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海外進出時の注意

Q.海外進出企業において、地域社会とのトラブルに発展している記事などを目にしますが、どのような点に注意したらいいでしょうか?

A.

まずは、コーポレートガバナンスをしっかり機能させることが必要です。

近年、海外市場の成長にあわせて加速した日本企業の海外進出は、一時減速の時代を経て、再び増加傾向に転じてきています。

利益、企業価値のさらなる向上を追求する企業の海外進出の流れは、今後も続いてくものと考えられます。他方、そうした進出企業が労働、環境問題などで地域社会との問題を抱えてしまうケースも増加傾向にあるようです。

これらの問題の発生要因は、非常に複雑ですが、基本的な予防・対処方法の一つとして有効とされているのは、進出企業と地域社会との信頼関係の構築といわれています。この信頼関係がさまざまな問題の未然予防となり、また、問題が発生した時も、より冷静に建設的な対処に効果が発揮されるためです。

■コーポレートガバナンス

このような地域社会との信頼関係の構築方法にはさまざまなものがあります。その中でもコーポレートガバナンス(企業統治)は非常に重要なもの一つです。コーポレートガバナンスとは、わかりやすく言えば企業の経営をみんなで監視し、問題発生などを事前に食い止める仕組みです。

そのようなコーポレートガバナンスには、会社業務の適正や、その財務報告の信頼性を確保するための制度である内部統制システムがあり、コンプライアンスやリスクマネジメントなど耳慣れた制度が含まれます。

コンプライアンスには、社内規定や企業倫理なども対象となってきますが、コアとなるのは法令順守です。法令順守でも、財務や、環境、社会活動などがあり、例えば「環境・安全衛生」に関する法令だけでも、騒音、振動、大気、土壌・地下水、廃棄物から労働安全衛生など多岐にわたります。法令違反などの問題が発生すると企業経営に与えるインパクトは決して無視できるレベルではなくなり、企業経営として迅速な対応が求められることなります。

そして、このような企業の取り組みを広くステークホルダーにむけて情報公開していくことが、コーポレートガバナンスとして重要な要素となります。この情報公開により企業経営の透明性が高まり、よって地域社会を含めたステークホルダーの理解につながっていくことになるのです。

次は、コーポレートガバナンスとCSR(企業の社会的責任:Corporate Social Responsibility)経営の世界の動向をご紹介します。


鈴木 この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ
鈴木 が担当しました

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