DOWAエコジャーナル > リスクのクスリ 記事一覧 > 微量PCBの取り扱いについて

リスクのクスリ

微量PCBの取り扱いについて

Q1: サンプル分析は必須ですか?
 ---分析費用がもったいないので微量PCBとして処分しようと思うのですがいけませんか?

A:

「微量PCB汚染廃電気機器等の処理に関するガイドライン‐焼却処理編‐」では、以下のように記載されています。

『微量PCB汚染廃油の処理にあたっては、排出事業者(保管事業者)と事前に書面により処理委託契約を締結しなければならない。その中で、処理施設で設定された廃油中のPCB濃度等、その性状に関する受入基準に適合していることを確認することが必要である。確認すべき性状は、次のような項目が挙げられる。

  1. 微量PCB汚染廃油の由来(微量PCB汚染廃電気機器等の種類)
    • PCBが使用された絶縁油でないことを確認する。
  2. 微量PCB汚染廃油中のPCB濃度
    • 排出事業者から提出された分析結果を確認する。』

よって、分析をしなければ、微量PCB汚染廃油であるかどうか確認が取れないため、処理事業者が受入できません。
なお、環境省では絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアルを発行し、これまでよりも、安価に分析できるようになっています。詳しくは当該業務を行っている分析会社にお問い合わせください。

Q2: 微量PCB廃棄物を長期間保管しています。容器の腐食が心配なので他の容器に移し変えたいのですが、手順は定められていますか?

A:

PCBの抜油、移し移し替えについては、高濃度PCB廃棄物の場合、環境省の「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン(※1)」、微量PCB廃棄物の場合は「微量PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン(※2)」と、厚生労働省の「PCB廃棄物の処理作業等における安全衛生対策要綱(平成17年2月)(PDFファイル別添)」その他消防法等の関係法令を満足する必要があります。

※1:http://www.env.go.jp/recycle/poly/manual/index.html
※2:http://www.env.go.jp/recycle/poly/manual/index2.html

今回は微量PCB廃棄物ということですので、「微量PCB廃棄物の収集運搬ガイドライン」には下記のようにあります。
『事前調査により、これらのトランス、コンデンサ等が既に漏洩している場合又は、収集・運搬中に漏洩のおそれがある場合には、保管事業者又は収集運搬業者は、適切な漏洩防止措置を講ずることが必要である。』
よって、保管事業者はこうした場合、適切な漏洩防止措置を講ずることが必要になります。その漏洩防止措置としては、同じく収集運搬ガイドラインでは、次のものが挙げられています。

  1. 適切な運搬容器に収納
  2. 目止め材による補修
  3. 補強材、緩衝材による保護及び包装
  4. 液抜き

今回はこの 4. の液抜きに相当しますが、このガイドライン上では、液抜きは『微量PCB汚染廃電気機器を容器に収納することができない場合や、大型機器であって、発生場所や保管場所からの搬出・運搬が困難な場合に検討すること』とされておりますので、この事例に該当するかどうかをまずはご検討ください。

また、『発生場所や保管場所における液抜き又は解体は、保管事業者の責任のもとに行われることになりますが、最適な手法の決定に当たっては、微量PCB汚染廃電気機器等の構造、建築物の構造及び設備内容、大型機器の取り扱い・運搬方法に関する知識及び経験を有する者(微量PCB汚染廃電気機器等の製造者やメンテナンス業者等)の協力を得て、総合的に判断するものとする』とされていますので、ご注意ください。

液抜き又は解体に当たって、より具体的な留意点として、下記の点が挙げられています。

  1. 微量PCB汚染廃油が飛散し、流出し、及び地価に浸透しないよう、床面を不浸透性の材料で覆う、オイルパンを設置する等の必要な措置を講ずること。なお、微量PCB汚染廃油が漏れた場合には速やかにウェス等で拭き取り、専用の保管容器に速やかに 収納すること。
  2. 液抜きに使用する装置との接続は微量PCB汚染廃油の漏洩が生じない構造となっていることを確認すること。
  3. 液抜き又は解体は、作業環境の保全上支障を生ずるおそれのないよう、十分な換気が行える場所において行うこと。換気を行うことにより周囲の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある場合には、排気装置(活性炭吸着装置付き等)を設置して作業すること。
  4. 液抜き又は解体中において、作業環境及び生活環境の保全上、支障を生ずるおそれのないように、微量PCB汚染廃油が大気に触れる面積及び時間を最小限にすること。そのため液抜き、解体においては用具・機材等の使用に必要な最小限の開口部を除き、それ以外の開口部は通気性のないビニールシート等で密閉すること。液抜き又は解体の作業時間が必要最小限となるよう、作業を実施すること。
  5. 排気装置(活性炭吸着装置付き等)を設置して作業する場合及び長時間作業を行う場合は保護マスクを着用すること。
  6. 直接、微量PCB汚染廃油が人体に触れないよう、耐油性ゴム手袋、保護メガネ等適当な保護具を着用すること
  7. ポンプ等を液抜きに使用する用具・機材は事前に点検を行い、微量PCB汚染廃油の漏洩が生じないことを確認すること。
  8. 保護具等に微量PCB汚染廃油が付着した場合には、保護具等は、微量PCB汚染物として別に保管すること。

とあります。特に 8. については新たに発生した汚染物として、都道府県に届出を行う必要がありますのでご注意ください。

また今回は微量PCB廃棄物ということでしたが、(高濃度の)PCBや、PCBをその重量の1%を超えて含有する製剤その他の物については、労働安全衛生法、特定化学物質等障害予防規則等において、その取り扱い等が規制されていますので、ご注意ください。この場合の対応については、上記の「PCB廃棄物の処理作業等における安全衛生対策要綱」をご確認ください。


※ご意見・ご感想・ご質問はこちらのリンク先からお送りください。
ご氏名やメールアドレスを公表する事はありません。

▲このページの先頭へ