DOWAエコジャーナル

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秋田県の観光列車

「ああ、秋田県を縦断したい…」
そう思ったことはありませんか?私はあります。
そんな時は、選択肢の一つに「秋田内陸縦貫鉄道」があります。

数年前の日曜日、私はプライベートで秋田県の南部(大曲付近)にいました。そして翌日には秋田県の北部(大館市内)で仕事があったので、家がある東京には帰らず、このまま仕事先へ向かうことにしました。

路線イメージ図

しかし車が無かったので電車を使う必要があります。JRを使うと、秋田市まで行ってから大館市へ向かう必要があり、かなり迂回する形となります。時間を短くしたいなら新幹線を使わなければいけませんし、普通電車を使うなら3時間以上はかかりそうです。

「ああ、秋田県を縦断したい…」そう思いながらも諦めてJRに乗る決意を固めていると、その場にいた知り合い(秋田県南部在住)が「内陸線を使えばいいじゃん」と提案してくれました。「秋田内陸縦貫鉄道」という、秋田県を縦断する鉄道が走っていたのです。過去に秋田県に住んでいたのですが、知りませんでした。

ということで、知り合いに角館まで送ってもらい、そこから秋田内陸縦貫鉄道に乗ることに。「みちのく小京都」と呼ばれ、武家屋敷など古くからの街並みが残る角館駅から、向かうは北秋田市の中心街にある鷹巣駅。2時間半弱かかる見込みです。

写真:角館駅

停車している電車には「縄文号」と書かれていました。縄文時代の遺跡で、世界文化遺産にも登録された「伊勢堂岱遺跡」などをコンセプトに、縄文遺跡をイメージした列車を走らせているようです。

写真:縄文号

休日とはいえ仕事先に向かうため、乗り始めた際のテンションはほぼ「出勤」でした。しかし乗ってみると、だんだんただの電車ではないことが分かってきました。車内には窓から見える風景を解説してくれる乗務員の方がおり、良さそうな景色が見えてくると電車のスピードは遅くなり、乗客がカメラを車窓に向けて撮影し始める…いわゆる観光列車でした。朝ラッシュの山手線に乗る気分で観光列車に乗るなんて、少し申し訳ないと思いながらも、乗っているとだんだん気分が上がってくるのでした。

写真:車内の様子

道中は、ずっと緑豊かな田んぼや畑のそばを通っていたように思います。時たま、複数の色の稲を配置して作られる「田んぼアート」が出現して乗客たちをもてなしてくれます。下の写真は、紙風船と秋田犬と雪だるまの田んぼアート。なぜ「紙風船」なのかというと、秋田県仙北市のある地域(西木町上桧木内)では、絵が描かれた巨大な紙風船を打ち上げる「紙風船上げ」という伝統行事が開催されているからです。…と、乗務員の方が解説していました。

写真:田んぼアート(左:雪だるま、中央:紙風船、右:秋田犬)

たまに、乗客を歓迎するかのように、田んぼからカカシたちがこちらを見ています。そのカカシたちには、乗客一同で手を振って応じていました(私も振った)。こんな優雅な出勤があっていいのでしょうか。

写真:カカシに手を振る乗務員の方(後ろで私も手を振る)

あっという間に終点の鷹巣駅に着きました。乗務員の方のお話はその土地の文化に関するものが多く、面白いので話を聞いているといつの間にか時間が過ぎていたように思います。ここから、少しJR線を経て、無事に目的地である大館に到着しました。

私のように仕事のために乗る人がどの程度いるのかは分かりませんが…、皆さんも秋田を縦断したい際は、ぜひ乗ってみてください。


この記事は
DOWAエコシステム 企画室
後藤 が担当しました

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