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DOWAエコジャーナル

2026.09.01 その他

DOWAエコシステムが9月に福岡で「[九州]次世代エネルギー展」に出展します

DOWAの取組

2026年9月30日(水)~10月1日(木)の2日間、DOWAエコシステムはマリンメッセ福岡 A・B館にて開催される「第1回[九州]次世代エネルギー展」に出展します。

同展は、本展は初開催ながら九州地区では最大級となる再生可能エネルギー・脱炭素に特化した専門展示会で、産官学連携による情報交換・商談を目的として開催されます。第3回[九州]半導体産業展が同時開催しており、九州における最新情報を入手できます。

> 詳細はこちら
> 来場登録フォーム|[九州]次世代エネルギー展

■DOWAエコシステム ブースについて

2025年8月に熊本県宇城市で竣工した「DOWAエコシステム 熊本事業所」で展開する事業と、将来的に拡大が見込まれる太陽光パネルリサイクル、バイオコークスについてご紹介します。
> 第1回[九州]次世代エネルギー展 出展社情報

■DOWAエコシステム 特別セミナーについて

10月1日(木) 10:45〜11:15
A3-6「使用済み太陽光パネルの再資源化について~金属資源を中心に~

皆様のご来場を心よりお待ちしております!

2026.09.01 カーボンニュートラル

廃棄物処理のCFP算定サービスを活用してみませんか? ~第三者妥当性確認を受けた一次データを用いるメリットとその活用例~

DOWAの取組カーボンニュートラル環境コンサル

GHG(温室効果ガス)排出量Scope3の開示への対応が進む中、多くの企業が頭を悩ませているのが廃棄物に関する排出量(Scope3,カテゴリー5)の算定です。
現在、多くの企業では日本平均の排出係数を利用して値を算定していますが、これは二次データの扱いとなるため、近年はサプライヤーから、より実態に即した一次データとして使用できる値を提供することに対して関心が高まっています。

当社では、廃棄物処理を依頼していただいたお客様向けに、第三者からの妥当性確認を受けたシステムを用いて、一次データとして使用できるCFP(※)を算定するサービスを提供しています。

本記事では、GHG排出量の報告において一次データを活用するメリットと活用事例をご紹介します。

※CFP(Carbon Footprint of Product;製品のカーボンフットプリント)とは、製品・サービスの原材料調達から廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通したGHG排出量を、CO2排出量として換算した値のこと。

> 脱炭素社会の歩き方 ~CFPについて

1. DOWAエコシステムの廃棄物処理におけるCFP算定サービスの特徴

以下の点において、当社の提供するサービスは廃棄物処理業界初となります。(2026年8月時点/当社調べ)

  • 実際の処理実績に基づき一次データとして使用可能なCFP算定
  • 算定の仕組みについて第三者妥当性確認を取得(※)

※当社の廃棄物処理CFP算定サービスは、国際的な認証機関であるインターテック・サーティフィケーション株式会社より計算システムの妥当性確認を取得しています。

2. なぜ一次データ・二次データを気にする必要があるのか

従来のScope3,カテゴリー5の算定では、環境省が公表する排出係数などを用いて算出した『二次データ』の利用が一般的でしたが、SSBJ基準(※)では一次データがある場合には二次データより優先しなければならないことが定められています(SSBJハンドブック:スコープ3温室効果ガス排出の測定にあたって1次データ及び2次データがいずれも利用可能な場合)。

また、実際のGHG排出量は、「処理方法の違い」「輸送距離」「エネルギー回収の有無」「地域差」などによって大きく変わりますが、それらの条件を反映できないため、二次データは実際の排出量とかけ離れている可能性があります。

※SSBJはサステナビリティ基準委員会の略。SSBJ基準は日本におけるサステナビリティ情報開示の枠組みとして策定された。SSBJ基準はプライム上場企業への適用が想定されており、段階的な義務化が行われる計画となっている。

3. 一次データを活用するメリット

①ステークホルダーへの説明力が高まる

近年、顧客や投資家などからはGHG排出量を報告することのみならず、その算定根拠の説明を求められるケースが増えています。第三者妥当性確認を受けた算定システムを使用したサプライヤーから提供された一次データであれば、「データの信頼性はあるか」「どのような根拠で算定したのか」を客観的に説明できます。これはサステナビリティ情報を開示する上での信頼性向上にもつながります。

②実態に即した排出量を把握できる

当社が提供するデータは、お客様の実際の処理工程に基づき、各工程におけるGHG排出量を明示できるため、排出量の解析に役立ちます。

③算定業務を効率化できる

お客様自身で排出量を推計する手間をかけることなく、Scope3カテゴリー5の算定に活用できるデータを効率的に取得できます。

4. 想定活用事例

活用例①:SSBJ基準対応を見据えた対応

先に言及した通り、SSBJ基準はプライム上場企業への段階的な適用が計画されています。その中で一次データがある場合には二次データより優先しなければならないことが定められています。

当社のCFP算定サービスを利用することで、Scope3,カテゴリー5についてSSBJ基準の中でより優先順位の高い対応が可能になります。

活用例②:顧客からの開示要請への対応強化

海外顧客との取引が多い企業では、Scope3の算定根拠や廃棄物処理の実態について説明を求められる機会が増えてきています。平均の排出係数を用いて算定した数値では、「なぜその排出量になるのか」を十分に説明することが難しく、サステナビリティ担当者の負担となるケースがあります。

当社の算定サービスでScope3,カテゴリー5の算定根拠を明確化することにより、実際の廃棄物処理実績に基づくデータを用いて顧客や監査対応時の説明ができるようになります。また、顧客からの質問に対しても、「サプライヤーからの一次データを使用している」という説明ができます。

活用例③:GHG排出量の削減に向けた解析

GHG排出量の算定において、平均の排出係数を用いた計算では
・排出量がどの工程で発生しているのか
・どの廃棄物が排出量増加の要因なのか
が分からず、具体的な排出削減活動につなげることができていませんでした。

当社の算定サービスでは、「運搬」「処理」「処理に係る副資材」「最終処分」など工程ごとの排出量を可視化しており、廃棄物の運搬距離や処理の内容、廃棄物の性状などの要因ごとのGHG排出量を分析できます。
それによって、どの廃棄物のどの工程でのGHG排出量が大きく、また削減する余地があるのかを解析することができます。その解析結果を「どこを改善すれば最も効率的にGHG排出量を削減できるか」という削減戦略の立案に活用することができます。

算定報告書の例(一部抜粋)

5. まとめ

GHG排出量Scope3開示が進む中、今後は「算定していること」ではなく、「どれだけ実態を反映し、信頼性のある数字を算定しているか」が重要になります。特にサーキュラーエコノミーや脱炭素経営に取り組む企業にとっては、一次データの活用が競争力向上につながる重要な取り組みとなります。

当社では、適正処理やリサイクルに加え、実態に基づく環境情報の提供を通じて、お客様の情報開示や脱炭素経営も支援します。廃棄物処理・リサイクルをご検討の際は、ぜひDOWAをご用命ください。

> DOWAエコシステム|業界初、顧客向けScope3(カテゴリ5/廃棄物処理)における信頼性の高い一次データを提供 ~廃棄物処理プロセスのカーボンフットプリント算定システムを開発~

お問い合わせはこちら

サステナブルマテリアル展に出展

DOWAグループは「サステナブルマテリアル展」に出展します。会場では、CFP算定サービスをはじめとするさまざまな資源循環の取り組みをご紹介します。
下記リンクから来場登録いただくと、通常有料の来場登録を無料でお申し込みいただけます。ぜひご来場ください。

【会期】
2026年9月30日(水)~10月2日(金)
【会場】
幕張メッセ
【主催】
RX Japan合同会社

展示会来場登録はこちら
> 入場用バッジ登録フォーム

峯川 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室 峯川 が担当しました

2026.09.01 サーキュラーエコノミー

循環経済行動計画とは?策定の背景と企業の役割を解説

リサイクル

2026年4月21日、政府の「循環経済に関する関係閣僚会議」において「循環経済行動計画」が取りまとめられました。
近年、「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への関心が高まっています。資源を有効に活用しながら持続可能な社会の実現を目指す考え方として、国内外でさまざまな取り組みが進められています。

今回策定された循環経済行動計画は、日本全体で循環経済への移行を進めるための方向性を示した方向性を示したアクションプラン(行動計画)です。この記事では、循環経済行動計画を策定した背景と、企業が押さえておきたいポイントを解説します。

循環経済行動計画とは

循環経済とは、資源を一度使って終わりではなく、製品や素材をできるだけ長く使い、使用後も回収・再資源化して再び活用する考え方です。

資源の有効活用と環境負荷の低減、さらに産業競争力の強化を同時に目指す取り組みとして、国内外で注目が高まっています。

本計画では、再生資源の供給体制を強化することや、日本をハブとした国際的な資源循環ネットワークの構築、地域資源の活用などが掲げられています。循環経済は、環境対策だけでなく、企業の資源確保や事業継続にも関わる重要なテーマです。

循環経済行動計画が策定された背景

脱炭素化の進展に伴い、蓄電池やモーター、半導体などの製造に不可欠な鉱物資源の需要は今後さらに拡大すると見込まれています。また、地政学リスクの高まりを背景に、資源やエネルギーの安定確保の重要性も改めて認識されています。
こうしたなか、世界では天然資源だけでなく、再生資源をめぐる獲得競争も激しくなっており、重要鉱物や金属資源、再生資源の確保は、各国の産業政策や経済安全保障とも結びつくテーマです。

日本は石油や金属など、多くの資源を海外からの輸入に依存しています。一方で、国内で発生するリサイクル可能な資源の一部は、海外へ輸出や、焼却、埋立されており、国内で十分に活用しきれていないという課題があります。
こうした状況を踏まえ、一次資源である天然資源に頼るだけではなく、二次資源である再生資源を国内外で確保し、安定的に活用できる仕組みづくりを推進するために策定されました。

世界の取り組み

再生資源の確保に向けた取り組みは、日本だけでなく世界各国で進められています。各国の政策動向を見ていきましょう。

EUの取り組み

EUでは、循環経済に関する制度整備が先行して進んでいます。廃電子機器などの域外輸出規制の強化や、バッテリーの回収義務、製造時の再生材利用に関するルールづくりなどが行われています。
製品設計の段階から耐久性や修理のしやすさ、再利用・再資源化のしやすさを考慮する動きも他地域に先駆けて広がっています。

こうしたEUの取り組みは、製品をつくる企業にとって、環境対応の面だけでなく、グローバル市場での競争力の面でも大きな影響を及ぼします。

> あわせて読みたい:環境分野の情報管理 その2 デジタル製品パスポート(DPP) ~EUが推進する「製品の一生を見える化」する仕組み~

中国の取り組み

中国では、重要鉱物に対する輸出管理の強化や、国内の資源リサイクル体制の整備が進められています。2024年には、官民が出資する中国資源循環集団が設立されるなど、国として資源循環を強化する動きが見られます。

本計画では、資源を海外に依存する日本にとって、こうした動きは調達リスクの高まりに影響するとされています。今後は、必要な資源を安定的に確保するためにも、国内で発生する使用済み製品やスクラップなどを、いかに資源として循環させるかが重要になるでしょう。

アメリカの取り組み

アメリカでも、国内で発生する再生資源の活用に向けた動きが進んでいます。国内発生の高品質銅スクラップの一部について、2027年から国内販売を義務付ける動きや、レアメタルのリサイクルを行う企業への金融支援を行っています。

各国が再生資源を国内で確保しようとする中、日本にとっても、国内外の資源循環ネットワークをどのように構築するかが重要な課題です。

資源循環における日本の課題

日本は多くの資源を輸入に頼っているため、国際情勢や各国の輸出規制の影響を受けやすいと言えます。特に、電動車、半導体、データセンター、再生可能エネルギー関連設備などに使われる金属資源は、今後も需要の増加が見込まれています。

その一方で、日本国内では、再生材を質・量・コストの面で安定的に調達できるサプライチェーンが十分に確立されていないことが課題視されています。動脈産業である製造業と、静脈産業である資源循環産業との連携が十分に進んでいないことも、再生資源の活用を難しくしている要因のひとつです。

資源輸入への依存

日本は、石油や金属資源をはじめ、多くの資源を海外からの輸入に依存しています。特に主要レアメタルのリチウム、コバルト、ニッケルなどの重要鉱物は、電動車や蓄電池、電子部品などに欠かせない資源であり、安定的な確保が重要です。

2024年の輸入先を見ると、リチウムは中国(68%)、コバルトはフィンランド(43%)、ニッケルはオーストラリア(58%)が最大の供給国となっています。

参考:経済産業省資源エネルギー庁

資源の安定確保には海外からの調達だけでなく、使用済み製品から資源を回収・再資源化し、再び供給につなげる循環型のサプライチェーン構築が不可欠です。

国内資源が十分に活用されていない

国内で発生する鉄スクラップ、アルミスクラップ、銅スクラップ、プラスチックなどの再生資源の一部は、国内で十分に活用されず、海外輸出や焼却、埋立に回っています。経済産業省の資料では、鉄スクラップ771万トン、アルミスクラップ44万トン、銅スクラップ42万トン、プラスチック約126万トンが海外に輸出されていることが示されています。

参考:内閣官房 循環経済行動計画(概要)

背景には、再生材を安定的に供給するためのサプライチェーンが十分に整っていないことや、再生材の需要・市場がまだ形成されていないこと、リサイクル技術やインフラに課題があることなどが挙げられています。

循環経済行動計画の狙い

循環経済行動計画の大きな狙いは、国内外の再生資源を安定的に確保し、日本の産業競争力や経済安全保障につなげることにあります。これまで資源循環は主に環境保全の観点から推進されてきましたが、近年は産業競争力の強化に加え、資源の安定確保を通じた経済安全保障の観点からも重要性が高まっています。本計画では、重要鉱物や金属資源などのリサイクルや再生材の活用を重要な施策として位置付けています。

また、国内で発生するリサイクル可能な資源の海外流出や焼却・埋立を抑え、資源として国内で活用できる仕組みを整えることも重要な方向性として示されています。
こうした考え方を実現するため、計画では5つの柱が掲げられています。

循環経済行動計画の主な施策

循環経済行動計画では、以下の5つの柱が掲げられています。

  • 再生資源供給サプライチェーンの強靱化
  • 日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築
  • 地域循環資源の徹底活用による地域活性化
  • 資源循環分野の国際ルール形成
  • 循環経済の国民運動化

企業への影響が大きいと考えられるポイントを解説していきます。

再生資源供給サプライチェーンの強靱化

最も大きな柱のひとつが、重要鉱物や金属資源などの再生資源を安定的に供給するためのサプライチェーンづくりです。そのため、メタルリサイクルの推進が強化されています。
循環経済行動計画では、鉄、アルミ、銅、永久磁石などについて、2030年に向けた目標が示されました。

これらの施策は、単にリサイクル量を増やすことだけを目的としているのではありません。製造業が必要とする品質の再生材を安定的に供給し、国内産業の競争力を支えることが狙いです。

参考:内閣官房 循環経済行動計画(概要)

2030年の目指す姿:

鉄スクラップを高品位化する処理能力約200万トン/年を目安とし、追加的に国内で確保脱炭素化に向けた電炉の活用が進む中、高品質な鋼材を生産するために、高品位鉄スクラップの確保が重要とされています。
そのためには、低品位のスクラップを選別し、高品位化する技術や設備が必要になります。また、不適正スクラップヤード対策や不適正輸出への対応も重要な施策として位置付けられています。

> あわせて読みたい:廃棄物処理法の改正案を解説! ~スクラップヤードへの許可制導入と排出事業者への影響~

アルミ

2030年の目指す姿:再生アルミ原料の使用が一般に難しいとされるアルミ展伸材について国内生産量の約4割を目安として再生アルミ原料由来とする

アルミは、自動車や建材など幅広い分野で使われる素材です。日本は原料となる新地金(天然資源から作られるアルミニウム地金)を海外からの輸入に100%依存しているため、輸入への依存度を下げるうえで再生アルミ原料の活用が重要です。

目指す姿の実現のため、再生アルミ原料の選別・不純物除去技術や、再生アルミ原料を活用した製品製造技術の開発推進と、その実用化に向けた設備投資やリサイクル体制の整備が施策として挙げられています。

2030年の目指す姿:2030年時点で、国内で生産される銅(電解銅)の約3割を、e-scrapや銅スクラップ等の再生資源由来とする

純度の高い銅は、電気自動車、AI関連分野、データセンターなどで需要の増加が見込まれる重要な素材です。日本は原料となる銅精鉱を海外からの輸入に依存しており、e-scrapや銅スクラップなどの再生資源を活用する基盤づくりが急務です。

永久磁石

2030年の目指す姿:国内で供給される永久磁石の原材料の約3割をリサイクルによって賄う

電動車の普及等に伴い、レアアースを用いた永久磁石の世界需要の増加が見込まれ、生産能力確保が課題です。

こうした状況を受け、同志国との国際的な磁石リサイクルネットワークの構築や、使用済磁石の回収・解体・選別・分離精製に関する技術開発、実証・検証を推進することとしています。さらに、設備投資やリサイクル体制の整備を進めることで、リサイクル由来の原料供給拡大を目指しています。

> あわせて読みたい:レアアースとは何か? ~私たちの暮らしを支える「産業のビタミン」~

DOWAグループは、独自の技術と複数の製錬所のネットワークによって20種類以上の金属を回収できる技術力と、正確で迅速な分析・評価を強みに、グローバルにE-scrapを集め、各種金属に再生して、資源を循環させています。

再資源化拠点等の構築・ネットワーク形成

再生資源を安定的に供給するためには、回収、保管、解体、選別、再資源化、製錬などを担う拠点やネットワークの整備が欠かせません。

日本の資源循環産業は、地域ごとに小規模分散している面があり、設備投資や事業規模の拡大が進みにくいという課題があります。こうした状況を踏まえ、本計画では再資源化拠点等の構築・ネットワーク形成に向け、2030年までに官民で約1兆円の投資を目指す方針が示されています。

その中で、廃棄物の回収や選別、再資源化を担う静脈産業は重要な役割を果たします。DOWAエコシステムも、資源循環を支えるインフラの担い手として、持続可能な資源供給体制の構築に貢献していきます。

日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築

国内資源の活用に加えて、国際的な資源循環ネットワークの構築も重要な施策です。本計画では、日本の製錬技術やリサイクルに関する知見を生かし、同志国やASEAN諸国などと連携しながら、資源循環ネットワークを構築する方向性が示されています。

特に、e-scrap、廃バッテリー、廃自動車などに含まれる金属資源を適正に回収・リサイクルする仕組みづくりは、経済安全保障の観点からも重要です。資源循環ネットワークの確立・構築等に向けて取り組みを進めることになっています。

また、バーゼル条約に基づく輸出入手続きの円滑化も施策のひとつとして掲げられています。バーゼル条約とは、有害廃棄物の越境移動や処分を規制し、不適正な輸出や環境汚染を防止するための国際条約です。

今回課題視された点は、再生資源の輸出入にあたって事前通告や同意取得などの手続きが必要となり、案件によっては数カ月を要することもあることです。本計画では、こうした手続きの効率化を進めることで所要期間をおおむね1カ月程度まで短縮し、適正な国際資源循環を促進することが期待されています。

循環経済を国民運動に

循環経済を進めるためには、企業だけでなく、自治体や消費者を含めた幅広い主体の参加が必要です。本計画では、循環経済パートナーシップ(J4CE)や資源循環自治体フォーラムなどを通じて、情報共有や対話の場を広げる方針が示されています。

特に重要なのが、製品を製造・販売する企業(動脈産業と、使用済み製品や廃棄物の回収・リサイクルを担う企業(静脈産業)の連携強化です。資源循環自治体フォーラムでは、国の政策や先進自治体の事例を共有するとともに、自治体と企業の意見交換を通じて、製品の設計から回収、再利用、再資源化までを一体で考える仕組みづくりを後押しします。

再生資源の利用拡大や安定供給を実現するためには、製造業、自治体、リサイクル事業者が連携し、資源を循環させる仕組みを構築することが欠かせません。本計画では、製造業、自治体、リサイクル事業者の協力を促進し、循環経済を社会全体へ広げていくことを目指しています。

循環経済行動計画において企業に求められること

ここまで、循環経済行動計画の背景や主な施策を見てきました。では、企業にはどのような対応が求められるのでしょうか。
企業にとっては、資源循環を環境面だけでなく、事業基盤の強化につながるテーマとして捉えることが重要です。

動脈産業・静脈産業の連携を強化する

循環経済の実現には、製品を製造、販売する動脈産業と、使用済み製品や廃棄物を回収、処理、再資源化する静脈企業の連携が欠かせません。

今回の計画でも、製造業と資源循環産業の連携による産業競争力強化が重要な施策として示されています。再生材を安定的に活用するためには、回収や選別、再資源化の仕組みだけでなく、製造側が求める品質や量、コストに応えられるサプライチェーンを整える必要があります。

企業には、自社だけで完結する取り組みではなく、取引先、リサイクル事業者、自治体などと連携し、資源が循環する仕組みをつくる視点が求められます。

DOWAグループと株式会社村田製作所でリサイクル金属を確保・活用する資源循環スキームを構築

DOWAグループでは、村田製作所と連携し、工程廃棄物からリサイクル金属を回収し、再び製品として活用する資源循環スキームを構築しています。資源循環による環境負荷低減と資源確保を両立した事例として注目されています。ぜひ以下の記事もあわせてご覧ください。

事例紹介:株式会社村田製作所からサプライヤー表彰を受賞 ~2社間でリサイクル金属を確保・活用する資源循環スキームを共同で構築~

再生資源の活用を検討する

世界的に、企業が再生材を活用する動きは広がっています。内閣官房が取りまとめた「循環経済行動計画」の概要資料でも、グローバル企業において、ブランド価値向上の観点から再生材を利用する動きが加速しているという方向性が示されています。

今後、再生資源の活用は、環境配慮の取り組みとしてだけでなく、サプライチェーン上の要請や製品価値を高める要素として重要性を増していくと考えられます。

一方で、再生材を安定的に使用するためには、品質、供給量、コスト、トレーサビリティなどの確認が必要です。企業には、自社製品や調達方針の中で、どのように再生資源を活用できるかを検討することが求められます。

資源循環を新たな事業機会として捉える

循環経済行動計画では、資源循環を環境対策にとどめず、産業競争力の強化や地域活性化につなげる方針が示されています。
今後は、再生資源の利用拡大、回収スキームの構築、地域内での資源循環モデルの形成などを通じて、さまざまな業種で新たな協業の機会が生まれる可能性があります。
企業には、規制対応として受け身で取り組むだけでなく、自社の事業成長やサプライチェーン強化につながるテーマとして、資源循環を検討する視点が重要になるでしょう。

事例紹介①:金属リサイクル分野における戦略的パートナーシップ契約締結
事例紹介②:クラレとDOWAエコシステム、活性炭再生による資源循環事業の共同検討を開始

廃棄物を資源へ。循環の仕組みづくりが競争力に

循環経済行動計画では、再生資源の利用拡大や資源循環ビジネスの創出に加え、動脈産業と静脈産業の連携強化が重要なテーマとして位置付けられています。

資源制約や脱炭素への対応が求められるなか、使用済み製品や製造工程から発生する副産物を資源として循環させることは、安定的な資源確保やサプライチェーンの強靱化にもつながります。今後は、資源循環への取り組みそのものが、企業の競争力を左右する要素のひとつになっていくでしょう。

DOWAエコシステムは、使用済み電子機器や自動車、製造工程から発生する副産物、廃棄物など、多様な資源の回収・再資源化に取り組んでいます。今後も培ってきたリサイクル技術とネットワークを生かしながら、企業や自治体との連携を通じて資源循環の仕組みづくりを進め、循環型社会の実現に貢献していきます。

資源循環やリサイクルに関するお悩みは、DOWAエコシステムへご相談ください。

お問い合わせはこちら

田岡 この記事は
DOWAエコシステム 企画室 田岡 が担当しました

2026.09.01 廃棄物管理

【ご家庭向け】リチウムイオン電池の正しい捨て方

リサイクル廃棄物処理

モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、ハンディーファンなど、私たちの身近な製品にはリチウムイオン電池が使われています。

普通のアルカリ乾電池などと比べてリチウムイオン電池は電気を蓄えている量が多く、充電すれば何度でも使えるため便利な電池ですが、何度も繰り返し使っていると蓄えられる電気の量が減ってきたり、場合によっては膨らんできたりしていずれ交換(廃棄)時期が訪れます。

でも、いざ捨てるとなった場合、正しい捨て方をご存じでしょうか?
リチウムイオン電池の捨て方に関する案内は以外に少なく、ご存じない方もいらっしゃるのではないかと思います。

この記事ではリチウムイオン電池、またはそれを内蔵する機器を捨てる際はどのようにすればよいか、ステップを踏んで解説します。

1. リチウムイオン電池を捨てる際の手順

リチウムイオン電池を捨てる際は以下の各事項を確認してください。

  1. ① 捨てようとしているものがリチウムイオン電池、またはリチウムイオン電池を内蔵する製品か確認する
  2. ② 電池が使い切られていることを確認する
  3. ③ 自治体ごとに指定されている捨て方を確認する

燃えるごみなどに混ぜて捨てるのは絶対にやめてください!

以下にそれぞれ詳細を解説します。

① 捨てようとしているものがリチウムイオン電池、またはリチウムイオン電池を内蔵する製品か確認する

まずは捨てようとしているものが、本当にリチウムイオン電池かどうかを確認しましょう。
リチウムイオン電池には図1のようなPSEマークやリサイクルマークが描かれていることが多く、これが判別の目安になります。

(出典) 総務省消防庁 リチウムイオン電池総合対策ポータル本部

家電の中に内蔵されている電池は直接中身を確認することが難しいかもしれません。その場合は無理に分解したりはせず、その家電の取り扱い説明書を確認してみましょう。

「乾電池で無いものはだいたいリチウムイオン電池でしょ?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実は世の中には乾電池とほぼ同じ見た目のリチウムイオン電池も販売されており注意が必要です。
また、乾電池以外の充電式の電池にはニッケル水素電池もあり、これとも分けて捨てる必要があります。

(出典) リチウムイオン電池総合対策関係省庁連絡会議リチウムイオン電池総合対策パッケージ(個別施策集)

② 電池が使い切られていることを確認する

次に、捨てようとするリチウムイオン電池に電気が残っていないか確認します。まだ電気が残っている場合は必ず使い切ってください。
でも、電池が膨らんでいたり、電池が内蔵されている製品そのものが壊れていたりして電気を使い切れない場合もあると思います。その場合は無理に使用したり、壊したり分解しようとしたりしないでください。そのまま③のステップに進んでください。

③ 自治体ごとに指定されている捨て方を確認する

まず、リチウムイオン電池を燃えるごみやプラスチックごみなどと一緒に捨てるのは絶対にやめてください。
それらのごみにリチウムイオン電池が混入した場合、ごみ収集車やごみ処理場で火災が発生することがあり、非常に大きな問題に発展してしまいます。

> 火災事故について | リチウムイオン電池総合対策ポータル本部 | 総務省消防庁

捨て方はお住まいの市町村ごとに異なるので、自治体ホームページなどを確認しましょう。「〇〇市 リチウムイオン電池 捨て方」等で検索すると、捨て方が書かれているページがヒットするかと思います。

また、メーカーや販売店で回収している場合もあります。お住いの近くで、「小型充電式電池リサイクルBOX」が設置されている場所が無いか探してみましょう。場所は下のリンクのページから検索できます。

> 一般社団法人JBRC 「協力店・協力自治体」検索

「小型充電式電池リサイクルBOX」は一般社団法人JBRCが設置しており、皆さんからの使用済みリチウムイオン電池の回収に取り組んでいます。(一部回収の対象外となるものがあります。)

2. なぜ他のごみに混ぜて捨ててはいけないのか?

捨て方で解説した通り、リチウムイオン電池は絶対に燃えるごみやプラスチックごみなどと一緒に捨ててはいけません。理由はそうやって捨てられたリチウムイオン電池が火災を引き起こすからで、全国で年間2万件以上の火災事故がリチウムイオン電池の廃棄時に発生しています。

(出典) 総務省消防庁 リチウムイオン電池総合対策ポータル本部

リチウムイオン電池の廃棄が原因とされる火災事故の中にはごみ収集車が一台丸々燃えてしまったり、地域のごみ処理工場が火災で長い時間操業停止する例も発生しています。
例えば、ワイヤレスイヤホンなどはとても小さなものなので、「燃えるごみと混ぜて捨てても大丈夫だろう」と思う方もいるかもしれません。しかし、小さなものでも火災を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

(出典) 環境省 リチウムイオン電池の適正処理の現状

3. 困った時は

総務省消防庁では、「リチウムイオン電池総合対策ポータル本部」を公開しています。
リチウムイオンバッテリーの特徴や火災事例、正しい使い方から廃棄方法まで分かりやすく掲載されています。(この記事もこちらのホームページを参考にしています)

> 総務省消防庁 リチウムイオン電池総合対策ポータル本部

4. DOWAエコシステムとリチウムイオン電池の処理とのかかわり

DOWAエコシステムは先に紹介した一般社団法人JBRCが集めたリチウムイオン電池の一部を受け入れ、処理しています。DOWAの処理は破砕などの物理破壊を伴わないため、火災が起こるリスクが非常に低く、リチウムイオン電池の安全な処理に寄与しています。

またDOWAでは処理と同時に、リチウムイオン電池からの金属資源の回収にも取り組んでいます。リチウムイオン電池にはニッケル、コバルト、リチウムなどが含まれており、そのような金属を回収しながら、より高度な回収を目指し技術開発を進めています。

> 使用済みリチウムイオンバッテリーからのニッケル・コバルト硫酸塩の回収プロセスを開発 | ニュース&トピックス | DOWAホールディングス

あらゆる資源が、あたりまえに循環する社会を目指し、新しい循環の環を探求し形成していきます。

※当社ではリチウムイオン電池の一般家庭からの直接の受け入れは行っておりません。ご家庭のリチウムイオン電池廃棄に関するご質問等はお住まいの自治体等にお問合せください。

峯川 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室 峯川 が担当しました

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2026.09.01 その他

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【藤乃煌 富士御殿場】

富士山からの涼風が気持ちの良い本格的なアウトドアシーズンが到来します。今回は一番人気のBBQプランをご案内。キャンプ初心者でも富士山の絶景と満天の星空の下でお手軽に豪華BBQをお楽しみいただけます。御殿場プレミアム・アウトレットでお買い物を楽しむもよし、車で30分ほど足を延ばして箱根観光に赴くもよし。新宿からの直行バスなど交通も便利な御殿場で、グランピングを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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  • 藤田観光 ホームページ
  • 藤田観光とDOWAは同じ創業者に源を発します。
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2026.09.01 ホワイトペーパー

ケース別にかんたん解説!低濃度PCB廃棄物対応ガイド ~引き取りから処理完了までの流れ~

ケース別にかんたん解説!低濃度PCB廃棄物対応ガイド ~引き取りから処理完了までの流れ~
低濃度PCB廃棄物は、2027年3月31日の処分期限を控えており、早めの確認・対応が求められています。しかし、変圧器やコンデンサだけでなく、塗 膜くずや汚染物など対象となるケースは多岐にわたり、判断するのが難しい場合もあります。本資料では、低濃度PCBの基礎知識から、ケース別の確認ポイント、処理完了までの流れ、よくあるご質問までを分かりやすく解説しています。
2026.09.01 メールマガジン

DOWAエコジャーナル ネイチャーポジティブからリチウムイオン電池まで最新情報をお届け

DOWAエコジャーナル ネイチャーポジティブからリチウムイオン電池まで最新情報をお届け

いつもお世話になっております。DOWAエコジャーナル 編集部です。
月に1回、資源循環に役立つ情報をニュースレターでご案内しております。

このたびの熊本県を震源とする地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
皆さまの安全と、一日も早い日常の回復をお祈り申し上げます。

|TOPICS

  • ニュース サーキュラーエコノミー・脱炭素技術が集結!
    DOWAグループが9月にサステナブルマテリアル展に出展します
  • お役立ち情報 リチウムイオン電池の安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりに向けて
  • 新着記事 ネイチャーポジティブ(自然再興)とは?
  • 新着記事 再資源化事業等高度化法の「報告・公表制度」のポイント
  • 新着記事 秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました②
  • ほっとひと息 家族と、友人と、夏の思い出を

|ニュース  サーキュラーエコノミー・脱炭素技術が集結!
 DOWAグループが9月にサステナブルマテリアル展に出展します

2026年9月30日(水)~10月2日(金)の3日間、幕張メッセで開催される展示会に出展します。
CFP算定サービスやリチウムイオン電池リサイクル、バイオコークス、
DOWAの資源循環の取組み、レアアース回収・資源化について紹介いたします。
本記事からお申し込みいただくと、通常有料の来場登録が無料になります。
ぜひこの機会にご来場ください!

|お役立ち情報  リチウムイオン電池の安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりに向けて
リチウムイオン電池の火災対策として重要な回収・処理体制の構築について、環境省通知や回収試験の事例をもとに解説しています。
ダウンロードの際はフォーム入力へのご協力をお願いいたします。

|新着記事  ネイチャーポジティブ(自然再興)とは?
近年、「ネイチャーポジティブ」という言葉が注目されています。
生物多様性の損失を止め、回復に向かわせることを目指す国際的な考え方であり、企業にも情報開示や自然資本への対応が求められるようになっています。
本記事では、ネイチャーポジティブの基本的な考え方から、国際動向や国内制度の最新動向までわかりやすく解説します。

|新着記事  再資源化事業等高度化法の「報告・公表制度」のポイント
再資源化事業等高度化法に基づく「報告・公表制度」が始まり、再資源化の実績が一定の形式で公表されるようになりました。
対象事業者は報告義務への対応だけでなく、再資源化の取り組みをどのように整理・発信していくかも重要になります。
制度の概要や対象事業者の要件、報告に向けて押さえておきたい実務上のポイントを紹介します。

|新着記事  秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました②
 ~リチウムイオン電池の種類、性状、電池の混入状況などを把握し、安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりへ貢献~

先月、紹介したリチウムイオン電池の回収試験の後編です。
回収した電池について、電池の種類や膨張有無などを解析しました。
解析結果と併せて自治体による回収体制整備のポイントを紹介します。
回収試験の実施概要や調査内容は、前編の①の記事でご紹介しています。

|ほっとひと息  家族と、友人と、夏の思い出を
・日伊国交樹立160周年記念フェア「Italia in Festa 2026」
・THE FUJITA MEMBERS会員限定リニューアル記念プラン
・期間限定【特製ローストビーフ付】料理長おすすめハーフビュッフェ和会席

今月もDOWAエコジャーナルをお読みいただきありがとうございます!
環境対策や廃棄物処理、リサイクルに関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

2026.08.03 その他

サーキュラーエコノミー・脱炭素技術が集結!DOWAグループが9月にサステナブルマテリアル展に出展します

DOWAの取組

2026年9月30日(水)~10月2日(金)の3日間、DOWAグループは幕張メッセで開催される「第6回 サステナブルマテリアル展」に出展します。

同展は、サーキュラーエコノミーや脱炭素社会の実現に向けた製品・技術が集まる専門展示会です。リサイクル材料や材料加工技術、長寿命化や軽量化素材など、持続可能な材料開発・調達に関する最新技術をご覧いただけます。

DOWAグループとして展示会に出展するのはHD制移行後初の取組みであり、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理のDOWAを構成する5つのコア事業の製品やサービスを幅広く展示します。

環境・リサイクル事業を展開するDOWAエコシステムからは、CFP算定サービスやリチウムイオン電池リサイクル、バイオコークス、DOWAの資源循環の取組み、レアアース回収・資源化についての展示を行います。

その他にもDOWAグループのブース内では、DOWAメタルマインの製錬技術や亜鉛・PGMリサイクル、DOWAエレクトロニクスの機能材料や電子材料、DOWAメタルテックの銅製品や金メッキ加工、DOWAサーモテックのプラントエンジニアリング事業、熱処理の紹介など、様々な分野から循環のクオリティを追求した製品・サービスの紹介を行います。

今回、こちらの記事から来場登録をしていただくと、通常有料となる来場登録を無料でお申し込みいただけます。ぜひこの機会にご来場ください。

【会期】
2026年9月30日(水)~10月2日(金)
【会場】
幕張メッセ
【主催】
RX Japan合同会社

展示会来場登録はこちら
> 入場用バッジ登録フォーム

また、下記リンクから展示会チラシをダウンロードし会場に持参いただくと、会場内で利用できる500円分のランチ引換券もご利用いただけます。

> 展示会チラシPDF

皆様のご来場を心よりお待ちしております!

2026.08.03 サーキュラーエコノミー 法律

再資源化事業等高度化法の「報告・公表制度」のポイント

リサイクル廃棄物処理

再資源化事業等高度化法に基づく再資源化状況の「報告・公表制度」は、2026年6月末に初回の報告期限を迎えました。本制度では、静脈産業における再資源化の状況が一定の形式で把握・公表されます。今回は本制度の制度概要、および報告に向けたポイントについて解説します。

■制度概要

本制度の対象となるのは、産業廃棄物の処分を「業」として行う事業者のうち、年間の処分量が1万トン以上、または廃プラスチック類の処分量が1,500トン以上の事業者です。これらの対象事業者(特定産業廃棄物処分業者)は、廃棄物の種類および処分方法ごとの処分量、ならびに再資源化を実施した数量について報告を行う必要があります。

(出典)報告・公表制度の手引き「表1 特定産業廃棄物処分業者の対象要件」(P.4)

特定産業廃棄物処分業者に該当するか否かについては、具体的な判定フローチャートが報告・公表制度の手引きに示されております。

(出典)報告・公表制度の手引き「図1 特定産業廃棄物処分業者の該当性判断フローチャート」(P.5)

報告は、廃棄物の種類(例:汚泥、廃プラスチック等)と処分方法(例:焼却、破砕等)の組み合わせごとに整理して行うことが求められており、廃棄物の種類や処分方法ごとの内訳が把握できる形で報告することが求められています。

本制度では、廃棄物の種類および処分方法ごとの処分量と、再資源化を実施した数量が法令上の義務項目として求められています。任意項目としては、再生材の種類や二次委託の状況、企業全体としての温室効果ガス排出量や熱回収量などの項目が設けられています。

(出典)報告・公表制度の手引き「図4 報告様式 別紙第1表」(P.20)

また、数値では表現しきれない処理内容や取り組みの補足を行うため、各廃棄物の種類や処理方法ごとの報告項目には自由記述欄が設けられており、企業全体としての報告欄には付記欄が設けられています。

提出された報告内容は原則として公表され、外部から閲覧可能な情報となります。ただし、事業者の権利や競争上の利益を害するおそれがある場合には、一部の情報について非公開とされることがあります。

(出典)報告・公表システムHP「再資源化の実施の状況の閲覧

■報告に向けた実務のポイント

報告は、環境省が指定する報告・公表システムを通じて行う方法のほか、電子メール又は郵送による書面での提出も認められています(手引き第3章参照)。

報告・公表システムを利用する場合には、ログインにあたり「さんぱいくん」のIDが必要となります。IDを保有している場合には、当該IDを用いて報告・公表システムにログインすることとなります。

IDを保有していない場合には、新たに利用申請を行います。申請手続については、案内ページのリンク「さんぱいくんIDをお持ちでない方はこちら」を参照ください。

制度への対応にあたっては、手引きおよびシステム利用マニュアルの内容を踏まえて準備を進める必要がありますが、あらかじめ確認しておくべきポイントを整理しておくことで、円滑に報告作業を進めることが可能となります。
手引きシステム利用マニュアルのリンク「報告・公表システム利用マニュアル」参照)

実務上は、各事業所ごとの廃棄物の処分実績を整理し、「廃棄物の種類」および「処分方法」ごとにあらかじめ整理しておくことで、システム入力を円滑に進めることが可能となります。

報告内容の整理にあたっては、各報告項目の考え方を理解しておくことが重要となります。中でも、「再生材」および「二次委託」は、再資源化の内容を適切に報告するうえで理解が必要となる項目です。

手引きでは、「再生材」について、処理工程において得られた再生材の数量を指すものとされており、外部に売却されたものが該当すると整理されています(手引きP.34・35 Q&A「2.再資源化を実施した数量について」参照)。一方で「二次委託」は、再生材として回収されない物量のうち、廃棄物として外部へ引き渡される数量を指すものとされており、売却した「再生材」とは区別して整理する必要があります(手引きP.11 「再生材の種類および二次委託の量」参照)。

(出典)報告・公表制度の手引き「報告に用いる数値の考え方を示す一例」(P.12)

数値として報告する項目は、処理した廃棄物の量、再生材の量、二次委託の量の3つです。

それ以外の報告項目としては、廃棄物の種類や再生材の種類、処分方法について、プルダウンから選択する形式となっています。また、処理内容の補足や再生材の内訳など、選択項目だけでは表現しきれない内容については、自由記述欄で補足説明することが想定されています。

加えて、企業全体としての取り組みを整理して記載できる「付記」欄も設けられており、各社の実態に応じた補足説明を行うことが可能となっています。
なお、本制度では、報告を行わなかった場合や虚偽の報告を行った場合には、罰則(20万円以下の過料)の対象となり得るとされています。

(出典)報告・公表制度の手引き「参考条文」(P.3)

■おわりに

再資源化の状況は、一定の形式で整理され、公表されることとなりました。各事業者の実績は、外部から把握可能な情報として示されていくこととなります。こうした中、企業の再資源化に関する取組の価値が相対的に高まっていくことも考えられます。

山本 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室 山本 が担当しました

2026.08.03 廃棄物管理

秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました② ~リチウムイオン電池の種類、性状、電池の混入状況などを把握し、安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりへ貢献~

DOWAの取組LIB廃棄物処理環境コンサル

秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました① ~リチウムイオン電池の種類、性状、電池の混入状況などを把握し、安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりへ貢献~
の続きです。

回収試験について

回収の結果

2日間を通して、イベント来場者が断続的に回収ブースを訪れ、家庭で保管していたリチウムイオン電池を含む二次電池などが持ち込まれました。大館市エコフェアの来場者が少なくなってきた2日目の午後になっても、リチウムイオン電池の回収ブースへの来場者は途絶えることはなく、結果として、2日間で合計584個、78kgのリチウムイオン電池を含む二次電池が回収されました。

写真左:興味を持つ来場者 
右:回収された電池の調査記録の様子

持ち込まれた電池には、モバイルバッテリー、電動工具用バッテリー、コードレス掃除機用バッテリーなど、家庭で使用されるさまざまな製品由来のものが含まれていることが確認できました。

回収試験後の解析

回収後、持ち込まれた電池について、以下のような項目を調査、整理しました。

  • 電池の種類
  • 膨張・破損・液漏れ等が見られる異常なリチウムイオン電池の割合
  • リサイクルマークなどの表示
回収されたリチウムイオン電池を含む二次電池(※種類ごとに分けて保管)

結果は、次のとおりです。

回収された二次電池のうち、リチウムイオン電池の割合は74%でした。イベント回収ではリチウムイオン電池を対象としていましたが、リチウムイオン電池以外の二次電池(ニカド電池、ニッケル水素電池など)が26%含まれていました。

リチウムイオン電池のうち、膨張等の異常のあるリチウムイオン電池の割合は31%でした。

リチウムイオン電池のうち、既存回収ルート対象品の目印となるリサイクルマーク(スリーアローマーク)のあるリチウムイオン電池の割合は86%でした。

なお、既存回収ルートの対象外となりうる「リサイクルマークなし」、「膨張等あり」のいずれかに合致するリチウムイオン電池は、全個数の40%を占めていました。

これらの結果から、家庭で保管されている使用済み電池には、既存回収ルートの対象外となるものや、膨張している等、取り扱いに注意が必要なものが相当数含まれていることが確認されました。また、回収対象のリチウムイオン電池以外の二次電池も持ち込まれるなど、一般市民にとって電池の種類を判断するのは容易ではないということも推察されました。市町村が回収体制を検討する際には、これらの課題に留意することが望ましいと考えられます。

回収試験を終えて

反響(市民の声、新聞報道等)

今回の回収試験では、市民から多くの反響がありました。
たとえば、大館市エコフェアが開催された1日目に、会場の端に設置されたリチウムイオン電池回収ブースを見つけた参加者が、「出し方がわからない電池が家にたくさんあるので、明日持ってきますね」と声をかけてくれました。その方は翌日、家庭で保管していた電池をまとめて持参されました。

こうしたやり取りから、使用済みのリチウムイオン電池を「どこに出してよいかわからない」と感じ、家庭内で保管し続けている市民がいることがうかがえました。
また、今回の取り組みは地元新聞等でも紹介され、リチウムイオン電池の回収に対する関心の高さが示されました。

大館市エコプラザで常設回収を開始

大館市では、今回のイベント回収を通じて、リチウムイオン電池回収への市民ニーズが高いことや、安全に回収するための方法について一定の知見が得られたことを踏まえ、大館市エコプラザでの常設回収を開始しました。

この取り組みは、2026年1月26日の秋田魁新報でも報道されました。
イベント回収をきっかけに、継続的な回収体制の構築へとつながった事例といえます。

自治体職員の声

大館市環境課の係長は、回収開始後の効果について、次のような感想を寄せています。
「回収開始前は、リチウムイオン電池の排出方法に関する電話での問い合わせが月10~20件ほどあり、職員の負担が大きかったが、回収開始後は問い合わせがなくなり、大幅に負担が軽減されました」

常設の排出先を設けることは、適正排出の促進だけでなく、自治体職員の問い合わせ対応負担の軽減にもつながる可能性があります。

リチウムイオン電池回収に関する動き

市町村の動き

全国的に、リチウムイオン電池の火災対策や適正処理を目的として、自治体による分別回収の取り組みが広がっています。たとえば、公共施設への専用回収ボックスの設置や、窓口での引き取りなどが進められています。

一方で、膨張した電池を受け入れるか、小型家電に内蔵された電池をどう扱うか、電池を取り外せない製品をどのように回収するかなど、自治体によって対応が異なる課題もあります。

今後、市町村による回収体制の整備はさらに進むと考えられます。その際には、回収される電池の種類や状態を把握し、安全に保管・処理できる体制を整えることが重要です。

あわせて、住民が迷わず排出できるよう、わかりやすい分別・排出ルールを整備し、広報紙やウェブサイトなどを通じて、地域の実情に応じた周知啓発を行うことも求められます。

DOWAのサービス紹介

DOWAグループでは、リチウムイオン電池の回収から安全な処理、再資源化までを行っています。電池に含まれるコバルト、ニッケル、銅などの有用金属をリサイクルすることで、資源循環の推進に貢献しています。
また、自治体と連携したリチウムイオン電池の適正処理とリサイクルの推進に関するホワイトペーパーも公開しています。

> ホワイトペーパー:自治体と連携したリチウム蓄電池の適正処理とリサイクルの推進

リチウムイオン電池の回収体制づくりや実証試験、適正処理・リサイクルに関するご相談にも対応しています。

まとめ

今回、大館市エコフェアで実施したリチウムイオン電池のイベント回収およびその後の解析を通じて、市民の回収ニーズがとても高いこと、家庭内に出し方がわからない電池が保管されていること、膨張・破損等の異常がある電池や既存回収ルート対象外品が多くあること、また、リチウムイオン電池以外の二次電池が混入することが確認されました。

リチウムイオン電池の適正回収を進めるためには、市民にとってわかりやすい排出先を設けるとともに、自治体が安全に保管・運搬・処理できる体制を整えることが重要です。イベント回収のような実証試験は、地域の排出実態や課題を把握し、継続的な回収体制へつなげる有効な手段となります。

イー・アンド・イー ソリューションズ(株)では、DOWAグループと連携し、リチウムイオン電池の回収試験の設計・運営、調査解析、適正処理・再資源化に関するご相談に対応しています。リチウムイオン電池の安全な回収と資源循環の推進に向け、今後も地域の実情に応じた適切な解決方法を提案していきたいと考えています。

○関連するお役立ち情報はこちら
> リチウムイオン電池の安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりに向けて

新冨 この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ 新冨 が担当しました