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DOWAエコジャーナル

2024.10.01 リスク管理 廃棄物管理

マニフェストは収集運搬業者に渡すだけでよいですか?

土壌汚染対策法

Q:マニフェストは排出時に収集運搬業者に渡すだけでよいですか?

A:

マニフェストは引き渡して終わりではありません。処理が完了したかどうかを、返送されるマニフェストを通じて確認する必要があります。また、処理完了後も5年間の保管が必要になります。

■排出事業者が注意すること

[引き渡しまで]

  • マニフェストの記載ミスに注意する
    マニフェストは記載する事項が多いですが、法定記載事項もあるので記入漏れや間違いが無いように注意して、収集・運搬業者に渡す必要があります。以下の記事でも紹介していますので、ご参照ください。
    リスクのクスリ:マニフェスト記載時にミスしやすい箇所

[引き渡し後~処理完了]

  • 正しく処理されているかを確認する
    排出事業者は、運搬・処分が期間内に完了したことを、返送されるマニフェストにより確認する必要があります。マニフェストには返送期限があり、B2票、D票は90日以内(特別管理産業廃棄物は60日以内)、E票は180日以内に返送されているかどうかの確認が必要です。
    もし、期日までに返ってこなければ、都道府県に「措置内容等報告書」を提出する必要があります。
    エコペディア:措置内容等報告書

[処理完了後]

  • マニフェストを保管する
    マニフェストは、5年間の保管が必要です。A票は交付日から5年間、B2票、D票、E票は送付を受けた日から5年間です。下図の通り、排出事業者は最終的に4種類のマニフェストを保管することになります。


    図:マニフェストの流れ(直行用マニフェスト)(筆者作成)

  • 「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」を提出する
    マニフェストの交付状況については、毎年、都道府県知事へ報告書を提出する必要があります。どのような種類の廃棄物を何t排出したのか、マニフェストを何枚交付したのか、などについて記載します。
    環境便利帳:産業廃棄物排出事業者の年度報告

■参考条文:廃棄物処理法

第十二条の三
その事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者(中間処理業者を含む。)は、その産業廃棄物(中間処理産業廃棄物を含む。第十二条の五第一項及び第二項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合(環境省令で定める場合を除く。)には、環境省令で定めるところにより、当該委託に係る産業廃棄物の引渡しと同時に当該産業廃棄物の運搬を受託した者(当該委託が産業廃棄物の処分のみに係るものである場合にあつては、その処分を受託した者)に対し、当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他環境省令で定める事項を記載した産業廃棄物管理票(以下単に「管理票」という。)を交付しなければならない。
(中略)
6 管理票交付者は、前三項又は第十二条の五第六項の規定による管理票の写しの送付を受けたときは、当該運搬又は処分が終了したことを当該管理票の写しにより確認し、かつ、当該管理票の写しを当該送付を受けた日から環境省令で定める期間保存しなければならない。
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。

■おわりに

マニフェストは「運搬当日に引き渡すもの」というイメージが強いかもしれませんが、処理が完了したことを確認する必要があり、処理後も保管等の義務が課されていますので、正しい運用を心がける必要があります。

この記事は
DOWAエコシステム 企画室
後藤 が担当しました

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