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G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合の閣僚声明 その2

G7広島サミット(2023年5月19日~21日)に先立ち、G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合が開催されました。共同声明(コミュニケ)の内容を用語解説とともにご紹介します。

今回は、資源循環と気候変動・エネルギー分野について、環境省が発表した結果概要「G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」からご紹介します。

II. 環境

(2)循環経済・資源効率性

- 循環経済・資源効率性に関する企業の行動指針を示す「循環経済及び資源効率性の原則(CEREP)」が採択されました。

民間企業が循環経済に関するイニシアチブを立ち上げるなど、企業の自主的な行動促進を目的とした行動指針が示されました。

循環経済及び資源効率性の原則
(CEREP:Circular Economy and Resource Efficiency Principles):

(出典)G7気候・エネルギー・環境大臣会合の結果報告(循環分野)(環境省)

原則の構成要素
  • 全社的な循環経済・資源効率性戦略のためのリーダーシップ
  • 気候変動・生物多様性・汚染削減に関する戦略及び行動と循環経済及び資源効率性アプローチの統合
  • リスクと機会の特定
  • 循環・資源効率ビジネスへの移行
  • モニタリングとレポーティングの強化
  • マルチステークホルダー・パートナーシップ及びエンゲージメント
今後の活動
  • G7資源効率性アライアンスを通じた各国での普及、B7との連携等により、CEREPの活用を推進する。
  • 日本は、循環経済パートナーシップ(J4CE)の下、官民連携でCEREPを含む循環経済の行動を推進する。

(出典)G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合(環境省)

- 「ベルリン・ロードマップ」に基づくG7協力の強化、廃棄物分野の脱炭素化の強化、バリューチェーンの循環性の測定・流通・活用の促進等に合意。

一次資源利用削減と廃棄物の最小化が重要と確認しつつ、廃棄物分野の脱炭素化に向けた努力を強化する、バリューチェーン全体の循環性の計測、バリューチェーン全体における循環性に関する情報の共有と活用、及び比較可能な指標に関する議論と調整を促進する、とされています。

ベルリン・ロードマップとは
2022年に開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合のコミュニケ附属書として採択された、2022年から3年間の作業計画。

(出典)G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合(環境省)

(3)プラスチック汚染

- 2040年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにする野心を持って、プラスチック汚染を終わらせることを確約。

2050年までに追加的なプラスチック汚染をゼロにまで削減することを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を10年前倒しすることが合意されました。

大阪ブルー・オーシャン・ビジョン:
社会にとってのプラスチックの重要な役割を認識しつつ、改善された廃棄物管理及び革新的な解決策によって、管理を誤ったプラスチックごみの流出を減らすことを含む、包括的なライフサイクルアプローチを通じて、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指すものである。

(参考)~解説~ 2019年G20とG20環境大臣会合 その2 ブルーオーシャンビジョン

(4)化学物質

- 2020年以降の化学物質・廃棄物の適正管理に関する枠組の採択を含む、ICCM5(第5回国際化学物質管理会議)における野心的な成果を呼びかけ。

ICCMはSAICMのフォローアップのための会議です。SAICMでは、科学的なリスク評価に基づくリスク削減、情報の収集と提供、能力構築と技術協力などを進めることが定められています。

ICCM(国際化学物質管理会議:International Conference on Chemicals Management): SAICMのフォローアップのために開催される会議。
第5回目が2020年に開催される予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大により延期されており、2023年9月に開催される予定です。
Management(ICCM5) - Bonn, Germany, 25 - 29 September 2023(SAICM Secretariat)

SAICM(国際的化学物質管理に関する戦略的アプローチ:Strategic Approach on International Chemical Management):WSSDにて合意された「化学物質が、人の健康と環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成する」の実現を目標に、科学的なリスク評価に基づくリスク削減、情報の収集と提供、能力構築と技術協力などを進めることを定めた、国際的な合意文書。第5回ICCMで2020年以降のポストSAICMの枠組みが議論される予定。

WSSD(持続可能な開発に関する世界首脳会議:World Summit on Sustainable Development):2002年8月にヨハネスブルグにて開催され、各国首脳の政治宣言である「持続可能な開発に関するヨハネスブルク宣言」と、貧困撲滅、天然資源の保護と管理、持続可能な開発を実現するための実施手段等、持続可能な開発を進めるための各国の指針となる「持続可能な開発に関する世界首脳会議のための実施計画」が採択されました。

(参考)国際連合の活動への対応(経済産業省)

「SAICMの実施状況と今後の展望」レオノール・アルバラド氏 国連環境計画(UNEP)化学物質部 SAICMコーディネーター

(参考)SAICMセミナー~SAICMの実施における化学物質管理へのステークホルダー参加の国際動向~(2011年10月21日)(環境省)


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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