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DOWAエコジャーナル

2026.05.07 廃棄物管理 法律

廃棄物処理法改正およびPCB特措法改正の法律案が閣議決定されました

DOWAの取組PCB廃棄物処理廃棄物処理法

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、「廃棄物処理法」)の一部および「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法」(以下、「PCB特措法」)を改正する法律案が2026年4月10日に閣議決定されました。

○環境省:「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案」の閣議決定について
○環境省:「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案」の閣議決定について

今回の改正では「①スクラップヤードの規制強化」「②災害廃棄物の処理の推進」「③今後のPCB廃棄物の適正処分のための措置」が実施されています。それぞれの項目について改正の背景と要点を解説します。

① スクラップヤードの規制強化

(1)背景

使用済みの金属・プラスチック物品を保管・再生するスクラップヤードは、資源循環の輪において重要な役割を担っています。しかしながら、一部のスクラップヤードでは騒音、水質汚濁、火災等の生活環境保全上の支障が報告されています。こうした状況を是正し、良好な生活環境の保全と公正な競争環境の整備を行うことが必要となっています。

写真:不適正スクラップヤードの例

(2)概要

以下のような措置を講じます。

  • 使用済みの金属・プラスチック物品の保管又は再生を行う事業について適切な運用を行うことを条件に許可制が導入されます。(従来の「有害使用済み機器保管等届出制度」に替えて制定)
  • 環境汚染のおそれのある物品について国内における再生を原則とし、その輸出について環境大臣の確認が必要になります。

(3)施行期日

国会に提出され可決された後、公布の日から2年6か月を超えない範囲で政令で定められます。

② 災害廃棄物の処理の推進

(1)背景

災害廃棄物を適正かつ迅速に処理することは、被災地の速やかな復旧・復興のために重要な事項です。令和6年能登半島地震等、最近の災害対応において得られた教訓等を踏まえ、体制の強化が必要となっています。
具体的には以下のような課題があげられています。

  • 仮置場候補地、災害廃棄物推計量等の事前計画の不足
  • 民間の廃棄物処理場の活用の停滞
  • 被災自治体の人員・専門的知見の不足

(出典)環境省:廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律案の概要

(2)概要

以下のような措置を講じます。

  • 市町村における災害廃棄物処理計画の策定の義務化、地方公共団体と事業者間の協定の締結の努力義務を定めます。
  • 災害廃棄物の埋立処分に係る最終処分場を確保するため、都道府県知事が予め民間の最終処分場を指定できるようにします。
  • 地方公共団体への支援体制の構築として、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の事業の範囲に災害廃棄物に関する事業が追加されます。

(3)施行期日

国会に提出され可決された後、公布の日から3か月を超えない範囲で政令で定められます。

③ 今後のPCB廃棄物の適正処分のための措置

(1)背景

PCB廃棄物については、PCB特措法に基づき、処分の期限を定めて処理が行われてきました。

高濃度PCB廃棄物は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)の処理施設において、本年3月に処理事業を終了しています。今後は、散発的に発見される高濃度PCB廃棄物を適正に処分するための制度を構築する必要があります。

また、低濃度PCB廃棄物は、保管事業者に対して令和9年3月までの処分を義務付け、各無害化処理施設において処理が進められています。低濃度PCB使用製品については、まだ使用中の製品も存在することから、これらの製品が処分期間後に廃棄される際に適正に処分される必要があります。

(2)概要

以上の背景を受け、PCB特措法の規定の一部が廃止され、また新たな義務が追加されました

  • 低濃度PCB使用製品の届出義務等
    低濃度PCB使用製品を所有する者、または製品の使用を終了しそれが低濃度PCB廃棄物と判明した者に対して届出義務を課し、一定の期間内に処分をすることが義務付けられます。
  • 高濃度PCB廃棄物の処分義務
    保管する廃棄物が高濃度PCB廃棄物と判明した物に対しても一定の期間内に処分を義務付けられます。(使用中で判明したものも同様)
  • PCB廃棄物処理計画の廃止
    都道府県等におけるPCB廃棄物処理計画の策定義務が廃止されます。
  • JESCOの事業の見直し
    JESCOの事業の範囲が見直されます。

以上のように昨今の廃棄物処理の課題に対応するような改正案となっております。それぞれの改正内容については、別記事にてより詳細な解説を予定しています。

峯川 この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室 峯川 が担当しました

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