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法規と条例

廃棄物処理法改正(2)
~排出業者における廃棄物の管理方法が明確化・強化されました~

前回に引き続き廃棄物処理法の改正点のうち、排出事業者に関わる事項について紹介します。

廃棄物処理法が改正となり、排出事業者における廃棄物の管理義務が強化されたことで、現状と対応が変わった点について紹介します。

1. 「排出事業者による処理の状況に関する確認の努力義務の明確化」

(法第12条第7項関係)

排出事業者は、産業廃棄物の運搬・処分を他人に委託する場合には、最終処分終了までの処理行程が適正に行われているか、処理の状況に関する確認などを行うことが、明確に努力義務化されました。

【排出事業者の確認例】

  1. 現地視察で直接確認する。
    • 委託した産業廃棄物の処理に係る施設が使用可能な状況にあるか(最終処分場の残余容量が十分か、中間処理施設は稼動しているか、在庫が積みあがっていないか等)
    • 施設において廃棄物の飛散・流出はないか
  2. 処理状況及び維持管理状況等の委託業者の公開情報から、施設の稼働状況・適正処理がされているかを間接的に確認する。

2. 多量排出事業者処理計画

(法第12条第9項から第11項まで及び第12条の2第10項から第12項関係)

改正により、多量排出事業者の処理計画が統一され、インターネットで広く公開されるようになりました。
改正の主な項目は以下の通りです。

  計画書の様式 公表方法
改正前 都道府県ごとの様式
提出期限 6月30日
資料の縦覧(閲覧)
改正後 様式統一
 産業廃棄物処理計画書【PDF】
 特別管理産業廃棄物処理計画書【PDF】
提出期限 6月30日
処理委託先の項目が追加された
①産業廃棄物の種類
②全処理委託量
③優良認定処理業者への処理委託量
④再生利用業者への処理委託量
⑤認定熱回収業者への処理委託量
⑥上記以外の熱回収を行う業者への処理委託量
インターネットによる公開
平成23年10月1日以降

都道府県知事によるインターネットでの公表によって、多くの人が簡単に廃棄物の処理計画や実施報告書を見ることができるようになりました。多量排出事業者側にとっては、優良認定処理業者や再生利用・熱回収業者への委託を増やせば環境への取り組み(廃棄物の循環的利用)に関するアピールの機会にもなります。

3. A票の保管義務化

(法第12条の3第2項関係)

排出事業者が、交付したマニフェスト(A票)と返送されたマニフェスト(E票など)を照合して違反の有無をチェックするため、A票の保管が義務化されました。

  1. 平成23年4月1日以降交付した管理票から対象とする。
  2. 保管期間は、最終処分の旨が記載された管理票を受けた日から5年間
  3. 運搬受託者及び処分受託者は管理票の交付を受けないなければ廃棄物の引き渡しを行ってはならない。

(電子マニフェストの場合は除く)

4. 産業廃棄物処理業者による委託者への通知の義務付け(処理困難通知)

(法第14条第13項及び第14項並びに第14条の4第13項及び第14項関係)

【処理困難通知が出されるケース】

処理業者が以下の6点の事項により受託した廃棄物を処理できない状態になった場合、排出事業者に処理困難通知を提出することになりました。

  1. 故障、事故による稼動停止で法定保管量の上限に達した
  2. 事業の廃止により受託廃棄物の処理が事業範囲に含まれなくなった
  3. 受託廃棄物の処理施設の休廃止
  4. 欠格要件該当
  5. 埋立終了(最終処分場の場合)
  6. 行政処分

※上記の事項以外での受託した廃棄物の処理ができなくなった場合は処理困難通知に該当しません。

【処理困難通知を受けた場合の対応】

排出事業者は、以下のことをしなければなりません(規則第8条の29)

  1. 運搬又は処分の状況を把握
  2. 生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために措置を講じる
  3. 1. 、2. について行政に報告する
    (報告様式:様式第四号(第八条の二十九関係)

具体的な対応例

  • 通知を出してきた処理業者に新たな処理委託を行わないこと
  • 委託した廃棄物が処理されていない場合は委託契約を解除し、他の処理業者に委託すること

※処理業者が通知内容に該当しなくなったときは、廃棄物処理の委託を再開してもよい。

処理困難通知を受けると、30日以内に行政に措置内容報告書を提出しなければならないだけでなく、その処理業者を選出した排出事業者にも悪い影響を及ぼす可能性もありますので、現地視察や維持管理情報の確認などをしっかり行い委託先の処理業者の状況を把握することをお勧めします。

まとめ

今回紹介した事項は排出事業者に関わる点が多く、対応によっては企業のイメージアップにもダウンにもつながります。
ポイントは、委託先を選定する際に優良認定を受けた事業者を選ぶ、維持管理情報や現地視察などで常に委託先の状態を把握して、適正に滞りなく処理されていることを確認することです。


この記事は
エコシステム秋田
亀倉 が担当しました

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