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DOWAエコジャーナル

2026.02.02 サーキュラーエコノミー

一般廃棄物の「灰」事情 その6 焼却灰からの有価金属回収試験

DOWAの取組リサイクル廃棄物処理

DOWAエコシステム(株)は、焼却灰に含まれる金属資源を可能な限り循環の輪に戻すことを目指し、環境調和型の技術開発に力を入れています。今年1月に愛媛県松山市にて開催された第47回全国都市清掃研究・事例発表会にて、焼却灰からの有価金属回収の取組みについて発表しました。
今回の記事では、その発表内容の概要をご紹介します。

発表番号:Ⅱ―2―68
タイトル:焼却灰中の有価金属の含有量調査および物理選別による濃縮試験

調査背景

2025年2月3日、同年9月1日に掲載した記事のとおり、最終処分場に埋め立てられる焼却灰には、微量ではありますが、金をはじめとした有価金属が含まれています。DOWAグループの「メルテック(株)」、「メルテックいわき(株)」は、焼却灰を高温で溶融し、高品質のスラグを製造するとともに、金、銀、銅、プラチナ、パラジウム等の有価金属を製錬原料として活用できる含有量まで濃縮する技術を有しています。

当社が培ってきた溶融技術に加えて、焼却灰から有価金属を濃縮・回収する低エネルギー型の技術として、物理選別プロセスの検討を進めてきました。本稿では、その適用例を報告いたします。

調査方法と結果

①焼却灰中の有価金属含有量調査

自治体からご提供いただいた約9tの焼却灰について、まず有価金属の含有量を推定しました。有価金属の偏析による過大評価を防止するために、10mm未満の粒度画分の有価金属含有量を調査し、10mm以上には有価金属が含まれていないとして焼却灰全体の含有量を推定しました。

有価金属の含有量調査の結果を表1に示します。10mm未満の粒度画分において、金、銀、パラジウム、白金、銅が含まれることを確認しました。これら10mm未満の粒度画分の有価金属の含有量から焼却灰全体の有価金属の含有量を試算すると、金は3g/t以上と推定されました。

表1 試験対象の焼却灰に含まれる有価金属含有量
重量比

g/t

g/t
パラジウム
g/t
白金
g/t

実測値 −10mm 50.9 6 279 7 3 0.9
推定値 焼却灰
全体(湿)
100.0 ≧3 ≧142 ≧3 ≧1 ≧0.5

②物理選別による有価金属の濃縮試験

次に、①で用いた焼却灰からの物理選別による有価金属の濃縮可能性を調査しました。10mmで篩分けして大きな鉄くずや礫状のものを取り除いた後、今回開発したプロセスを実施し、濃縮産物の有価金属含有量を分析しました。

開発した物理選別プロセスによって製錬原料として評価される含有量まで有価金属を濃縮でき、金・銀・パラジウムを焼却灰から85%以上回収できることが確認されました。

つまり、今回調査した自治体の焼却灰においては、製錬原料としてリサイクルできることが判明したため、当社の開発した有価金属の物理選別手法が有効な手段であると判断しました。

今後の展開

焼却灰の組成や有価金属含有量は自治体や時期によって変化し得るため、社会実装に向けては、焼却灰の有価金属含有量を正確に把握することと、開発した物理選別プロセスの適用可能性の評価が重要となります。そこで、当社はメルテック株式会社内に小型の選別プラントを設置しました。本プラントを活用してデータ収集をさらに加速し、早期社会実装に向けて取り組んでいきます。

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