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循環型社会を目指すオランダの取り組み
その3 大規模ごみ集積所

廃棄物収集・リサイクル・清掃を行う行政機関であるミヤランデン(Meerlanden)は、ミリユーストラート(環境通り)という名称の大型ごみ集積所を運営していて、前述の家庭ごみや特殊ごみを含めた全てのごみを集積しています。
テレビや冷蔵庫など大型の家電は通常、新しいものを購入した店舗で引き取って処理してくれますが、自分でこの大規模ごみ集積所に持ち込むこともできます。

大型粗大ごみ、庭から切った大型の木、ペンキの残りや、特別な処理が必要な、掃除や日曜大工で使用した薬品(ケミカル)類もここで引き取ってくれます。

写真:集積所入り口

“特別な処理が必要な、掃除や日曜大工で使用した薬品(ケミカル)類”は、ミヤランデンのごみ分別表上KCA(Klein chemisch afval 小さな化学廃棄物)と呼ばれるジャンルで、健康と環境に有害な化学物質を含む家庭廃棄物が含まれます。

オランダ人は、自分でバスルームをまるごと交換したり、家の壁を壊したりするため、日本の家庭では出ないような化学廃棄物が日常的に家庭ごみとして出ます:

バッテリー、薬、ランプオイル、LED、蛍光灯、省エネランプ、ペンキ、ラッカー、ステイン、シンナー、クリーナー、ペイントリムーバーなどのペイント関連製品、ガソリン、エンジンオイル、廃油、ブレーキオイル、オイルフィルター、農薬、エッチング液、硝酸、硫酸、写真固定剤・現像剤、シンクドレンクリーナー液、皮下注射針、水銀スイッチ、水銀温度計、石油、塩酸、アンモニア、スピリトゥス、化粧品、クイックデスケーラー、ハロゲンランプ、銅磨き剤、銀磨き剤、内容物が入ったままのエアゾール缶など。

この中で、掃除で使用するケミカルはアンモニア、銅磨き剤、銀磨き剤など。日曜大工で使用する薬品は、ペイント、ラッカー、シンナー、ペイントリムーバー、機械油などです。

ミヤランデン ミリユーストラート(大規模ごみ集積所)に個人で持ち込んだ場合、小さなものは無料ですが、大きなものを持ち込んだ場合や、自宅に引き取りに来てもらう場合は費用がかかります。
個人が持ち込む場合、3立方メートル以上の大きさのものは3立方メートルを超える1立方メートルあたりEUR47.90かかります。
個人が引き取りに来てもらう場合、2立方メートルまではEUR23.90、それ以上は1立方メートル当たりEUR47.90です。3人がけのソファーで、大体1立方メートルと換算するそうです。

このミヤランデン ミリユーストラート(大規模ごみ集積所)に取材に行ったところ、コロナで大掃除をする人が多いことと、またコロナで入場制限があることから混雑しており、入り口には車15台ほどが列を作って並んでいました。

列をなす車の中には丸ごとのソファーや大量の木材、テレビや掃除機が積まれているのが見えました。大規模ごみ集積所の入り口にはゲートがあり、住所と氏名を申請します。自分の住む地域の集積所しか利用できない仕組みになっているためです。

私は自転車だったのと、捨てるものが唐揚げやとんかつを何度か揚げた後の使用済み油と発泡スチロールだけだったので、並ばずに先に入れてもらえました。
油は自宅にあったワインの瓶に入れた状態で引き取ってもらえました。
発泡スチロールはリサイクルするためにコンテナに大量に集められていた中に追加しました。

広大な敷地には大型家電を含む家電用の屋内型コンテナ、衣類用コンテナ、ケミカル処理用コンテナ、発泡スチロール用コンテナ、自動車のタイヤ専用コンテナ、そして取り壊した壁などを入れられるコンテナ(DIYが盛んなオランダでは、自分で家の壁やトイレを取り壊して新しいものに変える人が多くいます)やアスベストまで処理できるコンテナがありました。

写真:上段左から、使用済み食用油(2本のワインボトルに入っているのが私の揚げ油)、家電、アスベスト・プラスチック(「発泡スチロールは別」とあります)、ガスボンベ、ガラス、繊維、タイヤ用のコンテナ、集積所入り口

写真を撮る許可をくれた従業員のマリオ君に、地域住民のごみ処理意識に満足しているかどうか聞いてみたところ、
「あんなに並ぶのにごみを持って来る人達は素晴らしいです。
問題は全く気にかけていない人達です」と話してくれました。
マリオ君によると、混合ごみの中に、簡単にリサイクルできて地球の環境を改善できる資源ごみを入れている人が多すぎるのが悩みのタネで、行政が混合ごみに紛れた資源ごみをより分ける仕組みに力を入れているものの、多くの人の意識が向上してほしいと切に願っているということでした。

前述したように、オランダのごみ処理は、上に書いたルールに従えばグレーの混合ごみ箱に入れるごみが、かなり限られるシステムです。
混合ごみはオランダ語で「リサイクルし切った残り」というようなニュアンスのレストアフヴァル(残留ごみ)と呼ばれます。

筆者宅でも、ごみをかなり熱心に分別しているので、グレーのごみ箱に入れるものは食品の汚れがどうしても取り除けなかったプラスチックの袋や汚れた紙ナプキンや缶類ぐらいです。
紙ナプキンやピザの空き箱に付いた油汚れはほんの少しならOKですが、多めに付いている場合はリサイクルできません。プラスチックの袋やラップの場合は、油がもう少し付いていても大丈夫なものの、できるだけ洗って乾かしてからごみに出すことが求められています。

混合ごみに必ず入るものとしては、使用済み紙おむつ、猫用トイレの砂、カプセル式コーヒーメーカーで使う使用済みカプセルなどがありますが(ネスレ製のものはネスレの店舗へリサイクルに出せるそうです)、後述するドリンクカートンの例のように、PMDへの移行等で時々ルールが変わるため、オランダ語の情報であっても早めにキャッチして常に正しくごみ出しをしたいと考えています。

*PMD - パッケージング類の分別をシンプルに「ガラス」「紙・ダンボール」そして「PMD(Plastics, Metal, Drink Cartons)」のみにしていく動き。その後の機械での分別が進化したため、ドリンクカートンがプラスチックや金属ごみと同じコンテナに出せるようになる。

【参考資料】

Hoeveel wordt er gefietst in Nederland? Alle cijfers op een rijtje.


この記事は
オランダ在住・在勤・元ジャパンタイムズ紙記者
Yumi Wijers-Hasegawa が担当しました

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