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DOWAエコジャーナル

2013.09.01 カーボンニュートラル

バイオコークスの研究と未来 その1 バイオコークスとは

DOWAの取組バイオ燃料対談

井田 民男(いだ たみお)様

近畿大学 理工学部 機械工学科 准教授

近畿大学機械工学科
近畿大学ホームページ バイオコークスプロジェクト
平成23年 新エネ大賞「資源エネルギー長官賞」
平成24年 地球温暖化防止活動環境大臣賞 受賞

地球温暖化抑制に向け、CO2削減の為の様々な取り組みが世界中で行われています。
今回のインタビューは、製鉄に欠かせない石炭コークスの代替として世界的に注目されているバイオマスを原料にしたバイオコークスの開発をされた近畿大学の井田准教授にお話を伺っています。

【その1】 バイオコークスとの出会い

先生はどのような経緯でエネルギー工学の道に進まれたのですか

私は元々大阪の出身です。高専に行きたかったんですが、当時、高専が長岡と豊橋にしかなかったものですから、大阪から飛び出して豊橋高専に入学し豊橋技術科学大学に進学しました。そこでは生産システム工学とエネルギー工学しかなかったので、エネルギー工学を選専攻しました。

「エネルギー工学」というのはどのようなことを研究されるのですか

エネルギー工学というのは、分子・原子レベルから、地球温暖化の問題まで非常に広範囲の領域があります。
私の在籍していた研究室では微粉炭発電を研究していました。エネルギーの効率化や制御技術などの分野ですね。東工大の学長をされていた岡崎先生が当時助手をされていました。

私はその中で、だいぶ基礎的な「炎」そのものの研究をしていました。ケンタッキー大学での研究期間も含め、「炎」そのものの研究を10年間くらいやっていました。「マイクロフレーム」の研究では、高さ1mm以下の炎を作り出したりしていました。

「炎」の研究の中でバイオコークスに出会われたのですか?

私は、ずっと基礎的研究を中心にやってきていたのですが、その後、近畿大学に移ることになり、それを期に「何か世の中の役に立つ研究をやってみよう・・」と思っていました。

ちょうどそのころ国が「バイオマスニッポン」を立ち上げた頃で、研究室にもバイオマス研究をされている人が多くいて、石炭やバイオマスを液化したりガス化したりして効率を上げるような研究がなされていて、すでに多くの成果も出ていました。

自分が同じことやってもかなわないだろうと思いましたので、誰もやっていなかったバイオマスの「固形化」をテーマにしたのです。
世界で排出されているCO2の約半分は石炭が原因になっていますから、液体燃料やガスの代替を考えることとおなじくらい、石炭の代替燃料を開発できたなら大きな社会貢献になるのではないか思ったわけなのです。

研究室でのバイオマスの研究では私は後発でしたから、バイオコークスができるきっかけがつかめるまでが長かったですね。3年くらいかかりました。
「今更ペレットを作ってどうする…」などと言われたりしながらやっていましたね(笑)

3年というのは結構長いですね?

研究を始めて3年くらいはありきたりの結果しか出なかったですね。
高分子のエネルギー変換は液化・ガス化などの事例から通常300~400℃に近い温度帯で行われると思われていたので、300~400℃の温度帯で実験をしていましたが、なかなか思うような結果が得られず悩んでいました。

最初は温度を上げていく途中に実験している筒から中身が飛び出し噴火する様なことの繰り返しで、それがどのような条件で何が起きているのか調べて論理的に予測していきました。
それで、それまで300℃近辺の温度帯で実験を繰り返してきたものを一気に180℃まで下げろと指示をしました。その時は「何を考えているんだ!」と学生に猛反対されましたね。
やってみると、思ったことに近い反応が起こったんです。

バイオコークスは180℃プラスマイナス20℃、さらに水分量も10~15%という狭い幅の中でないと作ることができません。それがなかなか結果が出なかった理由で、バイオコークスの特許の基本になっています。
今は、なぜそのような温度・湿度で無いといけないのか、そこでどのような反応が起こっているかもほぼわかっています。温度帯がわかってから2年くらいかかりました。

バイオコークスとはどのようなモノなのでしょうか?
例えば一般の木質ペレットなどとは何が違うのですか?

一般の木質ペレットは間伐材、廃材などをチップにして単純に固めたりしたモノで、少し語弊があるかもしれませんが、イメージとしては扱いやすい「薪」です。燃焼温度や耐熱強度もそれなりですね。

一方、バイオコークスの原料は、固める時に加圧・加熱することで炭素が高密・高純度になるというイメージでとらえていただけばいいかと思います。

石炭コークスに近い耐熱強度を得ることができるので、製鉄の高炉やキュポラ(溶解炉)などで使うことができます。

これまで、製鉄炉や熔解炉では化石燃料に頼らざるを得なかったのですが、バイオマスで製鉄ができるようになれば、大幅なCO2削減ができます。

概ね1tの石炭コークスを燃焼させると3t強のCO2が発生しますが、バイオコークスは100%バイオマスですからCO2は0(発生させない)換算になります。(右図)
それをCDMによるCO2経済効果に換算すると
CO2削減効果=3,300円/t-C→10,560円/t-バイオコークス となり、約7,000円/tのCO2削減効果となります。(右図) 全量をバイオコークスに置き換えることはできませんが、何割かをバイオコークスに代替するだけで、CO2削減になります。

また、硫黄酸化物の発生がないので、酸性雨の抑制につながります。(右図)

バイオコークスのメリットは、まずCO2の削減ですが、バイオコークスそのものが持っている特長として、エネルギーの有効利用と管理が非常に楽であるというメリットがあります。

エネルギーの有効利用というのは、原料の歩留まり率が100%ということです。
バイオコークスの固形化技術は、低温固化ですので灰などの残渣が出ませんし、揮発成分も閉じ込めていて、元の原料が持っているエネルギーを100%維持していますから非常に効率のよい固形化になります。

また、原料にもよりますが、概ねどんな原料でも、1.4くらいの比重になりますから、お茶殻や木などの原料だと容積比で1/7~1/14くらいまで減容化されます。稲藁は密度が小さいので1/140くらいに減容化されます。

さらに、バイオコークスだと減容化されると同時に、高強度で安定した性状となることで管理がしやすく、輸送や保管コストが削減できることになります。

この減容化に着目して、バイオコークスは放射線で汚染された稲藁や森林の枝葉、農作物残渣を安全に長期間保管するためにも使うことができます。

製造工程での加熱温度が低いので、放射性物質の飛散がありませんし、残渣も出ません。

また、固形化後は硬く高強度で、高湿度にも強く水にも溶けず腐敗もしませんし、燃える心配もないので長期間の保管に向いています。

放射線で汚染された植物性廃棄物をバイオコークスにして300年くらい保管しておけば、放射線量も1/1,000程度になりますから燃料としてできるようになるわけです。

減容化の特長だけでも、バイオコークスは利用価値がありますね。燃料なのに燃える心配が無いというのはどういうことですか。

燃える心配がないとうよりも、火がつきにくいといった方がわかりやすいですね。例えば、バイオコークスをバーベキューの炭の赤くなっている上に載せても火はつきません。600℃くらいの温度でないと火がつきません。コークスというのは通常800~1,000℃程度に暖まった炉に投入されて、還元剤の働きをしながら炉の温度を引き上げる燃料です。確か、鉄の溶解温度が純鉄で1,500℃ちょっとだったと思います。

特長というか石炭コークスの代替に使える理由に、1,000℃を越えるような高温下でも強度を維持していることがあります。強度を維持して形状を保っていることが、製鉄に使える条件です。

ここまでお読みいただきありがとうございます。
次回は、「バイオコークスの特徴」…バイオコークスの組成、固形化プロセスなど、詳しい内容をお聞きしています。

2013.06.01 法律

契約と印紙税について

廃棄物処理法

契約と印紙税の疑問にお答えします。

Q.収集運搬契約(第1号の4文書)かつ継続取引基本契約(第7号文書)にあたる契約書が第1号の4文書として判断された場合、契約金額が10,000円未満でも非課税ではなく、200円の印紙が必要なのはどうしてですか?

A.

さっそく印紙税法(現行法)の別表1 課税物件表を確認してみましょう。

ただし、ここでは、パンフレットや手帳の早見表に載っている簡易版の課税物件表ではなく、印紙税法の最後の方に載っている正式版の別表1を確認することが、非常に重要になります。

【参考資料】

印紙税法

なぜなら、正式な表には、非課税物件の「除外規定」が載っているからなのです。

それでは、正式な表から必要な部分を抜粋してみましょう。

図1- 契約金額が1万円未満なのに、非課税物件にならないのはどんなケース?


画像クリックで拡大

このように、「除外規定(通則3イ)に該当すると、契約金額が1万円未満でも、非課税物件ではない」ということが分かりました。

次に、この除外規定(通則3イ)の内容を調べてみましょう。

図2- 除外規定(課税物件表の適用に関する通則3イの規定が適用されることによりこの号に掲げる文書となるもの)って、なに?


画像クリックで拡大

最後に、ご質問のケースに戻って考えてみましょう。

「収集運搬契約(第1号の4文書)かつ継続取引基本契約(第7号文書)にあたる契約書が第1号の4文書として判断された場合」ということは非課税文書の除外規定(通則3イ)に該当しますので、「契約金額が10,000円未満」であれば、第1号文書の「10万円以下のもの」として取り扱われます。

したがって、印紙税額は「200円」ということになります。

【参考資料】

e-Govホームページ
印紙税法

DOWAエコジャーナル 環境便利帳
産業廃棄物の収集運搬・処理の委託契約書に貼付する印紙税額
チェックシートと一覧表

大原 この記事は
メルテック株式会社 大原 が担当しました

2011.09.01 法律

リサイクル法解説 「家電リサイクル法」

リサイクル

容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設リサイクル法、自動車リサイクル法。リサイクルに関してはさまざまな法律がありますが、そのうちの家電リサイクル法について、詳しくご紹介いたします。

■家電リサイクル法とは

家電リサイクル法とは「特定家庭用機器再商品化法」の通称です。
1998年(平成10年)に公布され、2001年(平成13年)に完全施行されました。
家電リサイクル法は経産省と環境省の管轄で、家電リサイクル法の中で出てくる主務省とは、経産省と環境省、主務大臣とは経産大臣と環境大臣を指します。

■特定家庭用機器とは

エアコン、ブラウン管・液晶・プラズマテレビ、電気冷蔵庫・電気冷凍庫、電気洗濯機・衣類乾燥機です。
2001年の本格施行以降、2011年までの間に2回、対象となる機器が追加されています。

  • 2001年(本格施行時) エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機の4品目でスタート
  • 2006年 電気冷凍庫が電気冷蔵庫の区分に追加
  • 2009年 液晶式テレビ及びプラズマ式テレビ、衣類乾燥機が追加

■家電リサイクル法の目的は (法第1条)

家電リサイクル法は、特定家庭用機器の小売業者及び製造業者等による廃家電の収集・運搬・再商品化等を、適正かつ円滑に実施するための措置を講じ、廃棄物の減量・適正処理と再生資源の有効利用等をすすめることで、生活環境の保全と国民経済の健全な発展に寄与することを目的に施行されました。

家電リサイクル法成立までの経緯

家電リサイクル法が施行されるまで、家庭で不要となった家電製品は、その大部分が粗大ごみとして埋め立てられていました。
家電製品には鉄やアルミなどの金属類をはじめ有用な資源が多く含まれています。
最終処分場不足が深刻になってきていましたので、廃棄物の減量、資源の有効利用の観点から、廃棄物のリサイクル推進の新たな仕組みを構築するために制定されました。

■再商品化等とは(法第3条)

再商品化等とは再商品化と熱回収のことを指します。

  • 再商品化とは・・・部品や材料を製品の部品・原料として利用したり、製品の部品・原料として利用する人に有償・無償で譲渡できる状態にすること
  • 熱回収とは・・・再利用できない部分を熱を得るために自ら利用したり、熱を得ることに利用する人に有償・無償で譲渡できる状態にすること

再商品化等は、家電リサイクル法における「リサイクル」の事です。
つまり、家電リサイクル法でのリサイクルは、マテリアルリサイクル、またはサーマルリサイクル、と定義されています。

■誰がどんな責務を負うか

家電リサイクル法では小売業者・消費者・製造業者に対し、以下のような責務を負わせています。

  • 排出者は廃家電を小売業に引き渡す際、廃家電の収集・運搬料金及びリサイクル料金を支払わなければなりません。
    (法第6条)
    リサイクル料金は、メーカーによって異なりますが、料金は公表されています。
    http://www.rkc.aeha.or.jp/img/price/ryoukin2013.pdf
  • 家電量販店などの小売業者は過去に販売した対象機器や買換時に引取りを求められた対象機器を排出者(消費者)から引き取らねばなりません。
    (法第9・10条)
  • 小売業者は引き取った廃家電を、その廃家電を引き取るべき製造業者等に引き渡さなければなりません。
    (法第10条)
  • 製造業者は自らが過去に販売・輸入した対象機器を引き取らねばなりません。
    (法第17条)
  • 製造業者は廃家電を引き取ったときは遅滞なく再商品化等をしなければなりません。
    (法第18条)
  • 製造業者は引き取った対象機器のリサイクルを実施するにあたり下記のリサイクル率を達成しなければなりません。
    • エアコン:70%
    • ブラウン管テレビ:55%
    • 液晶・プラズマ式テレビ:50%
    • 冷蔵庫・冷凍庫:60%
    • 洗濯機・乾燥機:65%
    また、フロン類を使用している機器はフロンを回収・破壊しなければなりません。
    (法第18条第2項、施行令 第2・3条)
  • また、引き取る際には特定家庭用機器廃棄物管理票を作成し、排出者に管理票の写しを交付しなければなりません。
    (法第43条)

出典:環境省HP 家電リサイクル法の概要
http://www.env.go.jp/recycle/kaden/gaiyo.html

■罰則

家電リサイクル法では悪質な行為に対し、罰則が設けられています。
罰則を対象別にまとめたのが以下の表です。
小売業者、製造業者、指定法人に対して罰則が定められています。

対象 内容 罰則額
小売業者 主務大臣からの料金を変更する旨の命令(勧告の後に発せられる)に従わなかった者。 50万円以下
小売業者 主務大臣から引取り・引渡しをすべき旨の命令(勧告の後に発せられる)に従わなかった者。 50万円以下
小売業者・製造業者 再商品化等業務や資産の状況に関する報告の要望に対し、報告をしない・あるいは虚偽の報告をした者。 20万円以下
小売業者・製造業者 事務所・工場・事業場などへの立ち入り・検査を拒み、妨げ、忌避した者。 20万円以下
製造業者 主務大臣からの料金を変更する旨の命令(勧告の後に発せられる)に従わなかった者。 50万円以下
製造業者 主務大臣から引取り・再商品化をすべき旨の命令(勧告の後に発せられる)に従わなかった者。 50万円以下
製造業者 帳簿に虚偽の記載をしたり、帳簿の保存をしなかった者。 20万円以下
指定法人 主務大臣の許可をうけず再商品化等業務の全部を廃止した者。 30万円以下
指定法人 帳簿に虚偽の記載をしたり、帳簿の保存をしなかった者。 30万円以下
指定法人 再商品化等業務や資産の状況に関する報告の要望に対し、報告をしない・あるいは虚偽の報告をした者。 30万円以下
指定法人 指定法人事務所の立ち入り・検査を拒み、妨げ、忌避した者。 30万円以下

■家電リサイクルの実施状況

廃家電が引き取られた台数は、年々増加傾向にありました。
平成21年・平成22年は家電エコポイントの影響で、引取台数が急増しました。

■家電リサイクル法に基づく立入検査

家電リサイクル法第53条に基づく小売業者への立入検査の件数と指導件数が公表されています。立入検査件数は増加傾向、立入検査を実施したうち指導を実施した件数は高止まり傾向にあります。
また、指導の内訳は、「管理票の取り扱いについて」がほぼ半数を占めています。

■適正な処理の確保

平成22年10月「使用済物品の適正な処理の確保について」の通知が発出されました。

「産構審・中環審家電リサイクル合同会合(第19回)」資料9
http://www.meti.go.jp/policy/kaden_recycle/whats_new/onegai.html

経産省・環境省 いらなくなったテレビは適正に排出を(チラシ)
http://www.meti.go.jp/policy/kaden_recycle/whats_new/flyer.pdf

■関連リンク

蔵石 この記事は
DOWAエコシステム 海外事業推進部 蔵石 が担当しました

2011.02.01 廃棄物管理

汚染土壌を掘削すると廃棄物が混ざっていました。

土壌浄化環境コンサル

Q1. 汚染土壌を掘削すると廃棄物が混ざっていました。
これは、汚染土壌?廃棄物?

A1

所管の自治体(都道府県、土対法の政令指定都市)に相談しながら、扱いを決める必要があります。

環境省が公表したパブリックコメントに対する考え方では、汚染土壌にコンクリートくずが混入している場合、「廃掃法に規定する廃棄物に該当するものがあると考えられる場合、当該汚染土壌については、汚染土壌対策法に基づく規制のほか、廃棄物として廃掃法に基づく規制も併せて課せられることとなります。現場から搬出されるものが、全体として汚染土壌又は廃棄物のいずれかに整理できれば土壌汚染対策法又は廃掃法のみの規定の適用を受け、いずれにもよりがたく汚染土壌と廃棄物が混合されたものであれば、両法の規定の適用を受けることとなり、これのいずれによるべきかは、現場から搬出されるものの状態に応じ、個別に判断されることとなります。」と説明されています。

出典)環境省HP:平成21年10月22日 汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令の制定及び本省令に係る土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見の公募(パブリックコメント)の結果について(お知らせ)

これを図にすると以下のようになります。

汚染土壌か廃棄物のどちらかという判断の際の考え方

  1. 汚染土壌に対する廃棄物の割合
    汚染土壌に対する廃棄物の量については、基準やガイドラインはないものの、廃棄物が多ければ「廃棄物に整理」されますし、判断が難しい場合には、「いずれにもよりがたく、両法の規定を受ける」こととなります。
  2. 廃棄物と汚染土壌が分別できるか
    分別できるかについて、例えば、燃え殻や炭がら、微細なスラグなどは、汚染土壌から分離することが困難ですので、この場合は廃棄物として扱うべき場合もあると考えます。
  3. 混入している廃棄物の有害性
    廃棄物と一言で言っても、多岐に渡り、コンクリートがらや岩石もですが、稀に、薬品瓶や注射針などが含まれる場合もありますので、分析をするなど取り扱いに配慮が必要です。

これらが、総合的に判断されることとなります。

Q2. 土壌汚染対策法では、廃棄物が混ざっていても汚染土壌が含まれていれば分別等処理施設に持ち込めるのではないですか?

A2

土壌汚染対策法では「分別等処理施設」は「汚染土壌に混在している岩石、コンクリートくずその他の物を分別し、又は汚染土壌の含水率を調整するための施設」とされています。

「分別等処理施設」は、あくまでも“汚染土壌”対策法に規定される施設ですので、パブリックコメントに対する考え方にもあるように、処理しようとしているものが、“汚染土壌”として扱うべきか、“廃棄物”として扱うべきか、もしくは、“両法の規定を受けるべき”なのかについての判断はなされる必要があります。

小堤 この記事は
DOWAエコシステム ジオテック事業部 小堤 が担当しました

2011.01.06 法律

リサイクル法の費用負担について

リサイクル

■各種リサイクルに関する法律

ゴミの法律は明治33年の汚物清掃法から始まり、昭和29年には清掃法が、昭和45年には廃棄物処理法が制定されています。
一方で、リサイクルの法律は新しく、「循環型社会元年」と呼ばれる平成12年に、3R(スリーアール)の考え方が取り入れられた基本的枠組みを定めた循環型社会形成推進基本法が制定されました。現在は、循環型社会形成推進基本法の下に、各種リサイクルに関する法律が制定されています。

法律 正式名称
容器包装リサイクル法 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律
家電リサイクル法 特定家庭用機器再商品化法
食品リサイクル法 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律
建設リサイクル法 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
自動車リサイクル法 使用済自動車の再資源化等に関する法律
資源有効利用促進法 資源の有効な利用の促進に関する法律
グリーン購入法 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律

廃棄物の処理と同じように、危険物や有害物質へ対応した適正なリサイクルをするためには費用がかかります。今回はその費用負担について考えます。

■リサイクルの費用負担

下の表のとおり、家電や自動車のリサイクル費用は直接消費者から徴収しますが、パソコンや容器包装はメーカーが費用負担します。ただし、メーカーが費用負担するといっても、その分は価格上乗せをすることができますので、間接的には消費者が負担していることになります。

  直接費用負担 費用徴収方式
家電リサイクル法 購入者 廃棄時(後払い)
自動車リサイクル法 購入者 購入時(前払い)
建設リサイクル法 発注者 廃棄時(後払い)
資源有効利用促進法
(パソコン)
メーカー 価格上乗せ
容器包装リサイクル法 メーカー 価格上乗せ
食品リサイクル法 メーカー 価格上乗せ

現在、多くの先進国や途上国において、廃家電等の電子機器のリサイクルに関する法律について施行・検討されています。例えば家電リサイクルに関して、EUのWEEE指令では、リサイクルまでを製造者の責任範囲として製造者がリサイクル費用を負担し、消費者は廃棄時にお金を払いません。中国版家電リサイクル法では、廃家電は有価で扱われます。これに対し、日本の家電リサイクル法では、消費者が廃棄時に直接費用負担する方式であり、これは世界的には珍しい方式でもあります。

■費用徴収方法についてのデメリット

ここで、それぞれの費用徴収方法についてのデメリットを見てみましょう。

購入時
(前払い)
  • 将来の廃棄時の適性なリサイクル費用が分からないのに、費用を設定しなければならない。
  • 想定外のルートに流れる場合、払い損になってしまう
廃棄時
(後払い)
  • 法施行前のかけこみ不法投棄や、廃棄時の不法投棄の恐れがある。
価格上乗せ
  • 上乗せされたリサイクル費用が不明確になる。
  • 消費者にリサイクル意識が芽生えにくい。

このように、どの費用徴収方法にもデメリットがあるため、一概にはどの方式が良いとは言えないようです。また、想定外のルートで不適正な流通が存在することや、リユースとリサイクルの基準が不明確なこと、中古部品市場までカバーできていないこと、廃棄時だからといって適正なリサイクル費用であるかは分からないことなど、その他の課題もあります。

■不適正な流通の防止とリユースの促進のための取組み

次に、特に問題となっている不適正な流通の防止とリユースの促進のための取組みを紹介します。経済産業省、環境省、中古情報機器協会などが、対象品目別にガイドラインを策定しています。

策定者 策定 対象 ガイドライン 参考HP
経済産業省・環境省 2008年 家電 小売業者による特定家庭用機器のリユース・リサイクル仕分け基準作成のためのガイドライン 経済産業省HP:http://www.meti.go.jp/committee/materials2/downloadfiles/g80922a06j.pdf
環境省HP:http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10203
中古情報機器協会
(RITEA)
2009年 パソコン 国内利用および海外輸出時におけるPCのリユース・リサイクル仕分け基準のガイドライン http://www.ritea.or.jp/pdf/090304_1.pdf(PDF)
中古情報機器協会
(RITEA)
2010年 携帯電話 携帯電話のリユース・リサイクル仕分け基準および使用済携帯電話のデータ消去取扱いのガイドライン  
経済産業省・環境省 策定中 自動車 使用済自動車判別ガイドライン (骨子案)
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004689/004_03_00.pdf(PDF)

このような中、平成22年10月21日に環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長・産業廃棄物課長より、各都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長宛に、「使用済物品の適正な処理の確保について」という通知が出されました。これは、一般家庭から排出される家電製品等の使用済物品を収集運搬する者への苦情や廃棄物処理法違反の疑いなどに関する内容です。
環境省HP:http://www.env.go.jp/hourei/add/k018.pdf

以上のように、リユース(中古品)やリサイクルの流通ルートは日本国内にとどまらず、中国や東南アジアなどに展開されているため、グローバルな視点での検討が必要となります。望ましい循環型社会の形成に向けて、今後も様々な検討がなされることと思います。

この記事は
DOWAエコシステム リサイクル事業部 池田 が担当しました

2010.12.01 廃棄物管理 法律

産廃マニフェストの運用解説

廃棄物処理法

排出事業者が委託した産業廃棄物の処理が適正に実施されているかを確認して管理をすることは不法投棄などによる環境汚染を防ぐためにとても大切です。その為、産業廃棄物廃棄物を引き渡す際には産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付が「廃棄物処理法の第12条の3」により定められています。

マニフェストには使用する媒体、委託する運搬経路などにより様々な種類があります。まず、マニフェストには産業廃棄物が処分場所に直接運搬される場合に使用する「直行用」と、処分場所に直接運搬せずに積替え又は保管を経由する場合に使用する「積替え用」と2種類あります。そして、複写式の伝票を使用する紙マニフェストとJWNETの情報処理センターを利用して登録する電子マニフェストがあります。

今回はマニフェストについて排出事業者が気をつけるべきポイントを、「直行用」の紙マニフェストの運用を例に説明します。

1. マニフェストの流れ

紙マニフェストは7枚つづり(積替え保管用は8枚つづり)となっており、下記の通りA票~E票でそれぞれ保管者などが異なります。

マニフェスト
種類
対応内容保管者
A票排出時、「運搬の受託」欄記載後にA票を切り取り、排出事業者が保管する排出事業者
B1票収集・運搬業者が保管する収集・運搬業者
B2票収集・運搬業者が運搬完了後に排出事業者へ返送する排出事業者
C1票中間処理業者が保管する中間処理業者
C2票中間処理業者が中間処理完了後に収集・運搬事業者へ返送する収集・運搬業者
D票中間処理業者が中間処理完了後に排出事業者へ返送する排出事業者
E票中間処理業者が最終処分の完了を確認し、排出事業者へ返送する排出事業者

※中間処理業者は2次マニフェストを発行し、最終処分業者への処分を委託します。
2次マニフェストでの処分完了を確認し、上記E票を発行します。

排出事業者はマニフェストに必要事項を記入し、収集・運搬業者へ廃棄物を引き渡す時点でA票以外を運搬業者に渡し、その後、運搬・中間処理・最終処分が完了した時点でB2票、D票、E票の返送を受け取ります。

図:マニフェストの流れ(直行用マニフェスト)(筆者作成)

2. 産業廃棄物を引き渡すときに排出事業者が記載すること

排出する廃棄物がきちんと処理されているかについての管理と照合は、排出時に交付するマニフェストの記載情報を元に行います。そのため、マニフェストを交付する際には、記載するべきことを、漏れなく、間違えずに、記載をすることが非常に重要です。

  1. マニフェストを交付する日付(産業廃棄物を引き渡しする日付)
  2. 必要に応じてマニフェスト管理のための番号を記入
  3. マニフェストを交付する担当者の氏名を記入
  4. 排出事業者の会社名・住所・電話番号
  5. 排出事業者と排出事業場が異なる場合は、事業場名・住所・電話番号
  6. 委託する産業廃棄物の種類・法分類(普通or特管 該当する法分類にチェックする)
  7. 委託する産業廃棄物の体積・重量・個数(m3/t/ドラム缶数/フレコン数等)
  8. 委託する産業廃棄物の具体的な荷姿(ローリー/ダンパー/ドラム缶/斗缶/パレット/コンテナ等)
  9. 委託する産業廃棄物の具体的な名称
  10. 委託する廃棄物が特別管理産業廃棄物に該当する場合、特別管理産業廃棄物に該当する有害物質の種類(Pb、Cn等) 無い場合は【無し】
  11. 契約書に基づき処分方法を記入
  12. 運搬や処分をする際に注意することがあれば記載。
    行政によっては他県から廃棄物を持ち込むときに事前協議が必要な場合があります。事前協議の受理番号、受理日付をこの欄に記入するよう行政から指導を受ける場合もあります。
  13. 一次マニフェストの場合は記入不要。
  14. 委託契約書に基づき最終処分業者名・住所・電話番号を記載。
    欄内に記載が困難な場合は「委託契約書記載の通り」にチェック。
  15. 委託契約書に基づき運搬委託業者名・住所・電話番号を記入
  16. 委託契約書に基づき処分委託事業場名・住所・電話番号を記入
  17. 委託契約書に基づき処分委託業者名・住所・電話番号を記入
  18. 照合確認欄に各票の返却期限日を記入して、返却を受けた際に活用しましょう。

マニフェスト記入のポイント

  • 記入漏れや誤記載が無いようご注意ください。
    (上記図の⑥「種類(普通の産業廃棄物)」、「種類(特別管理産業廃棄物)」欄のチェックなどは見落としがちです)
  • 搬出前に、収集・運搬業者や処理業者名があっているかご確認ください
    (別業者向けに準備したマニフェストと混同しないようご注意ください)
  • 1台の車両に複数の種類の廃棄物を合い積みする場合には、廃棄物の種類ごとに発行ください

3. マニフェストの返却と保存の義務

排出事業者様が発行した後のマニフェストの写しの送付を受けるまでの期間・保管期限については(表1)のように定められております。
期間内に写しの送付を受けたかをチェックし、返却されたマニフェストを保管することは排出事業者の義務とされています。

表1. マニフェストの管理に関する期間

排出事業者の手元にある票の種類 役割 写しの送付を受けるまでの期間 保存期間
交付日から 委託した業務の
終了日から
受領日から
普通 特別管理
A票 排出事業者控え 5年間
B2票 収集運搬終了確認 90日以内 60日以内 終了から10日以内
D票 処分終了確認
E票 最終処分終了確認 180日以内

※交付日から写しの送付を受けるまでの期間。例えば、普通産業廃棄物で交付から85日目に処理が終了した場合は5日以内に返送を受けなければいけません。

4. 返送を受けたマニフェストを確認するポイント

戻ってきたマニフェストの確認はどのようにしていますか?ここでは委託した廃棄物が適正に処理されたかどうか、マニフェストで確認をするポイントをご説明いたします。

廃棄物の引渡し時に確認すること マニフェストの必要な箇所に記載したか(漏れ・ミスがないか)
マニフェストを収集運搬委託業者に渡したか
“全ての票(A票、B1票、B2票、C1票、C2票、D票、E票)”の「運搬の受託」欄に実際に現場で引取りをした運搬担当者が収集運搬委託会社名・氏名を記載したか確認
A票を切り離して収集運搬委託業者から受け取ったか
受け取ったA票をファイルに保管
交付後に進捗を確認すること B2票 返送期限を越えていないか(普通産業廃棄物:交付日から90日以内、特別管理産業廃棄物:交付日から60日以内)
D票 返送期限を越えていないか(普通産業廃棄物:交付日から90日以内、特別管理産業廃棄物:交付日から60日以内)
E票 返送期限を越えていないか(交付日から180日以内)

注意

  • 返送期限が近づいてもマニフェストが返送されない場合は、控えのA票の記載事項を元に、委託した処理業者に状況を問い合わせましょう。
  • 返送期限が過ぎてもマニフェストが戻ってこない場合は速やかに運搬又は処理会社に確認をして状況を把握し、生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な処置を講じる必要があります。
返送を受けたら確認すること B2票 収集運搬が委託契約内容どおりに実際に行われたか「運搬の受託」欄を確認
運搬・処分の受託欄に収集運搬・処分受託会社名・担当者氏名が記載されているか。
「運搬終了年月日」が記載されているか
「運搬終了年月日」から10日以内にマニフェストが返却されているか
D票 中間処分が委託契約内容どおりに実際に行われたか「処分の受託」欄を確認
運搬・処分の受託欄に収集運搬・処分受託会社名・担当者氏名が記載されているか。
「処分終了年月日」が記載されているか
「処分終了年月日」から10日以内にマニフェストが返却されているか
E票 最終処分を行った場所が委託契約内容どおりに実際に行われたか「最終処分の場所」欄を確認
収集運搬・処分及び最終処分受託会社名・担当者氏名が記載されているか。
「最終処分終了年月日」が記載されているか
「最終処分終了年月日」から10日以内にマニフェストが返却されているか

チェック!
マニフェストの「照合確認欄」を活用していますか? B2表・D票・E票がそれぞれ返送されたらA票の「照合確認」欄に受領日を記入して確認しましょう。期日以内に返送されているかの確認に便利です。

5. マニフェスト交付報告について

紙マニフェストを交付した排出事業者は、4月1日から翌年3月31日までの1年間の全てのマニフェストの交付等の状況に関する報告書を作成して、4月1日から6月30日までに排出事業者の所在地を管轄する都道府県知事又は政令市長に提出する必要があります。

報告書は環境省が作成した書式(様式第3号)がありますが、都道府県等で独自の書式を定めている場合もありますので管轄する都道府県のホームページ等で御確認ください。

※電子マニフェストを運用している場合は、データを入力しておけばJWNETを運営している日本廃棄物処理振興センターがまとめて報告を行いますので報告の必要はありません。

この記事は
DOWAエコシステム 企画室 後藤 が担当しました

2010.11.01 廃棄物管理 法律

産業廃棄物の収集運搬・処理の委託契約書に貼付する印紙税額 チェックシートと一覧表

廃棄物処理法

印紙税は、印紙税法の定めにより、契約書や領収書などに課税される税金です。課税の対象となるのは、国税庁「印紙税額一覧表」(課税物件表)に掲げられた20種類の文書(非課税文書に該当する場合を除く)です。

一般的に、産業廃棄物の収集運搬を委託するための契約書は「印紙税額一覧表」(課税物件表)の第1号の4文書(運送に関する契約書)、産業廃棄物の処分を委託するための契約書は第2号文書(請負に関する契約書)に該当します。

ただし、産業廃棄物処理委託契約書が、営業者間で継続的に生ずる取引の基本となる契約書で、契約期間が3ヶ月を超えている、又は、契約期間が自動更新される場合は、第7号文書(継続的取引の基本となる契約書)にも該当することになります。このような場合は、契約書に記載金額(契約金額)があるかどうかで、文書の所属を決定します。
産業廃棄物処理委託契約書に「記載金額がある」とは、例えば、以下の状態を指します。

(例)

  • 契約書に契約金額「○円」と記載されている
  • 契約書に「排出予定数量」「収集運搬単価又は処分単価」「契約期間」が記載されていて、契約金額が計算できる(数量×単価×期間=契約金額)

産業廃棄物処理委託契約書(第1号の4文書又は第2号文書)が、第7号文書にも該当し、「記載金額がない」場合、その契約書は「第7号文書」として取り扱われます。

(例)

  • 第1号の4文書かつ第7号文書で「記載金額がある」→「第1号の4文書」
  • 第1号の4文書かつ第7号文書で「記載金額がない」→「第7号文書」

文書の所属が決定したら、「印紙税額一覧表」(課税物件表)で、該当する文書番号を確認し、記載金額(契約金額)に応じた印紙を貼付して消印します。

以上の流れを、フローチャートで確認してみましょう。

■フローチャート-1「収集運搬委託契約書編」

フローチャート-1「収集運搬委託契約書編」

■フローチャート-2「処分委託契約書編」

フローチャート-2「処分委託契約書編」

■参考 契約金額と印紙税一覧表

契約金額と印紙税一覧表

【リンク】 公益社団法人 全国産業資源循環連合会

【PDF版をダウンロード】

産業廃棄物処理委託契約書の流れ
参考 > 契約金額と印紙税一覧表

【参考資料】

DOWAエコジャーナル リスクのクスリ
収集運搬契約(第1号の4文書)かつ継続取引基本契約(第7号文書)にあたる契約書が第1号の4文書として判断された場合、契約金額が10,000円未満でも非課税ではなく、200円の印紙が必要なのはどうしてですか?

2010.08.01 廃棄物管理 法律

産業廃棄物法分類(普通廃棄物/特別管理廃棄物)

廃棄物処理法

環境便利帳では、産業廃棄物の法分類一覧表を作成しました。
皆様のお手元において、便利に使っていただければと思います。

廃棄物の法分類 −普通廃棄物−
主な分類概要
一般廃棄物産業廃棄物以外の廃棄物
産業廃棄物燃え殻 
汚泥 
廃油 
廃酸 
廃アルカリ 
廃プラスチック類 
紙くずただし、以下の業種等の指定がある
  • 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
  • パルプ、紙又は紙加工品の製造業
  • 新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)
  • 出版業(印刷出版を行うものに限る。)
  • 製本業
  • 印刷物加工業
木くずただし、以下の業種等の指定がある
  • 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものに限る。)
  • 木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)
  • パルプ製造業
  • 輸入木材の卸売業及び物品賃貸業
  • 貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの
繊維くずただし、以下の業種等の指定がある
  • 建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)
  • 繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)
動植物性残さ食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
動物系固形不要物以下の動物系の固形状の不要物を指す  ・と畜場法に規定すると畜場でとさつ又は解体した獣畜に係る固形状の不要物  ・食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律に規定する食鳥処理場で   食鳥処理をした食鳥に係る固形状の不要物
ゴムくず 
金属くず 
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずコンクリートくずは、工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものを除く
鉱さい 
がれき類工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
動物のふん尿畜産農業に係るものに限る
動物の死体畜産農業に係るものに限る
ばいじんただし、次の施設で発生し、集じん施設によつて集められたものに限る
  • 大気汚染防止法に規定する特定施設
  • 廃棄物の焼却施設
廃棄物を処分するために処分したもの(13号廃棄物)上記の産業廃棄物、輸入廃棄物、携帯廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

 

廃棄物の法分類 −特別管理廃棄物−
主な分類概要
特別管理一般廃棄物PCB使用部品廃エアコン・廃テレビ・廃電子レンジに含まれるPCBを使用する部品
ばいじんごみ処理施設の集じん施設で生じたばいじん
ダイオキシン類含有物ダイオキシン特措法の廃棄物焼却炉から生じたもので、ダイオキシン類を3ng/g以上含有するばいじん、燃え殻、汚泥
感染性一般廃棄物*医療機関等から排出される一般廃棄物であって、感染性病原体が含まれ若しくは付着しているおそれのあるもの
特別管理産業廃棄物廃油揮発油類、灯油類、軽油類(難燃性のタールピッチ類等を除く)
廃酸pH2.0以下の廃酸
廃アルカリpH12.5以上の廃アルカリ
感染性産業廃棄物*医療機関等から排出される産業廃棄物であって、感染性病原体が含まれ若しくは付着しているおそれのあるもの
特定有害産業廃棄物廃PCB等廃PCB及びPCBを含む廃油
PCB汚染物PCBが付着等した汚泥、紙くず、木くず、繊維くず、プラスチック類、金属くず、陶磁器くず、がれき類
ポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものは、業種等の指定なく対象となる
PCB処理物廃PCB等又はPCB汚染物の処理物で一定濃度以上PCBを含むもの★
指定下水汚泥下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥★
鉱さい重金属等を一定濃度以上含むもの★
廃石綿等石綿建材除去事業に係るもの又は大気汚染防止法の特定粉じん発生施設から生じたもので飛散するおそれのあるもの
ばいじん又は燃え殻*重金属等及びダイオキシン類を一定濃度以上含むもの★
廃油*有機塩素化合物等を含むもの★
汚泥、廃酸又は廃アルカリ*重金属、有機塩素化合物、PCB、農薬、セレン、ダイオキシン類等を一定濃度以上含むもの★

(備考)
これらの廃棄物を処分するために処理したものも特別管理廃棄物の対象
*印:排出元の施設限定あり
★印:廃棄物処理法施行規則及び金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令(判定基準省令)に定める基準参照

出典:環境省ホームページ 「特別管理廃棄物規制の概要」

産業廃棄物法分類についての注意点・・・「混合」

  • いくつかの種類の産業廃棄物が混合し、一体不可分の状態で排出される場合、その産業廃棄物は「混合物」(混合廃棄物)として扱われます。
    具体的な例を挙げると、発生段階からプラスチック類、ゴムくず、金属くずなどが分別できない状態で混合しているシュレッダーダストは「プラスチック類、ゴムくず、金属くずの混合物」として扱うことがあります。
  • どんな廃棄物を「混合物」として扱えばよいか、明確な基準があるわけではないので、判断に迷った場合は、行政に相談しなければなりません。
    ただし、「油分を含むでい状物」のみ、環境省の通知で基準が定められています。「油分を含むでい状物の取扱いについて」(公布日:昭和51年11月18日 環水企181・環産17)によると、「油分をおおむね5%以上含むでい状物は汚泥と廃油の混合物」として扱われ、この条件に該当しないものは「汚でい(油分を含む汚でい)」として扱われます。
  • 混合物を排出する際に、一番に気をつけなければならないのは、混合している全ての廃棄物の処理許可を取得している廃棄物処理業者に委託することです。
    処理委託契約を締結する前に、許可証の写し等で、処理業者の許可の状況をよく確認することが必要です。
  • 混合物について、廃棄物処理法で定められた書類(マニフェスト、マニフェスト交付状況等報告書等)で報告する場合にも注意が必要です。
  • 一般的に、混合物のマニフェストは、廃棄物の品目ごとに部数を分けるのではなく、1つの混合物について1部交付します。
    そして、廃棄物名称や廃棄物分類の欄に、混合している品目が何か、分かりやすく記入します。例えば、全国産業廃棄物連合会発行のマニフェストを使用している場合は、廃棄物分類の項目において、混合している全ての廃棄物の品目にチェックをつけます。
  • マニフェスト交付等状況報告書については、自治体によって混合物の報告方法が異なりますので、自治体のホームページ等で、記入マニュアルをよく確認することが必要です。
    例えば、1つの混合物について、廃棄物の品目ごとの排出量の報告が細かく求められる場合もありますし、最も混合割合が大きい廃棄物の品目に代表させて報告が求められる場合もあります。

【PDF版をダウンロード】

廃棄物の法分類 −普通廃棄物−
廃棄物の法分類 −特別廃棄物−
産業廃棄物法分類についての注意点・・・「混合」

2010.07.01 廃棄物管理 法律

地下水・公共水域・水道水に係る基準値等比較表

[更新 2025年2月10日]

環境便利帳では、地下水基準・排水基準が設定されている項目を中心に、地下水・公共水域・水道水に係る基準値等から抜粋して比較表を作成しました。皆様のお手元において、便利に使っていただければと思います。

地下水・公共水域・水道水に係る基準値等比較表

 基準地下水基準(mg/L)地下水の水質汚濁に係る環境基準(mg/L)公共水域の水質汚濁に係る環境基準(mg/L)
※1
水道水
水質基準(mg/L)
※2
水道水
水質管理目標値(mg/L)
※3
水道水
水質要検討項目目標値(mg/L)
※4
排水基準(mg/L)
 対象地下水地下水河川水道1級水道水水道水水道水排水
物質名土壌汚染対策法環境基本法
ダイオキシン特別措置法
環境基本法
ダイオキシン特別措置法
水道法水道法水道法水質汚濁防止法
ダイオキシン特別措置法
四塩化炭素第1種特定有害物質0.0020.0020.0020.0020.02
1,2-ジクロロエタン0.0040.0040.0040.0040.04
1,1-ジクロロエチレン0.020.10.10.11
シス-1,2-ジクロロエチレン0.040.040.4
1,2-ジクロロエチレン
※5
0.040.04
1,3-ジクロロプロペン0.0020.0020.0020.02
ジクロロメタン0.020.020.020.020.2
テトラクロロエチレン0.010.010.010.010.1
1,1,1-トリクロロエタン1110.33
1,1,2-トリクロロエタン0.0060.0060.0060.06
トリクロロエチレン0.030.010.010.010.1
ベンゼン0.010.010.010.010.1
カドミウム第二種特定有害物質0.010.0030.0030.0030.03
六価クロム0.020.020.020.020.2
シアン検出されないこと検出されないこと検出されないこと0.011
水銀0.0005
かつアルキル水銀が検出されないこと
0.00050.00050.00050.005
アルキル水銀検出されないこと検出されないこと検出されないこと
セレン0.010.010.010.010.1
0.010.010.010.010.1
砒素0.010.010.010.010.1
ふっ素0.80.80.80.8海域以外 8
海域 15
ほう素1111.0海域以外 10
海域 230
シマジン第三種特定有害物質0.0030.0030.0030.03
チオベンカルブ0.020.020.020.2
チウラム0.0060.0060.006  0.06
PCB検出されないこと検出されないこと検出されないこと0.003
有機りん
※6
検出されないこと1
ダイオキシン類その他1pg-TEQ/L
(年平均値)
1pg-TEQ/L
(年平均値)
1pg-TEQ/L
(暫定)
10pg-TEQ/L
硝酸性及び亜硝酸性窒素101010
アンモニア、アンモニウム化合物亜硝酸化合物及び硝酸化合物100
※7
亜硝酸態窒素0.040.05(暫定)
1,4-ジオキサン0.050.050.050.5
クロロエチレン(塩化ビニル)0.0020.0020.002
水素イオン濃度(pH)生活環境項目6.5-8.55.8-8.67.5程度海域外5.8-8.6
海域5.0-9.0
生物化学的酸素要求量(BOD)1160
(日平均120)
化学的酸素要求量(COD)3160
(日平均120)
浮遊物質(SS)25200
(日平均150)
溶存酸素量(DO)7.5以上
ノルマルヘキサン抽出物質含有量(鉱油類)5
ノルマルヘキサン抽出物質含有量(動植物油脂類)30
フェノール類0.0055
1.03
亜鉛1.02
0.310
マンガン0.050.0110
クロム2
一般細菌集落数100以下/ml
大腸菌群数50MPN/100ml以下検出されないこと3000(個/cm3)
(日間平均)
窒素120
(日平均60)
16
(日平均8)

※1 人の健康の保護に関する環境基準、生活環境の保全に関する環境基準のうち河川(湖沼を除く)、類型AA、(水道1級)を表示
※2 水質基準項目50項目より抜粋
※3 水質管理目標設定項目27項目から抜粋
※4 要検討項目48項目から抜粋
※5 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランスー1,2-ジクロロエチレン
※6 有機りん化合物:パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPNをいう
※7 アンモニア性窒素に0.4を乗じたもの、亜硝酸性窒素および硝酸性窒素の合計量

なお、内容には正確を期すようにしておりますが、万が一誤りがあった場合でもその損害は補償しかねます。

【PDF版をダウンロード】

地下水・公共水域・排水・水道水に係る基準値等比較表(2022年5月9日更新版)

【参考サイト】

DOWAエコジャーナル なるほど話
基準値改正状況 ~排水基準・廃棄物関連~

【参考資料】

e-Govホームページ
地下水基準:土壌汚染対策法施行規則 別表第1

環境省ホームページ
地下水の水質汚濁に係る環境基準について
水質汚濁に係る環境基準について
環境基準・要監視項目、水質汚濁にかかる環境基準の新旧対照表
ダイオキシン類対策特別措置法に基づく基準等
一律排水基準

厚生労働省ホームページ
水道水質基準について

2010.06.01 廃棄物管理 法律

土壌・廃棄物に関する基準値一覧表

土壌汚染対策法廃棄物処理法

[更新 2021年6月1日]

環境便利帳では、土壌・廃棄物に関する基準値等の一覧表を作成しました。皆様のお手元において、便利に使っていただければと思います。

じーっと見比べると、色々な発見がありますよ!

土壌・廃棄物に関する基準値一覧表
適用法規基準土壌含有量基準
(mg/Kg)
土壌溶出量基準
(mg/L)
第二溶出量基準
(mg/L)
土壌環境基準
(mg/L)
農用地土壌汚染対策地域の指定の要件特別管理産業廃棄物の判定基準
(mg/L)
 対象土壌土壌土壌土壌・
米(田に限る)
土壌・米廃棄物
(汚泥)※1
物質名土壌汚染対策法土壌汚染対策法土壌汚染対策法環境基本法
ダイオキシン特措法
農用地の土壌の汚染防止等に関する法律廃棄物処理法
四塩化炭素第一種特定有害物質0.0020.020.0020.02
クロロエチレン(塩化ビニルモノマー)0.0020.020.002
1,2-ジクロロエタン0.0040.040.0040.04
1,1-ジクロロエチレン0.110.11
シス-1,2-ジクロロエチレン0.4
1,2-ジクロロエチレン※50.040.40.04
1,3-ジクロロプロペン0.0020.020.0020.02
ジクロロメタン0.020.20.020.2
テトラクロロエチレン0.010.10.010.1
1,1,1-トリクロロエタン1313
1,1,2-トリクロロエタン0.0060.060.0060.06
トリクロロエチレン0.010.10.010.1
ベンゼン0.010.10.010.1
カドミウム及びその化合物第二種特定有害物質450.0030.090.003
(0.009)※3
米1kgにつき0.4mg以下(農用地)
米1kgにつき0.4mg以上0.09
六価クロム化合物2500.051.50.05
(0.15)※3
1.5
シアン化合物50(遊離シアンとして)検出されないこと1検出されないこと1
水銀及びその化合物150.00050.0050.0005
(0.0015)
※3
0.005
アルキル水銀検出されないこと
※6
検出されないこと
※6
検出されないこと検出されないこと
セレン及びその化合物1500.010.30.01
(0.03)※3
0.3
鉛及びその化合物1500.010.30.01
(0.03)※3
0.3
砒素及びその化合物1500.010.30.01
(0.03)※3
土壌1kgにつき15mg未満(農用地(田に限る))
土壌1kgにつき15mg以上又は10~20mgの範囲で都道府県知事が定める値以上(農用地(田に限る))0.3
ふっ素及びその化合物40000.8240.8
(2.4)※3
ほう素及びその化合物40001301(3)※3
シマジン第三種特定有害物質0.0030.030.0030.03
チオベンカルブ0.020.20.020.2
チウラム0.0060.060.0060.06
ポリ塩化ビフェニル(PCB)検出されないこと0.003検出されないこと0.003
有機りん化合物検出されないこと※21※2検出されないこと※21
ダイオキシン類その他1000pg-
TEQ/g※4
3000pg-
TEQ/g
銅及びその化合物土壌1kgにつき125mg未満(農用地(田に限る))土壌1kgにつき125mg以上(農用地(田に限る))
1,4-ジオキサン0.050.5

※1 対象物によって値が異なるため、汚泥の基準値を記載した
※2 有機りん化合物:パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン、EPNに限る
※3 汚染土壌が地下水面から離れており、かつ、原状において当該地下水中のこれらの物質の濃度がそれぞれ地下水1リットルにつき環境基準値を超えていない場合に適用
※4 環境基準が達成されている場合であって、土壌中のダイオキシン類の量が250pg-TEQ/g以上の場合には、必要な調査を実施することとされている。(備考1,000pg=1ng)
※5 シス-1,2-ジクロロエチレンとトランス-1,2-ジクロロエチレンの和
※6 水銀の測定を行なって検出されない場合は、アルキル水銀の測定はしなくてもよい

なお、内容には正確を期すようにしておりますが、万が一誤りがあった場合、それによる損害は補償しかねます。

【PDF版をダウンロード】

土壌・廃棄物に関する基準値等比較表

【参考サイト】

DOWAエコジャーナル なるほど話
土壌汚染対策法の特定有害物質に関する審議・検討状況
基準値改正状況 〜排水基準・廃棄物関連〜

【参考資料】

法令

土壌汚染対策法施行規則
農用地の土壌の汚染防止等に関する法律施行令
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令
金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める省令

環境省ホームページ

特別管理産業廃棄物の判定基準
土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日 環境庁告示第46号)
ダイオキシン類による大気の汚染、水質の汚濁(水底の底質の汚染を含む。)及び土壌の汚染に係る環境基準(平成11年12月27日 環境庁告示第68号)
平成25年2月21日「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」の公布について(お知らせ)
平成26年3月20日「土壌の汚染に係る環境基準についての一部を改正する件」(告示)等について(お知らせ)
平成26年8月4日(お知らせ)土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令等の公布について
平成27年12月25日 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令等の公布について(お知らせ)(カドミウム:特別管理産業廃棄物判定基準)
平成28年3月29日(お知らせ)土壌環境基準及び地下水環境基準の一部を改正する告示並びに土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令等の公布について
平成28年6月20日 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令の公布について(トリクロロエチレン:特別管理産業廃棄物判定基準)