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すばやい行動で、フランス国民が取り組んでいる廃棄物処理と対策 その2

全住民が、リサイクルゴミを黄色いゴミ箱へ分別、より多くのゴミがリサイクル可能に
(2023年1月1日より施行)

2023年 分別表

2023年1月1日より、ゴミの分別ルールが簡素化され、フランス全住民が、リサイクルゴミを黄色いゴミ箱に簡単に分別できるようになりました。

段ボール、紙、紙パック、エアロゾル、缶、アルミ缶、プラスチックのボトル、および金属製のフタとプラスチック製の食品パッケージやビニール袋が対象です。

このように、今年から、リサイクルできるゴミの種類が増え、歯磨き粉のチューブなども黄色いゴミ箱に捨てることができるように変わりました。

この背景には、分別センターに革新的な技術がどんどん導入されていることにあります。

今まで、人の手で行われていた作業が自動化されたり、遠隔操作で分別作業ができるようになったため、より多くの種類のゴミが、より速く分別できるようになったからです。

(出典)veolia.com

また、ゴミ箱に捨てる際、容器を空にして、洗わずに捨てなければなりません。
なんと!水を節約するため、空にした容器は洗わずにゴミ箱へ捨ててもよいのです。

写真:歯磨き粉のチューブは、リサイクルゴミですが、歯ブラシは、海洋汚染につながる小さなプラスチックに該当するので、グレーのゴミ箱へ捨てなければなりません。

フランス全土で、リサイクルゴミを黄色いゴミ箱へ分別できるようになって良かったと思っています。

フランス国内旅行しても、迷わずに、公共に設置されている黄色いゴミ箱を探して、リサイクルゴミを捨てればよいので、便利になりました。

また、一般家庭で使用していた “黄色いビニールのゴミ袋” は、薄くて、犬や猫や鳥などの動物から袋を破られ、ゴミが道路に散乱する被害がよくありましたが、解消されました。

その上、多くのゴミ袋が山積みにされ、家の前に出されているのを見るのは、気分的に、良い気分がしませんでしたが、ゴミ箱に変わって以来、町が、スッキリし、きれいになったと感じています。

ファーストフード店での使い捨ての食器使用禁止
(2023年1月1日より施行)

写真:ファーストフードのお店で使われている赤い丈夫な容器

2023年1月1日より施行された、もう一つの対策は、一度に20人以上の食事を提供するファーストフード店では、店内で食べるもの全てに対して使い捨ての食器使用が禁止されました。なので、食事は、洗って再利用できる食器で提供されています。

2023年1月1日に施行される予定だった、レジのレシート自動印刷の終了が延期

写真:あっという間に財布の中へ溜まっていくレシート

毎年大量に印刷されるレシートの紙とその廃棄物削減のため、2023年1月1日に、「レジのレシート自動印刷の終了」が施行される予定だったのですが、フランス国民は、“レシートの習慣”から離れきれず、2024年4月1日から施行されることになりました。

私もその一人ですが、レシートが領収書になりますし、会計ミスもレシートを確認することで解決できますし、商品の返品もレシートを提示する必要があることから、なかなか、レシートから離れきれないのが現状なのです。

そこで、この法律が施行される来年に向けて、少しずつレシート離れできるよう、会計の時に、「レシートを希望しますか?」と、尋ねられるようになりました。なので、なるべくレシートを受け取らないようにしています。

また、メールアドレスに電子レシートを送信してくれる便利なシステムも普及してきています。このシステムは、ワンクリックで送信してもらえるので、レシートが印刷されるのを待つ必要がなくなり、財布の中に溜まっていくレシートで、財布が膨らむこともなくなりました。快適なショッピングを楽しむことができるようになってきていると実感しています。

フランスでは、来年2024年の夏に、パリでオリンピックが開催されます。オリンピックを観戦するために、フランスへ来る方へ、ショッピングして、レシートをもらえないことに驚きませんように!

このように、2040年まで続く、AGEC法「循環型経済のための廃棄物対策に関する法律」は、毎年フランス国民が一体となって、日々生活する中で、目標を達成していっています。
なぜなら、天然資源が無尽蔵にあると考えられていた時代の「生産、消費、廃棄」という直線的なものが、今、限界に達していることに、フランス国民は気づいたからです。

地球に与える負担を減らすため、3R: リデュース、リユース、リサイクル(réduire - réutiliser - recycler)によってゴミの量を減らし、モノを捨てずに繰り返し使い、資源として再利用するという、目標に向かって行動しています。


この記事は
環境・オーガニック専門フリーライター兼タラソテラピスト
KAN が担当しました

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