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DOWAエコジャーナル

2026.08.03 廃棄物管理

秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました② ~リチウムイオン電池の種類、性状、電池の混入状況などを把握し、安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりへ貢献~

DOWAの取組LIB廃棄物処理環境コンサル

秋田県大館市でリチウムイオン電池の回収試験(イベント回収)を行いました① ~リチウムイオン電池の種類、性状、電池の混入状況などを把握し、安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりへ貢献~
の続きです。

回収試験について

回収の結果

2日間を通して、イベント来場者が断続的に回収ブースを訪れ、家庭で保管していたリチウムイオン電池を含む二次電池などが持ち込まれました。大館市エコフェアの来場者が少なくなってきた2日目の午後になっても、リチウムイオン電池の回収ブースへの来場者は途絶えることはなく、結果として、2日間で合計584個、78kgのリチウムイオン電池を含む二次電池が回収されました。

写真左:興味を持つ来場者 
右:回収された電池の調査記録の様子

持ち込まれた電池には、モバイルバッテリー、電動工具用バッテリー、コードレス掃除機用バッテリーなど、家庭で使用されるさまざまな製品由来のものが含まれていることが確認できました。

回収試験後の解析

回収後、持ち込まれた電池について、以下のような項目を調査、整理しました。

  • 電池の種類
  • 膨張・破損・液漏れ等が見られる異常なリチウムイオン電池の割合
  • リサイクルマークなどの表示
回収されたリチウムイオン電池を含む二次電池(※種類ごとに分けて保管)

結果は、次のとおりです。

回収された二次電池のうち、リチウムイオン電池の割合は74%でした。イベント回収ではリチウムイオン電池を対象としていましたが、リチウムイオン電池以外の二次電池(ニカド電池、ニッケル水素電池など)が26%含まれていました。

リチウムイオン電池のうち、膨張等の異常のあるリチウムイオン電池の割合は31%でした。

リチウムイオン電池のうち、既存回収ルート対象品の目印となるリサイクルマーク(スリーアローマーク)のあるリチウムイオン電池の割合は86%でした。

なお、既存回収ルートの対象外となりうる「リサイクルマークなし」、「膨張等あり」のいずれかに合致するリチウムイオン電池は、全個数の40%を占めていました。

これらの結果から、家庭で保管されている使用済み電池には、既存回収ルートの対象外となるものや、膨張している等、取り扱いに注意が必要なものが相当数含まれていることが確認されました。また、回収対象のリチウムイオン電池以外の二次電池も持ち込まれるなど、一般市民にとって電池の種類を判断するのは容易ではないということも推察されました。市町村が回収体制を検討する際には、これらの課題に留意することが望ましいと考えられます。

回収試験を終えて

反響(市民の声、新聞報道等)

今回の回収試験では、市民から多くの反響がありました。
たとえば、大館市エコフェアが開催された1日目に、会場の端に設置されたリチウムイオン電池回収ブースを見つけた参加者が、「出し方がわからない電池が家にたくさんあるので、明日持ってきますね」と声をかけてくれました。その方は翌日、家庭で保管していた電池をまとめて持参されました。

こうしたやり取りから、使用済みのリチウムイオン電池を「どこに出してよいかわからない」と感じ、家庭内で保管し続けている市民がいることがうかがえました。
また、今回の取り組みは地元新聞等でも紹介され、リチウムイオン電池の回収に対する関心の高さが示されました。

大館市エコプラザで常設回収を開始

大館市では、今回のイベント回収を通じて、リチウムイオン電池回収への市民ニーズが高いことや、安全に回収するための方法について一定の知見が得られたことを踏まえ、大館市エコプラザでの常設回収を開始しました。

この取り組みは、2026年1月26日の秋田魁新報でも報道されました。
イベント回収をきっかけに、継続的な回収体制の構築へとつながった事例といえます。

自治体職員の声

大館市環境課の係長は、回収開始後の効果について、次のような感想を寄せています。
「回収開始前は、リチウムイオン電池の排出方法に関する電話での問い合わせが月10~20件ほどあり、職員の負担が大きかったが、回収開始後は問い合わせがなくなり、大幅に負担が軽減されました」

常設の排出先を設けることは、適正排出の促進だけでなく、自治体職員の問い合わせ対応負担の軽減にもつながる可能性があります。

リチウムイオン電池回収に関する動き

市町村の動き

全国的に、リチウムイオン電池の火災対策や適正処理を目的として、自治体による分別回収の取り組みが広がっています。たとえば、公共施設への専用回収ボックスの設置や、窓口での引き取りなどが進められています。

一方で、膨張した電池を受け入れるか、小型家電に内蔵された電池をどう扱うか、電池を取り外せない製品をどのように回収するかなど、自治体によって対応が異なる課題もあります。

今後、市町村による回収体制の整備はさらに進むと考えられます。その際には、回収される電池の種類や状態を把握し、安全に保管・処理できる体制を整えることが重要です。

あわせて、住民が迷わず排出できるよう、わかりやすい分別・排出ルールを整備し、広報紙やウェブサイトなどを通じて、地域の実情に応じた周知啓発を行うことも求められます。

DOWAのサービス紹介

DOWAグループでは、リチウムイオン電池の回収から安全な処理、再資源化までを行っています。電池に含まれるコバルト、ニッケル、銅などの有用金属をリサイクルすることで、資源循環の推進に貢献しています。
また、自治体と連携したリチウムイオン電池の適正処理とリサイクルの推進に関するホワイトペーパーも公開しています。

> ホワイトペーパー:自治体と連携したリチウム蓄電池の適正処理とリサイクルの推進

リチウムイオン電池の回収体制づくりや実証試験、適正処理・リサイクルに関するご相談にも対応しています。

まとめ

今回、大館市エコフェアで実施したリチウムイオン電池のイベント回収およびその後の解析を通じて、市民の回収ニーズがとても高いこと、家庭内に出し方がわからない電池が保管されていること、膨張・破損等の異常がある電池や既存回収ルート対象外品が多くあること、また、リチウムイオン電池以外の二次電池が混入することが確認されました。

リチウムイオン電池の適正回収を進めるためには、市民にとってわかりやすい排出先を設けるとともに、自治体が安全に保管・運搬・処理できる体制を整えることが重要です。イベント回収のような実証試験は、地域の排出実態や課題を把握し、継続的な回収体制へつなげる有効な手段となります。

イー・アンド・イー ソリューションズ(株)では、DOWAグループと連携し、リチウムイオン電池の回収試験の設計・運営、調査解析、適正処理・再資源化に関するご相談に対応しています。リチウムイオン電池の安全な回収と資源循環の推進に向け、今後も地域の実情に応じた適切な解決方法を提案していきたいと考えています。

○関連するお役立ち情報はこちら
> リチウムイオン電池の安全・適正な回収・処理・リサイクル体制づくりに向けて

新冨 この記事は
イー・アンド・イー ソリューションズ 新冨 が担当しました

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