DOWAエコジャーナル

本サイトは、DOWAエコシステム株式会社が運営・管理する、環境対策に関する情報提供サイトです。毎月1回、メールマガジンの発行と情報を更新しています。

文字サイズ

なるほど話記事一覧 ▶︎

異常気象について考えませんか その5
~ユニセフ「気候変動と商業的圧力が子どもたちを脅かす」~

今回は、ユニセフ(国連児童基金)による報告書をご紹介します。

1. 「世界の子どもたちの未来のゆくえ」
(A Future for the World’s Children?)

ユニセフ(国連児童基金)、世界保健機関(WHO)、ランセットによって召集された、世界の子どもと若者の保健専門家40人以上からなる委員会が2020年2月19日に報告書「世界の子どもたちの未来のゆくえ」(原題:A Future for the World’s Children?)を発表しました。

ユニセフ協会ホームページ プレスリリース
気候変動と商業的圧力が子どもたちを脅かす ユニセフ・ランセット・WHO新指標 日本の持続可能性は180国中159位

ランセット(The Lancet)とは

1823年に設立された、独立した国際的な週刊総合医学雑誌です。

出所:The Lancetホームページ about us

ユニセフ United Nations Children's Fund(UNICEF)とは

UNICEF(国連児童基金)は、1946年に、第二次世界大戦で被災した子どもたちに対し、緊急支援を行うために設立された国際機関である。以来UNICEFは、すべての子どもたちの権利が守られる世界を実現するために、世界190以上の国と地域で、保健、栄養、水・衛生、教育、HIV/エイズ、保護、緊急支援、アドボカシー(政策提言)などの活動を実施している。
子どもの生存のための基礎的な社会サービスの支援に加え、UNICEFは常に子どもの権利の擁護者、代弁者として、子どもたちをめぐる現状を分析・モニタリングし、具体的な政策提言を各国の指導者や国際社会に対して行う。こうした活動をする上でUNICEFは、1989年の国連総会において採択された「子どもの権利条約」を指針として掲げている。

出所:国際連合広報センター ホームページ 国連児童基金

出所:国際連合広報センター ホームページ 「国際連合システム図」に作者加筆

2. 子どもの未来と気候変動が関連あるのか

子どもを支援するユニセフが、なぜ気候変動に関する報告書を発表したのでしょうか?
「ユニセフ活動の手引き」から、気候変動に関連する部分を抜粋しました。

出所:日本ユニセフ協会ホームページ「ユニセフ活動の手引き

貧困など社会的に脆弱な立場にある人々は、異常気象や災害(洪水、間伐、熱波など)に備えたり、対応したりすることが難しく、復興までの時間がかかるため、貧困を長引かせたり、新たな貧困を生み出したりすることにもつながります。

出所:日本ユニセフ協会ホームページ「ユニセフ活動の手引き

3. 「世界の子どもたちの未来のゆくえ」のポイント

商業的圧力による脅威

「低・中所得国の5歳未満児約2億5,000万人は、発育阻害と貧困の代理指標から、自分の能力を最大限に伸ばすことができないリスクがあると推定されています。しかし、さらに大きな懸念事項は、世界のすべての子どもが今、気候変動と商業的圧力による脅威に実際に直面しているということです。
国は、子どもと若者の健康へのアプローチを徹底的に見直し、今日の子どもだけでなく、将来引き継がれる世界を守らなければなりません」(元ニュージーランド首相で委員会の共同議長であるヘレン・クラーク)

気候変動の激化はすべての子どもたちの未来を脅かす

現在の予測通り、2100年までに地球温暖化による気温上昇が4度を超えると、海面上昇、熱波、マラリアやデング熱などの病気の拡散、栄養不良により、子どもたちに壊滅的な健康被害をもたらすことになります。

有害な商業マーケティングが子どもを食い物にする―小児肥満は11倍に増加

ジャンクフードや砂糖入り飲料の商業マーケティングの子どもへの露出は、不健康な食品の購入や過体重および肥満につながっています。子どもの肥満の驚くべき増加には、自己利益的なマーケティングが関わっているのです。肥満の子どもと若者の数は、1975年の1,100万人から2016年の1億2,400万人に増加しました。

子どもと若者の健康に対する即時行動のためのマニフェスト

  1. 子どもたちがこの地球上で未来を築けるよう、最大限の緊急度で二酸化炭素の排出を停止する。
  2. 持続可能な開発を達成するための取り組みの中心に子どもと若者を置く。
  3. 子どもの健康と権利に向けて取り組むため、すべての部門において新たな政策と投資を行う。
  4. 子どもたちの声を政策決定に取り入れる。
  5. 子どもの権利条約の新しい選択議定書などを用いて、有害な商業マーケティングの国内規制を強化する。

詳しくは、ユニセフ協会のホームページをご確認ください。
気候変動と商業的圧力が子どもたちを脅かす ユニセフ・ランセット・WHO新指標 日本の持続可能性は180国中159位


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

※ご意見・ご感想・ご質問はこちらのリンク先からお送りください。
ご氏名やメールアドレスを公表する事はありません。

▲このページの先頭へ

ページの先頭に戻ります