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残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約) その3

前回の残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)その2では、加盟国の主要な責務として5項目を紹介しました。
(1.製造・使用、輸出入の原則禁止、2.製造・使用、輸出入の制限、3.非意図的生成物の排出の削減及び廃絶、4.POPsを含むストックパイル(在庫)・廃棄物の適正管理及び処理(汚染土壌の適切な浄化を含む)、5.これらの対策に関する国内実施計画の策定)

今回は、そのうち、「5.これらの対策に関する国内実施計画の策定」を中心に解説します。

2001年5月に残留性有害汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)(以下、条約)がストックホルムで開催された外交会議で採択され、日本は2002年8月に条約を批准しました。
2004年2月に発効の要件である批准国数50か国に達したため、2004年5月に条約が発効されました。

■日本の対応について

条約第7条では、各締約国は条約に基づく国内実施計画を作成し、条約がその国について効力を生ずる日から2年以内に締約国会議に送付することが規定されています。また、条約の付属書掲載の化学物質の追加等があった際には、国内実施計画を改定することが求められています。

1)日本での国内実施計画の策定

日本では、2003年に「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約関係省庁連絡会議(関係省庁連絡会議)」が設置されました。国内実施計画の原案はパブリックコメントの意見を受けて修正された後、2005年6月に地球環境保全に関する関係閣僚会議にて、国内実施計画が了承されました。

2)国内実施計画の改訂

2010年に条約対象物質へ9物質群の追加が発効したことから、日本では、国内実施計画の改定作業が2011年に開始されました。
2012年6月に関係省庁連絡会議において改定国内実計画の原案が作成され、パブリックコメントの意見を受けて修正された後、2012年8月の関係省庁連絡会議にて改定国内実施計画が決定されました。

改定国内実施計画では、従前の国内実施計画の策定時以降に講じた措置、各種取り組み、戦略及び対応について点検し、その結果を公表しています。そして、POPsの製造・使用・輸出入を防止することを目的とした規制のための措置のほか、附属書Cに掲げる非意図的生成物の排出削減のための行動計画、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃絶のための取り組み、在庫(ストックパイル)及び廃棄物の適正処理等のための取り組みについて記述されています。

「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約に基づく国内実施計画 改訂版」についての詳細は、次回解説します。

■最近の動向

締約国会議(COP)は2005年の第1回会議以降も定期的に開催されており、2013年4-5月に開催された第6回締約国会議(COP6)において、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)が附属書A(製造・使用、輸出入の原則禁止)に追加されました。新たに附属書に追加された物質については、国際連合事務総長によって通報された日から1年を経過したときに発効するため、2014年11月26日に発効します。
また、次回会合(COP7)は2015年に開催される予定です。

【参考資料】

環境省ホームページ
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約に基づく国内実施計画 改訂版(平成24年8月改定)


堀岡 この記事は
エコシステムジャパン株式会社 営業企画部
堀岡 が担当しました

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