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「毒物及び劇物取締法」概要 その1

毒物及び劇物取締法は昭和25年に制定された法律です。
お客様からこの法律についてのお問い合わせが多いので紹介します。
今回は、目的と対象について説明します。

1. 毒物及び劇物取締法の概要

毒物及び劇物取締法(以下、毒劇法)は、急性毒性を有する化学物質を規制する法律です。なお、慢性毒性を有する化学物質を規制するのは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(化審法)です。

毒物及び劇物取締法は、日常流通する有用な化学物質のうち、主として 急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質を毒物又は劇物に指定し、 保健衛生上の見地から必要な規制を行うことを目的としています。 具体的には、毒物劇物営業者の登録制度 容器等への表示販売(譲渡)の際の手続盗難・紛失・漏洩等防止の対策運搬・廃棄時の基準等を定めており、 毒物劇物の不適切な流通や漏洩等が起きないよう規制を行っています。

(出典)毒物および劇物取締法について(厚生労働省)

2. 毒劇法の目的

(目的)

第一条
この法律は、毒物及び劇物について、保健衛生上の見地から必要な取締を行うことを目的とする。

「保健衛生上の見地」とありますが、これは何を指すのでしょうか。

ここでいう保健衛生上の見地とは、
・毒物劇物の盗難、紛失の防止
・毒物劇物の漏えいの防止
を行うことにより、人体への健康被害を防止することを意味しています。

(出典)見目善弘「まるごとわかる環境法第19回毒物及び毒物取締法<前編>」、『環境管理』、2017年3月号66頁

3. 毒物・劇物の定義

(定義)第二条

この法律で「毒物」とは、別表第一に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
2 この法律で「劇物」とは、別表第二に掲げる物であつて、医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。
3 この法律で「特定毒物」とは、毒物であつて、別表第三に掲げるものをいう。

別表第一、別表第二、別表第三は、「毒物及び劇物取締法」(e-GOV法令検索)に記載があります。

別表第一は27種類、別表第二は93種類、別表第三は9種類の化合物が規定されています。
毒物、劇物、特定毒物について」(国立医薬品食品衛生研究所)

取扱う製品が、毒劇物に該当するか確認したい時は、
毒物及び劇物取締法(毒劇法) - 毒物劇物の検索」(国立医薬品食品衛生研究所)をご覧ください。

次回は、毒物及び劇物取締の規制内容について説明します。

■参考「保健衛生」について

保健衛生という言葉が聞き慣れなかったので他の法律を調べてみました。
調べた中では、薬機法(旧薬事法)、覚醒剤取締法、麻薬及び向精神薬取締法といった法律においては、目的に「保健衛生」が挙げられていました。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法(旧薬事法)
(目的)

第一条
この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。

覚醒剤取締法
(この法律の目的)

第一条
この法律は、覚醒剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚醒剤及び覚醒剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締りを行うことを目的とする。

麻薬及び向精神薬取締法
(目的)

第一条
この法律は、麻薬及び向精神薬の輸入、輸出、製造、製剤、譲渡し等について必要な取締りを行うとともに、麻薬中毒者について必要な医療を行う等の措置を講ずること等により、麻薬及び向精神薬の濫用による保健衛生上の危害を防止し、もつて公共の福祉の増進を図ることを目的とする。

なお、環境分野の3つの法律の目的を一覧にすると以下のようになります。

水質汚濁防止法 国民の健康保護、生活環境の保全、被害者保護
廃棄物処理法 生活環境の保全、公衆衛生の向上
土壌汚染対策法 国民の健康保護

水質汚濁防止法、土壌汚染対策法では「健康保護」、廃棄物処理法では「公衆衛生の向上」が挙げられています。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律 昭和四十五年法律第百三十七号
(目的)

第一条
この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

水質汚濁防止法 昭和四十五年法律第百三十八号
(目的)

第一条
この法律は、工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに、生活排水対策の実施を推進すること等によつて、公共用水域及び地下水の水質の汚濁(水質以外の水の状態が悪化することを含む。以下同じ。)の防止を図り、もつて国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに工場及び事業場から排出される汚水及び廃液に関して人の健康に係る被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的とする。

土壌汚染対策法 平成十四年法律第五十三号
(目的)

第一条
この法律は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康に係る被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする。

上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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