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指定調査機関の品質 ~公正な調査について~

■公正な調査の確保に係わる通知

平成22年11月16日に土壌汚染対策法に基づく指定調査機関に対する公正な調査の確保に係る通知が、環境省よりすべての指定調査機関に対し、発出されました。

土壌汚染対策法に基づく指定調査機関に対する公正な調査の確保に係る通知の発出について(お知らせ)
環境省HP:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13138

土壌汚染対策法に基づく指定調査機関への立入検査において、ある指定調査機関が土壌汚染状況調査に際し、基準超過が確認された区画の試料を複数回試料採取・分析を実施し、基準に適合している結果のみを混在させ、報告したことが発覚しました。

合理的な理由もなく、上のような調査を実施することは指定調査機関が本来行うべき、公正な調査を行っているかという問題でもあり、指定調査機関の信頼の根幹を揺るがしかねません。

この調査機関は、指定調査機関の指定の基準(法第31条第3号及び省令第2条第4項第3号の基準)に適合させるため、土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないよう、体制を整備することを命じられました。

■平成22年11月16日に出された通知の内容

土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれのない体制の整備に万全を期すための留意事項等として、以下の3点が示されました。

  1. 土壌汚染調査(土壌汚染状況調査等及び自主調査。以下同じ。)における試料採取及びその分析は、合理的な理由なく、複数回行わないこと。なお、試料採取及びその分析を複数回行った場合には、各回の試料分析結果及びその理由について、必ずその調査報告書に記載すること。
  2. 分析を含む土壌汚染調査の作業の一部を他社に行わせた場合にあっては、当該作業の内容、当該作業を実施した事業者の氏名又は名称及び事業所の所在地を必ずその調査報告書に記載すること。
  3. 土壌汚染調査における試料採取及び分析結果につき、報告書の分析結果掲載頁に複数者の検印欄を設けること等、指定調査機関内の複数の者のチェックを受けるなどの体制になっていること。

■公正な調査に関して(まとめ)

1)グループ会社の調査はNG

土壌汚染対策法では、指定調査機関により土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれのあるケースとして、指定調査機関と土壌汚染状況調査等の発注者の間に、両者の株主の構成及び役員の履歴からとの関係からみて関連性が認められる場合、が示されています。
法令上の調査を実施する場合には、調査の依頼者と実施者との間に上の関係が無いようご注意ください。

関係法令(抜粋)

土壌汚染対策法 第31条第2号 第31条第3号
土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令 第2条 第4項
土壌汚染対策法の一部を改正する法律による改正後の土壌汚染対策法の施行について(通知) (平成22年3月5日環境省水・大気環境局長)

2)指定調査機関に対する公正な調査の確保

各指定調査機関は、今後、特に下の3点に留意の上、土壌汚染状況調査等の公正な実施に支障を及ぼすおそれのないための体制の整備に万全を期さなければなりません。

  1. 試料採取・分析は、合理的な理由なく、複数回行わない。
  2. 分析を含む土壌汚染調査の作業の一部を他社に行わせた場合は、作業の内容、実施者の名称・事業所の所在地を必ず調査報告書に記載する。
  3. 指定調査機関内の複数の者のチェックを受けるなどの体制を構築する。

発注者の皆様におかれましても、土壌汚染状況調査に立ち会われた際や、調査報告書を受け取った際には、上の項目が守られているか、ご注意ください。


永瀬 この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部
永瀬 が担当しました

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