「資源の有効な利用の促進に関する法律」(以下、「資源有効利用促進法」)が改正され、2026年4月1日から施行されました。
この法律は業者による製品の回収・リサイクルの実施などリサイクル対策を強化するとともに、製品の省資源化・長寿命化、回収した製品からの部品等の再使用、副産物の発生抑制により、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進を目的としています。
今回の改正により、動静脈連携を基本とするサーキュラーエコノミー型に政策体系が刷新されています。改正のポイントは以下の4つです。
- ① 再生資源の利用計画策定・定期報告
- 脱炭素化の促進のため、再生プラスチックの利用義務を課す製品(自動車、家電4品目、容器包装)の製造事業者等に対して、再生材の利用に関する計画の提出、定期報告を求める。
- ② 環境配慮設計の促進
- 特に優れた環境配慮設計の認定制度を創設。
- 認定製品はその旨の表示、リサイクル設備投資への金融支援など、認定事業者に対する特例を措置。
- ③ GXに必要な原材料等の再資源化の促進
- 自主回収・再資源化の対象製品に、電源装置(モバイルバッテリー)、携帯電話用装置(スマートフォン等)、加熱式たばこデバイスを追加。
- 高い回収目標等を掲げて認定を受けたメーカー等に対し廃棄物処理法の特例(業許可不要)を講じ、回収・再資源化のインセンティブを付与。
- ④ CEコマースの促進
- シェアリング等のCEコマース事業者について、資源の有効利用の取組を行う者として満たすべき基準を、家電4品目、オフィス家具4品目、複写機を対象に設定。
以下にそれぞれの内容についてもう少し詳しく解説します。
① 再生資源の利用計画策定・定期報告
自動車、家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)、包装容器(食品(指定PETボトル除く)や医薬品等を除く)の製造事業者に対して、再生プラスチック利用の計画提出・定期報告が求められます。計画および報告に係る判断基準については以下の通り定められています。
(出典)経済産業省:第13回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 事務局資料
目標設定について、包装容器並びに家電4品目は計画を提出する年から5年以内、自動車は10年以内で目標設定を行うこととなっています。
また、計画の提出については2027年度から毎年度9月末日までに行うこととなっています。ただし、初回提出から内容に変更が無いときは計画の最終年度に次の計画を提出すればよいことになっています。
定期報告は2028年度から毎年度9月末までに行うこととされています。


(出典)経済産業省:第13回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 事務局資料
② 環境配慮設計の促進
特に優れた環境配慮設計の認定制度が創設され、認定製品はその旨の表示、リサイクル設備投資への金融支援など、認定事業者に対する特例が付与されます。認定を受けるためには、指針に従った設計(解体・分別しやすい設計、長寿命化につながる設計)を行うとともに、評価および情報の公表、製品分野ごとに定める基準に適合していることが求められます。
対象指定製品製造事業者が取り組むべき事項としては以下の通り定められています。
(出典)経済産業省:第13回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 事務局資料
③ GXに必要な原材料等の再資源化の促進
自主回収・再資源化の対象製品に、電源装置(モバイルバッテリー)、携帯電話用装置(スマートフォン等)、加熱式たばこデバイスが追加されました。高い回収目標等を掲げて認定を受けたメーカー等に対し廃棄物処理法の特例として回収の実施に関して業許可不要となることとなっています。
廃棄物処理法の特例を受けることができる要件である「高い回収目標」としては、3年または5年間の回収計画を策定し、その水準をもって判断することとされています。
(例:初年度の回収量を1とした場合、最終年度の実績が30倍以上となるような目標を設定)
④ CE(サーキュラーエコノミー)コマースの促進
家電4品目(エアコン、テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫)、金属製家具4品目(収納家具、棚、事務用机、回転いす)及び複写機に係る判断基準省令について、修理事業者及び賃貸事業者に対する基準が追加されました。修理事業者、賃貸事業者については、消費者に対して、修理の記録や賃貸期間中の点検・保守などの情報の提供を行うこととなっています。
(出典)経済産業省:第13回 産業構造審議会 イノベーション・環境分科会 資源循環経済小委員会 事務局資料
以上のように、今後は再生プラスチックの利用を中心にとして、静脈産業だけでなく製造事業者側のサーキュラーエコノミーに対する取り組みがいっそう求められることとなっています。それと同時にインセンティブ制度なども創設され、取り組みへの推進も図られています。
また、今回は自主回収・再資源化の対象製品に、モバイルバッテリー、スマートフォン、加熱式たばこデバイスなどが追加されていますが、今後も新たな品目が追加されていくものと考えられます。特に今年度は「太陽電池」「IHクッキングヒータ」「食洗器」「窓」の追加が議論されており、動向への注視が必要です。
最後に、今回の改正に関連する、実際の製品や事業者の判断の基準などについて制定、改正された省令、告示等の一覧表が経産省の委員会で示されているので、参考にしてください。
○経済産業省:第13回 産業構造審議会 資源循環経済小委員会 参考資料1
この記事は
DOWAエコシステム 環境ソリューション室 峯川 が担当しました











