


黒いごみ箱

■黒いごみ箱(Restmüll)

割れてしまったガラス、タバコの吸殻、綿棒など再利用できないゴミは全てここに捨てます。


古紙用のごみ箱

■青いごみ箱

こちらには古紙を入れます。このようにダンボールが沢山入っています。


金属容器・プラスチック容器用の黄色のごみ箱

■黄色のごみ箱

金属容器や、プラスチック容器などのごみはこの黄色いごみ箱に捨てます。下の写真のように、缶詰などの缶の容器が捨てられているのが見えます。その他に、グリューネプンクト(Grüne Punkt)のマークが付いているものが捨てられます。


グリューネプンクト(Grüne Punkt)のマーク

■トンネの色によって捨てるものが違う?
専用コンテナで回収されるごみの分別方法


左:灰色ですが、こちらも古紙用トンネ、右:黄色の金属容器やプラスチックゴミ用トンネ

トンネとは?

トンネ(die Tonne)とはドイツ語でごみ用の大型コンテナのことを指します。ドイツではこの上記の家庭ごみを捨てるごみ箱の他に、自宅近くにある、このトンネというゴミ箱に出さなくてはいけないごみがあります。ごみの種類によってトンネの色が違います。こちらは無料で捨てることができます。


古紙用の青いトンネ

■青いトンネ(Altpapier)

このトンネには古紙を入れます。新聞や紙袋、手紙や古本などは全てこの青いトンネに捨てます。壁紙などは捨てることはできません。


プラスチック容器用の黄色いトンネ

■黄色いトンネ(Wertstoffe)

ここには金属容器やプラスチックゴミを捨てます。プラスチックの袋や牛乳パック、プラスチックタッパーや工具など。こちらもグリューネプンクト(Grüne Punkt)のマークが付いているもの。


緑色のグラスのみと書かれています。

■ガラス用のトンネ

ガラスの色別にトンネも分かれています。このガラス用トンネもガラスの色別に捨てるところが分かれていて、緑色のガラスは緑のガラス用トンネ、透明のガラスは白いガラス用トンネにのみ捨てることができます。

ごみ分別マップの導入

このような細かいごみの分別により、実際にごみの不法投棄が無くならないのも現状です。
ハンブルク市清掃局では、このようなトンネが街のどこに設置されているかをわかりやすくマップにしています。

この四角に通りの名前を入れて検索します。

するとこのようにどの種類のトンネが周囲にいくつあるか出てきます。

■粗大ごみ(Spermüll)


写真:Stadtreinigung Hamburg - Startseite

ドイツで机、椅子、ベッドなどの粗大ごみを処分したい時は、有料で回収してもらうか、また自分で持って行きます。このような大きな粗大ごみ回収車があります。ハンブルクでの回収費用は粗大ごみの大きさ8立方メートルで35ユーロほどです。

ごみ箱やトンネに入れていけないゴミはリサイクリングホフへ

リサイクリングホフとは?

リサイクリングホフ(der Recyclinghof)のホフ(der Hof)はドイツ語で、中庭、宮廷、大きな建物という意味があります。このリサイクルングホフはいわゆる資源ごみの回収センターで、ラジオなどの電化製品や、塗料、化学物質製品、電池など、通常のごみ箱やトンネに捨ててはいけないごみは、この、リサイクリングホフに持っていき、物によって有料で処理してもらいます。

またリサイクリングホフにあるリサイクルセンターでは持ち寄られたものでまだ使えることのできるものなどを無料で提供しています。

ハンブルクにも12か所のリサイクリングホフがあり、平日は8時から19時まで、土曜日は8時より14時まで営業しています。

ハンブルクのごみ処理場 MVB


写真:Stadtreinigung Hamburg - Startseite

Die Müllverwertung Borsigstraße GmbH(通称:MVB)は1994年よりハンブルクのビルブルック地区で家庭ごみなどの廃棄物を処理している施設です。2つの焼却炉は年間約32万トンのごみの処理能力を持ち、年間約69万MWhの地域暖房を発生させ、ハンブルクの地域暖房の供給の大部分を担っています。

プラスチックボトルや缶のごみはスーパーへ?
ドイツのPfandシステム

Pfandシステムとは?

ドイツでは飲料容器にこのPfandマークが付いている場合はその容器にデポジット料金が含まれており、このPfandマーク付き商品を買う時には、容器代を余分に払っています。この商品を飲み終わった後、そのペットボトルや缶を、スーパーなどに設置されている自動回収機に持っていくことで、その料金が返ってきます。

まとめ

街のいたるところにトンネがあり、若者からお年寄りまでトンネに資源ごみを分けている姿をよく見かけます。ドイツのごみ分別に対しての意識の高さは日本も学ぶべきところがあると思いました。特に再生利用可能なゴミの分別については一人一人が積極的に取り組んでいかなければいけない問題です。


この記事は
ヴァイオリニストでライター
根本ありさ が担当しました

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