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カタログに載らない話

酸化セリウム系ガラス研磨材のリサイクル・リユースを実用化しました

【1. 背景】

日本の先端産業に不可欠な資源であるレアアース・レアメタルの供給について、昨今、国際情勢の変化の影響を受け供給の不安定化や価格高騰が大きな話題となりました。中でもレアアースは先端電気・電子機器の材料として日本の生産業のなかでも重要な役割をもち、その供給源の拡大やリサイクル、代替材料開発など官民挙げての様々な取り組みが行われています。とりわけ、様々なレアアース元素の中でもセリウムの使用量は大きな部分を占めており、その特殊な機能からガラス研磨材として幅広い分野で利用されてきました。

【2. 酸化セリウム系ガラス研磨材の特徴】

酸化セリウム(CeO2)は、ガラスの主要元素である二酸化ケイ素(SiO2)と化学反応性を有するという特殊な機能から、精密研磨に用いられる化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)用の研磨材として利用されてきました。HDカバーガラスや液晶パネルなど表面粗度0.1nmオーダー以下の精度が求められる研磨を中心として幅広く用いられています。
酸化セリウムを主成分とするガラス研磨材は、国内で消費されるレアアース類の使用量の中でも3割以上(レアアース類の年間使用量25,000トン中、酸化セリウム:9,000トン:2009年度データ*1)と大きな割合を占めながら、従来は安定した供給環境やその価格の低さから、使用後はそのほぼ全てが廃棄処分されてきました。

【3. リサイクルの実用化】

DOWAエコシステム株式会社は、レアアースに係る環境変化に鑑み鋭意研究・開発を行った結果、酸化セリウム系ガラス研磨材をリサイクル/リユースする技術を開発、経済産業省のレアアース補助金*2の採択も受け、この技術を実用化しました。
当社のリサイクル技術は、研磨材の物性や、研磨時の使用状態、リサイクル品の要求特性に合わせて、各種処理プロセスを組み合わせることにより最適なリサイクル品を製造することができます。研磨材に混入しているガラス研磨屑や添加剤などの不要物を研磨材粒子から分離し、研磨材粒子のみを回収する工程により、ヴァージン研磨材同等の研磨能力とガラス表面の品質が得られます。

また、これまでの実績で9割前後という高い回収率も実現しています。

研磨後のガラス表面の要求品質やその評価方法はユーザーによって異なります。このためリサイクル研磨材の導入段階ではユーザーの評価結果も参考にしながら要求品質に近づけていくことが必要となります。リサイクル研磨材自体の品質評価と研磨ガラスの品質評価のための設備も、リサイクル生産設備と並行して導入を進めています。
使用済み研磨材を用いたリサイクル品試作も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

【参考資料】

*1 日経エレクトロニクス2011.1.24号
*2 平成22年度希少金属利用産業等高度化推進費補助金(レアアース等利用産業等設備導入事業)
http://www.nri.co.jp/opinion/r_report/meti/110603.pdf
*3 エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 走査型プローブ顕微鏡
 “NanoNaviReal/Nanocute”による測定データ


この記事は
DOWAエコシステム 環境技術研究所
上原 が担当しました

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