エルサルバドル第3回目は、リサイクル最前線についてご紹介します。
民間企業の取り組み ~エルサルバドルのリサイクル最前線
エルサルバドルでは、市民レベルでの分別意識はまだ十分に根付いておらず、収集担当者や最終処分場での分別に依存しているのが現状です。しかし一方で、いくつかの民間企業は国際企業や国際機関の支援を受けながら、独自のリサイクル事業を展開しています。
今回は、創業55年を迎えるエルサルバドル発のプラスチック包装製造業者 Ternova社 を訪問し、その取り組みについて伺いました。
Ternova社とRecicla503の挑戦
訪問時には、安全靴や長ズボンの着用など厳格な安全ルールが設けられており、見学者にも徹底されていました。工場内は見学ルートが整備され、各工程の担当者が丁寧に説明してくれます。同社は国内外から工場不良品などを購入し、手作業で分別した後にシュレッダーで粉砕、溶融・ペレット化して、ごみ袋や包装材へと生まれ変わらせています。さらに、排水から出る汚泥もセメント原料として再利用されるなど、循環型の仕組みが整っていました。
Ternova社のリサイクルプロジェクト Recicla503 は2019年にスタート。EUやドイツの支援を受け、国内4県のウォルマートや系列スーパー、大学、空港などに回収ボックスを設置し、活動を拡大しています。
また、環境意識を高めるために「Eco Run」というマラソンイベントを開催したり、SNSで積極的な啓発活動を展開。さらに大学や企業と連携し、ごみ分別の重要性を伝える環境教育にも力を入れています。
2019年から2025年7月までの実績として、段ボール43万kg、プラスチック16万kg、ガラス20万kgなど、合計約93万kgを回収、このうちポリエチレンはTernova社でリサイクルし、それ以外の資源ごみは他社と協力して再資源化を進めています。
一方で課題は、「ごみを分別して捨てる文化」が社会に浸透していないことです。そのためTernova社では、子どもから大人までを対象にした教育活動を通じて、適切な廃棄習慣を広める取り組みが行われています。今後は小学校に回収ステーションを設置し、教育とリサイクルを結びつける新しい試みも予定されています。
Ternova社が推進する Recicla503 は、単なるリサイクル事業にとどまらず、環境教育や地域社会との連携を通じて「意識改革」を進めています。環境保全と社会啓発を同時に進めるこの挑戦は、エルサルバドルにおける持続可能な未来への大きな一歩といえるでしょう。
これまで、3回にわたってエルサルバドルのごみ事情をご紹介しました。
> エルサルバドルのごみ事情 その1
> エルサルバドルのごみ事情 その2
この記事は
エコジャーナルサポーター 藤井 が担当しました











