DOWAエコジャーナル

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「ルールを守る」~過積載編~ その2

Q.DOWAは過積載の車両は受け入れてもらえないと聞きましたが、許容範囲はどの程度ですか?

A.

許容範囲はありません。“過”積載は、道路交通法で定められたルールを破っている状態です。
破ってもいいルールはない、と私たちは考えています。

積み込み場所によってはトラックスケールがない場合もあると思いますが、その場合は、余裕を持った積載量としてください。近くの工場等にトラックスケールが設置されていれば、そちらに立ち寄って計測していただく事や、レンタルも可能な簡易トラックスケールの使用もお薦めしています。

例えば、これまでお取引いただいてるお客さまと、過去にこんなやりとりがありました。

<エピソード-2>

エコシステム千葉に自社の車両で廃棄物をお持込みいただいている、お客様との出来事です。
昨年からお取引きを開始頂いた、とある会社の担当のIさんは大変マジメで朗らかなお人柄で、エコシステム千葉への搬入の際は、時折助手席に同乗して来られることもあります。そして、いらっしゃる度に「エコシステム千葉は工場のひとも対応がテキパキしていて見ていて気持ちがいいね~、さすがDOWAさん。」とお褒めくださっていました。

ところが、ある日のこと、このお客様の車両で過積載がありました。

営業K
Iさん、いつもお引き立てありがとうございます。
今日の入荷分なんですが、計測したところ過積載でした。
Iさん
えっ!!? 過積載? どれくらい?
営業K
500キロ弱です。
Iさん
はあ!?なんだ、それくらい、大した事ないじゃない。誤差範囲だよ。
営業K
大変申し訳ありませんが、弊社ではそうは考えていないんです。
たとえ10kgのオーバーでも過積載だと考えて、厳格に管理させて頂いています。過積載をすると運搬途中の事故などのリスクが高くなりますので、なんとか改善をお願いできませんか?
Iさん
なんだい、それ。
そんなに四角四面なこと言っていたら、世の中渡っていけないよ。
営業K
でも、過積載は守らなければならない基準なんです。
もし、過積載のまま運搬していて事故を起こした場合のことを考えてみてください。道路交通法では、過積載はドライバーだけでなく荷主にも責任がありますので、万が一事故に発展した場合には、御社も責任を追及される可能性がありますし・・・。
エコペディア 道路交通法(過積載関係)
Iさん
そうは言ってもな。・・・・・。うちの工場には、台貫はないんだぞ。
営業K
確かに今搬出されている工場には台貫は無いですが、近くの御社の工場には台貫がありますよね?その工場で、一度重量を測ってからエコシステム千葉に持ち込んでいただく、というのは如何ですか?
Iさん
そりゃ、近くの工場に台貫はあるけど、わざわざ、そこに寄ってからエコシステム千葉へ行くのは寄り道になるから、かなり効率悪いからな~・・・・・。
営業K
ご面倒だとは思いますが、一度重量を測ってからでお願いできませんか?
過積載をすると、ブレーキの効きが悪くなったり、車からボルトが脱落して車輪が外れたり、タイヤがバーストしたり、荷崩れしたり、車両が横転したり・・・と、事故のリスクが高まるんです。廃棄物の運搬で一番気をつけなければいけないのは廃棄物の飛散や漏洩ですよね。万が一、事故車両から散らばった廃棄物や漏れ出した廃棄物による汚染が起こったら、大変なことになってしまいますよ。
Iさん
そんな極端なこと言われても困るよ(怒)。そこまでしなきゃならないんだったら、今後の取引を考え直すことにもなりかねないよ・・・
営業K
(取引打ち切りか・・・?(悲)どきどき)

Iさんは納得ができないまま帰途につきましたが、ハンドルを握ってゆっくり考えるうちに、DOWAの意見も一理あるかな、という気持ちになってきたそうです。

「ちょっと待てよ。DOWAがあそこまで言っている。そもそも、自分たちの会社にとって、法を守ることはとても大事なことだ。効率の問題じゃないな。」

「排水基準だったら少しオーバーしましたじゃすまないし。工場だって騒音の基準もちゃんと守ってる。確かに、ちょっとだからって破っていい規制ってないよな。」

「“安全は全てに優先する”っていうし。・・・面倒でも測るか。」

以来、Iさんは別の工場で重量を計量し、過積載でないことを確認してから、エコシステム千葉へ搬入して下さっています。
そればかりか、Iさんの工場に、Iさんのお客様から廃棄物が搬入される時の過積載もゼロにするように取り組んでおられるそうです。過積載防止の取り組みを評価して下さるお客様もいるそうで、Iさんからは、
「あの時、Kさんに過積載を注意されておいて良かった。感謝してます。」
と嬉しいお言葉を頂きました。

こちら側の意図がその様なかたちで花開いているとは思いもしませんでした。
過積載防止の取り組みを通じて、大事なお客様のお役に立てたことは大変光栄です。

DOWAはルールを守ります。

理由・事情の如何を問わず、弊社では遵法を最優先に業務を行っております。
また、お取引先様にも遵法のお願いをさせていただいております。
廃棄物処理をはじめとする、静脈産業においてこそ遵法を最優先しなくてはなりません。
廃棄物処理法などで定める排出者責任及び処理業者としての責任を鑑みても、収集運搬・処理工程の全てが適正であることが、お客さまに安心して事業に取り組んでいただくための環境整備の一環であると考えます。

この姿勢をご理解いただき、今後もお客様との信頼関係を築いていきたいと考えております。

【参考資料】

道路交通法(昭和三十五年六月二十五日法律第百五号)
公益社団法人全日本トラック協会ホームページ トラックドライバーのための安全運転の基礎知識
リスクのクスリ(2011年2月1日)過積載


昆野 この記事は
エコシステムジャパン株式会社
昆野 が担当しました

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