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残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約) その1

■POPs条約とは

「POPs条約」は、(1)環境中で分解しにくく、(2)食物連鎖などで生物の体内に濃縮されやすく、(3)長距離を移動し、極地等に蓄積されやすく、(4)人の健康や生態系に対して有害性がある、ポリ塩化ビフェニル(PCB)やDDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の、製造及び使用の廃絶、排出の削減、これらの物質を含む廃棄物等の適正処理等を規定している条約です。

■成立背景

POPsは一部の地域における使用により全世界へと拡散するため、人体や環境に対して国境・大陸を越えた広範囲な影響を及ぼす恐れがあります。そのため、以下のような経緯で国際的な取り組みが行われ、本条約の成立に至りました。

DATE TOPICS
1992年 地球サミット(環境と開発に関する国際会議)でアジェンダ21を策定。
1995年 国際環境計画(UNEP)政府間会合で「陸上活動から海洋環境の保護に関する世界行動計画」が採択され、POPs物質が特定される。
1997年 UNEP第19回管理理事会を契機に、その後5回の政府間交渉会議が開催される。
2000年12月 第5回政府間交渉会議で条約案について合意。
2001年5月 ストックホルムで開催された外交会議において条約が採択される(92か国が署名)。
2004年2月 批准国数が条約発効要件の50ヶ国に達する。
2004年5月 POPs条約が発効される。
2011年4月 第5回締約国会議(COP5)において、新たに1種類の物質が附属書に追加される。

2014年1月時点で、152か国及び欧州連合(EU)が署名、日本を含む179か国(G8ではカナダ、ドイツ、フランス、英国)及びEUが締結しています。

本条約の発効によって、批准国には、POPsの適正な管理及び処理・モニタリング・情報提供・教育、並びに発展途上国に対する技術援助などを行うことが求められます。

■条約の目的

POPs条約は、残留性有機汚染物質から人の健康と環境を保護することを目的とし、

  1. ポリ塩化ビフェニル(PCB)等17物質の製造・使用、輸出入の禁止
  2. DDT等2物質の製造・使用・輸出入の制限
  3. 非意図的に生成されるダイオキシン等4物質の削減等による廃棄物等の適正管理

を定めています。

次回は、POPs条約の対象となる化学物質や加盟国の義務等、概要について解説致します。

【用語解説】

※:アジェンダ21(Agenda 21)
環境と開発に関する国連会議(地球サミット/ブラジルのリオデジャネイロで開催)において採択された、持続可能な開発を実現するための21世紀に向けた具体的な行動計画のこと。条約のような拘束力はない。

【参考資料】

外務省ホームページ 
ストックホルム条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約:Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants(POPs))

経済産業省ホームページ
POPs条約

環境省ホームページ
POPs


堀岡 この記事は
エコシステムジャパン株式会社 営業企画部
堀岡 が担当しました

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