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ニュージーランドのごみ事情

今回はニュージーランド(以下NZと表記します)のごみ事情についてお伝えしていきます。

NZといえば、エコな先進国というイメージがあるものの、実は一人当たりのごみ排出量は世界で第四位、年間740Kgものゴミを出しているそうです。

人口第一位の都市オークランドでは、2018年から「Zero Waste」という言葉をスローガンにし、2040年までにゴミのゼロ化を目指しています。
注目すべきはこの運動はゴミをただ減らすだけではなく、「有害物質やリサイクル不可の資源の利用を止め、ごみのたい肥化や、エネルギー利用を促進する」考え方だということです。

1. スーパーや一般の人々の取り組み

それに準じて2019年7月より、買い物後の商品を入れるプラスチック袋を店側が提供することが禁止されました。
客は原則エコバッグを持参するか、有料で売られているペーパーバッグを購入するしかありませんので、多くの人々はエコバッグをいくつも用意して買い物に行きます。
量り売りの野菜も、以前は薄手のビニール袋が置いてありましたが、こちらも紙袋やリサイクル可能な袋に少しずつ移行しています。

プラスチック袋が禁止された背景には、NZのごみ処理の問題があります。
NZは日本のように焼却システムを取り入れていないため、原則「埋め立て処分かリサイクルに回すか」の二択しかありません。
リサイクルにまわせないビニール袋による海洋汚染が深刻化しているため、官民挙げてこの政策に踏み切りました。

ビニール袋以外にも、肉や魚のトレーを回収するボックスを各スーパーで設置してあり、家庭で出たごみを持ってきて廃棄することもできます。こちらは直接リサイクル業者に回収される仕組みになっています。

また、ゴミを少しでも出さないようにするため、量り売りシステムの店やカフェでのマイタンブラーの利用も一般的です。

政府も各地で「Zero Waste」の広報として、コンポストの自宅での設置方法についての講座を行うなど、啓蒙活動に励んでいます。
日常生活から完全にプラスチック製品を排除するのは難しいものの、「このままではいけない」という人々の意識がとても高いのがNZの特徴です。

写真左:スーパーで売られているエコバッグです。
デザイナーとコラボレーションしたかわいいデザインのものがシーズンごとに売られています。
値段はデザインにもよりますが、3ドルから6ドル前後で手に入ります。

2. 一般の家庭ごみの分別の仕方

一般の家庭でのごみ分別はどのようになっているのでしょうか。オークランド市のごみ分別を見ていきましょう。

ゴミの種類は大きく分けて二つ

オークランド市では家庭からでるゴミの分別方法は大きく分けて2つしかありません。
一般ごみとリサイクルのゴミです。二つとも、市から配られる大型ごみ箱に入れて家の前の道路に出すと、決められた曜日に収集車が回収する仕組みです。
以下、どのように分別するかを見ていきましょう。

写真左:ゴミ箱ごと持ち上げ、タンクの中に入れるというダイナミックな集め方です。
写真右:リサイクルを促すメッセージがコミカルに描かれています。

1 Rubbish bin―一般ごみ 週に一度、地域によって事前に3~4ドル程度(量によります)のシールをスーパーなどで購入して、それをゴミ箱に添付して出す仕組みです。シールがない場合は回収してもらえません。街中の地域は税金に含まれているためこのシールシステムはありませんが、郊外の多くの地域で一般的な方法です。

写真左:このように取っ手の箇所にシールをくくりつけます。
写真右:青が家庭ごみ・緑がリサイクルのゴミ箱です。このように道に出しておくと、一つずつ回収していきます。

こちらのゴミ箱の中身はいわゆる家庭ごみです。食材のゴミなどの他、ラップやアルミホイル・使い捨ての食器・肉や魚の入っている薄いトレーなどもこちらで出します。割れたガラス製品も、包んで出すことができます。

これらのごみは基本的に埋め立て処理をされます。市ではごみのうち半分以上を占めると言われている食品ゴミについて、コンポストを活用して堆肥化することを検討しているものの、まだ全域で実施するには至っていません。

2 リサイクルー隔週ごとに一度出すことができます。こちらの回収費用はrateという固定資産税に含まれて、税金で処理費用が賄われているため、シール購入の必要はありません。

中身は、紙製品・アルミ缶やプラスチックコンテナーや瓶・新聞・段ボール・掃除用品などのプラスチックボトル・鉄の缶や入れ物と多岐に渡ります。日本の分別事情と比べると、かなり大まかな分け方をしています。

写真左:リサイクルのゴミ箱です。隔週回収のため、ひとまわり大きなサイズです。
写真右:リサイクルのパンフレットです。多文化社会ですので、英語が母語でない人のためにも視覚的にわかりやすい写真が用いられています。

これらのごみはその後分別され、廃棄プラスチックとして東南アジアに輸出されたり、国内でリサイクルされたりしています。しかしながら中にはリサイクル不可能なごみも混入しており、それらは埋め立て処理するしかないという現状です。

粗大ごみはどうなっている?

粗大ごみは年に一度、「inorganic bin」として、事前に市から割り当てられた日程の中で予約をして出すことができます。大型家電やベッドなどの家具なども出すことができますが、一つあたりの大きさは1立方メートル以下で、55kgを超えないように定められています。

この日に出しそびれた場合は、各地域にあるTransfer stationという施設に持ち込み、ゴミの重さに応じて有料でごみを出すことができます。

まとめ

NZではリサイクルに取り組んでいるものの、現状では多くのゴミが埋め立てられています。しかし人々の意識の高さは大きな希望であるといえるでしょう。
Zero wasteにどれほど迫れるかについては、行政だけではなく一人一人の意識の高まりは不可欠です。

今後、更なる政策―コンポストの利用やプラスチック製品の更なる削減により、どこまでゴミの量を減らすことができるのかが期待されています。


この記事は
ニュージーランド在住
加藤海里 が担当しました

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