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ハンガリーのゴミ事情 その2 色々な物の回収

今回はハンガリーにおける様々な資源の回収についてご紹介していこうと思います。

■電池の回収

大型スーパーに設置されたボックスへの投入が一般的です。大型スーパーには大きめの回収ボックスがあります。

電池だけでなくモバイルバッテリー、CD、DVD、インクカートリッジ、蛍光灯、電球までも回収できる優れものです。

このような小さいバージョンも街に設置されています。

■油の回収

ドイツ発のAldi(アルディ)というスーパーがハンガリー発のBiofilter(ビオフィルター)社と提携してこの使用済み油回収ボックスをスーパーなどに設置し始めました。

ハンガリーの食文化は油を好んで使います。そんなハンガリーの全家庭から出される調理済み油は1年間で2万5000トンにも及びます。そのうちたったの500トンのみが今まで再利用されていました。それ以外の使われていた油はゴミとして出されていたりトイレに流されて下水を詰まらせる原因の一つになっていました。
(☆ハンガリー人は髪の毛、油、料理で残ったスープなどなんでもトイレに流してしまいます。日本の文化から見たら衝撃です。)

先に述べたビオフィルター社はスーパーに設置するだけでなく油を大規模に使うファストフードチェーンやホテルとも提携して使用済み油を回収しています。回収された油は適切な工程を経てバイオディーゼル燃料へと生まれ変わります。

またハンガリーの石油・ガス産業の大企業MOL(モル)社も11年に渡り油の回収を行いその間(2023年4月現在)2,888トンの回収に成功しました。

■缶の回収

多くのスーパーに回収機が設置されており、1缶にあたり3フォリント(日本円で約1円)や3缶で10フォリント(約3.5円)に換算されます。リサイクルした分は現金として受け取れるのではなく、機械からレシートが出てきてそのレシートを設置されているスーパーのレジで会計時に提示するとその分お会計が安くなる仕組みです。
この機械一つで約5,000缶収集が可能です。

新しくゼロから缶を作るより、回収された缶を溶解し新たな缶を作ることは最大で95%もエネルギーカットになるようです。

■紙、プラスチック、瓶の回収

青が紙、緑が瓶、黄色がプラスチック、アルミ、牛乳やジュースのパック用です。
しかし分別を気にしない人が多いのも現状です。頻繁に青のボックスの口からアルミ缶が顔を覗かせていたりします。

この青、緑、黄色の三兄弟は街に点在しています。自治体のサイトから最寄りのボックスを探すことができます。

■粗大ゴミの回収

通り一面、家具や電化製品、おもちゃなどで埋まる日があります。
これはLomtalanítás(ロムタラニターシュ)と呼ばれるこの粗大ゴミ収集で、一年に一度無料で粗大ゴミを回収してくれる日です。

まだ使えそうなソファやベッド、机なども道に投棄されるので気に入ったものを見つけた人が持ち帰る光景も見ます。
この日以外で粗大ゴミを出したい場合は自治体の専門の会社に依頼をしなければならなく、またお金もかかります。

かかる費用の例(1tトラック1台を1回頼むとして)

  • 運送費用
    デブレツェン市内は固定費6,000HUF(2,100円) 市外で5,000HUF(1,750円)+市内からの距離150HUF/km(50円/km)
  • ゴミをまとめてトラックに積んでもらう費用
    一人に頼む場合 100HUF/分 一時間で6,000HUF (35円/分 2,100円/時間)
    二人に頼む場合 150HUF/分 一時間で9,000HUF (53円/分 3,150円/時間)
    この費用に関してはダラダラと作業員が積んだらその分時間がかかってしまうと思いますがサイトの方に「テキパキ仕事をします」と書いてありました。
  • ゴミ処理代(こちらはこの運送会社が集金して自治体のゴミ処理会社に払ってくれます。)
    家庭ごみ 26,289HUF/t (9,200円/トン)
    埋め立てるゴミ 28,956HUF/t (10,100円/トン)
    土 1270HUF/t (445円/トン)
    コンポストゴミ 3,175HUF/t (1,110円/トン)

首都においてはまだ使えるおもちゃ、家具、本などを保管する集積所があります。
集積所は、株式会社が運営していて首都内の端っこ、一番栄えているエリアから車で20分弱で着きます。

ここにはブダペスト市民がリユース可能なものを持って来ることができます。持ってきたものは使用可能かどうかスタッフがその場で検品をして可能なら引き取られ、不可の場合は持ち帰ってもらいます。
ここでは最大でも10,000フォリント(日本円で役3,500円)程でソファやベッドを買うことができます。

この代金は貯蔵代として受け取られその土地の維持費などに回されます。何か新しい家具やお家のアクセントが欲しい時はここで探してみるのもいいかもしれません。

(参考)Szemléletformáló és Újrahasználati Központok (Létesítményeink)

■医療廃棄物の回収

病院の入り口などに大きめの医療廃棄物の回収箱が設置されています。

左は余った薬のゴミ入れ、右は注射器の回収口になっています。

又、病院の手術室、治療室にもこのような密閉型の改修箱があり血のついた手袋や縫合糸、人間の胎盤などもこちらで処理されます。

■ペットボトルキャップの回収

回収箱はスーパーの中や学校、病院などにあります。特にキャップを集めると子供たちへの基金になるため小児科の前などに大きめのものがあります。
こちらは病院の前にある人目を引くかわいいハート型のもの。

■古着の回収

ハンガリーには古着屋さんが多く存在します。
その中でも有名なものがHádaという会社です。元々は小さな家族経営から始まりましたがいまやハンガリー国内に90店舗あります。
1995年に始まったビジネスで、イギリス、スコットランド、スイスから古着を輸入し販売しています。

販売様式は店舗販売で、3コーナーあります。

①洋服を単体で買うもの
②キロ単価で古着を買うもの
③一日ごとに値下げされるコーナー です。

①、②に関しては毎月頭には季節にあった商品に入れ替えがされ、③は品が毎週変えられます。

イギリスで集められた古着などはHádaのような古着屋さんに買われ、古着屋さんの売上金が子供や貧困地域への募金になる仕組みがあります。
従業員が集まった服をまだきちんと着られるものかを判別してから買うため、販売されているものは比較的綺麗なものが多いです。

(参照)Hulladék-Suli, a szelektív hulladékgyűjtés iskolája
Főoldal | Biofilter Környezetvédelmi Zrt.


この記事は
ハンガリーの医学生
石原ベータ が担当しました

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