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PCB廃棄物の判別方法 その4
~廃プラスチック~

1. 廃プラスチックの場合

廃棄物の種類は、「PCB汚染物」となります。

例えば、PCBの分析に使用したスポイトやプラスチック容器、防護服のタイベックスやプラスチック製の保護具などが該当します。

その1でご説明した塗膜も、「廃プラスチック」に分類されますが、今回の説明は塗膜以外の廃プラスチックについてご説明します。 塗膜については、こちらをご確認ください。
(参考)PCB廃棄物の判別方法 その1 ~塗膜くず~

2. 分析方法

■容器の場合

容器内に「自由液」が存在すればその自由液を分析します。

※自由液とは:PCBを含む油が染み込み又は付着した廃棄物から、PCBを含む油が染み出し又は脱離して、液体状態として確認できるもの。

出典:ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知)

自由液が存在しない場合には、表面拭き取り試験を行う場合や、容器内に「残渣」が存在する場合にはその残渣を分析する場合があります。どの分析方法が適切かは、分析対象となる廃棄物を分析会社が確認し相談しながら分析方法を決定することをお勧めします。

④の廃プラスチック類及び⑤の金属くずの表面拭き取り試験は、容器などのように実用上、破砕してPCBの含有量を測定することが困難な試料についてそのPCB付着量を測定する方法として示したものである。

出典:低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)(令和2年10月)

■容器以外の場合

含有量分析を行います。

ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知)には、PCB汚染物等の該当性の判断基準と分析方法が示されています。どの分析方法が適切かは、分析対象となる廃棄物を分析会社が確認し相談しながら分析方法を決定することをお勧めします。

注1:
PCBを含む油が自由液としては明らかに存在していない場合に限る。
注2:
特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号)
注3:
絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第3版)平成23年5月環境省
注4:
「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」昭和48年2月環境庁告示第13号
注5:
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第4版)令和元年10月環境省

(補足)注5では「低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第4版)令和元年10月」と注釈に書かれておりますが、令和2(2020)年10月に第5版が公開されました。
低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)(令和2年10月)

出典:ポリ塩化ビフェニル汚染物等の該当性判断基準について(通知) に一部追記

3. 分析結果の判断基準

3-1. 含有量試験の判断基準

  • PCB含有量が、0.5mg/kg以下のものは、普通の産業廃棄物と判断されます。
  • 0.5mg/kgを超え、5,000mg/kg以下のものは、特別管理産業廃棄物(低濃度PCB廃棄物)と判断されます。低濃度PCB廃棄物処理の認定や許可を得た処理施設で処理が可能です。
  • 5,000mg/kgを超え100,000mg/kg以下のものも、特別管理産業廃棄物(低濃度PCB廃棄物)と判断されます。「5,000mg/kgを超える低濃度PCB廃棄物」の処理認定・許可を受けた処理施設でのみ処理が可能です。
  • 100,000mg/kgを超えるものは、特別管理産業廃棄物(高濃度PCB廃棄物)と判断され、JESCOでのみ処理が可能です。

3-2. 拭き取り試験の判断基準

  • PCBの付着量が0.1μg/100cm2以下のものは、普通の産業廃棄物と判断されます。
  • PCB付着量が1mg/100cm2以下のものは特別管理産業廃棄物(低濃度PCB廃棄物)と判断されます。低濃度PCB廃棄物処理の認定や許可を得た処理施設で処理が可能です。
  • 1mg/100cm2を超えた場合、高濃度PCB廃棄物に該当するかどうかを判断するために、含有量試験を行って判断する必要があります。

(参考)

表面拭き取り試験の結果が1mg/100cm2以下である廃プラスチック類は、含有量が5,000mg/kg以下の低濃度PCB含有廃棄物であるとみなすことができるものであるが、その値を超え20mg/100cm2以下である廃プラスチック類については、その結果のみをもってして100,000mg/kg 以下の低濃度PCB含有廃棄物とみなして良いものではなく、その判定をするためには従来どおり含有量測定法に従って再度分析する必要がある。なぜなら、無害化処理 認定制度の対象に5,000mg/kg 超え低濃度PCB含有廃棄物を追加した制度改正の趣旨は、塗膜くず、廃シーリング材、PCBが多量に含浸した廃プラスチック類等を無害化処理認定事業者によって処理可能とするものであり、これらは含有量試験で分析されるべきものである一方で、これらをPCBが表面に付着した廃プラスチック類の分析を念頭にしている表面拭き取り試験で分析して判定することは適当ではないことから、表面拭き取り試験の判定に係る基準値を拡大することは適当ではないためである。

(出典)低濃度PCB含有廃棄物に関する測定方法(第5版)(令和2年10月)

4. PCB汚染物の処分をご検討の際には

DOWAエコシステムグループは、エコシステム山陽(岡山県)、エコシステム秋田(秋田県)にて、0.5mg/kgを超えの低濃度PCB廃棄物と、5,000mg/kg超え可燃性の低濃度PCB廃棄物の両方の無害化処理を行っています。

処理をご検討の際は、お声掛けください。


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上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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