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法規と条例

廃棄物処理法解説 はじめの一歩(その5)
~特別管理産業廃棄物の判定基準~

廃棄物処理法解説 はじめの一歩 シリーズ、その3では、特別管理産業廃棄物の定義について解説をしました。
その4では、特別管理産業廃棄物の定義の要件の1つである施設限定について解説しました。今回は「判定基準」について解説します。

【1】特定有害産業廃棄物

濃度に関する判定基準が規定されているのは、特別管理産業廃棄物のうちの特定有害産業廃棄物です。

その3 ~特別管理産業廃棄物の定義~ 特別管理産業廃棄物 一覧表 参照

特定有害産業廃棄物については、廃棄物処理法施行令第2条の4第5号に定義されています。具体例として、「廃油」を例として説明していきます。

【2】具体的にみてみましょう ~廃油~

廃棄物処理法施行令 第2条の4第5号ヌに廃油:「次に掲げる廃油及び当該廃油を処分するために処理したもの(環境省令で定める基準に適合しないものに限る。)」と書かれています。当該廃油を処分するために処理したものに係る基準は、施行規則に規定するということですので、次に施行規則を確認します。

廃棄物処理法施行規則第1条の2 第12項
令第2条の4第5号ヌの廃油を処分するために処理したものに係る環境省令で定める基準は、当該処理したものが、廃油の場合は廃溶剤(別表第2の9の項から18の項まで、22の項及び24の項の第1欄に掲げるものに限る。)ではないこととし、廃酸又は廃アルカリの場合は当該処理したものに含まれる別表第2の9の項から18の項まで、22の項及び24の項の第1欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第2欄に掲げるとおりとし、廃油、廃酸又は廃アルカリ以外の場合は当該処理したものに含まれる判定基準省令別表第6の9の項から18の項まで、22の項及び24の項の第2欄に掲げる物質ごとにそれぞれ当該各項の第3欄に掲げるとおりとする。

施行規則は、「廃油を処分するために処理したもの」に係る環境省令で定める基準は、という書き出しになっており、「廃油」についての濃度に関する基準はありません。
つまり、「廃油を処分するために処理したもの」に関しては、濃度基準がありますが、「廃油」についての濃度基準はないということになります。

なお、「廃油」とは、施行令において、12種類の溶剤と定義されていますので、特定有害廃棄物としての「廃油」=「12種類の廃溶剤」ということになります。

<廃棄物処理法施行規則第1条の2 第12項>

(※1)判定基準省令:金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令

【3】(参考)処分するために処理したものとは

廃棄物を処分した際に、発生した残渣などを指します。

【4】まとめ

廃油が特別管理産業廃棄物なのかを判定する流れを、フロー図にまとめました(「施行令で定める廃油(廃溶剤)を処分するために処理したもの」の考え方は前記のとおりです。)。

(※2)特別管理産業廃棄物の廃油に該当するかどうかについては、「引火点が70℃未満の燃焼しやすいもの」という指標があります。環境省の特別管理産業廃棄物の種類にも記載があります。「引火点が70℃未満の燃焼しやすいもの」に関しては、廃棄物処理法、施行令、施行規則に記載はなく、課長通知によって示さています。

厚生省環境整備課長通知(平成4年8月13日 衛環第233号)の第2 4(1)

特別管理産業廃棄物である「廃油(燃焼しにくいものとして厚生省令で定めるものを除く。)」とは、廃油のうち焼却を経なければ埋め立てることができないものを焼却処理の技術上の観点から定めることを意味するものであり、当該廃油に対する規制は、火災予防の観点から行われるものではないこと。なお、廃油に係る火災予防の観点からの規制は、従来どおり消防法により行われること。

消防法では、
揮発油類:危険物第4類引火性液体の第1石油類(1気圧下で引火点21度未満)
灯油類及び軽油類:第2石油類(1気圧下で引火点21度以上70度未満)
とされています。

(※3)燃焼しやすい廃油で特別管理産業廃棄物に該当し、さらに、溶剤の成分を含むため、特別有害産業廃棄物に該当する、という場合もあります。

<参考>
廃棄物処理法施行規則 別表第2(第1条の2関係)

第1欄 第2欄
9 トリクロロエチレン 試料1リットルにつきトリクロロエチレン1ミリグラム以下
10 テトラクロロエチレン 試料1リットルにつきテトラクロロエチレン1ミリグラム以下
11 ジクロロメタン 試料1リットルにつきジクロロメタン2ミリグラム以下
12 4塩化炭素 試料1リットルにつき4塩化炭素0.2ミリグラム以下
13 1,2−ジクロロエタン 試料1リットルにつき1,2−ジクロロエタン0.4ミリグラム以下
14 1,1−ジクロロエチレン 試料1リットルにつき1,1−ジクロロエチレン十ミリグラム以下
15 シス−1,2−ジクロロエチレン 試料1リットルにつきシス−1,2−ジクロロエチレン4ミリグラム以下
16 1,1,1−トリクロロエタン 試料1リットルにつき1,1,1−トリクロロエタン三十ミリグラム以下
17 1,1,2−トリクロロエタン 試料1リットルにつき1,1,2−トリクロロエタン0.6ミリグラム以下
18 1,三−ジクロロプロペン 試料1リットルにつき1,三−ジクロロプロペン0.2ミリグラム以下
22 ベンゼン 試料1リットルにつきベンゼン1ミリグラム以下
24 1,4−ジオキサン 試料1リットルにつき1,4−ジオキサン五ミリグラム以下

【関連リンク】
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則
金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令

東京都ホームページ
特別管理産業廃棄物の判定基準


上田 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室
上田 が担当しました

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